第335話 検索魔法2
俺は空間の理論的な研究をしていくと、徐々にわかってきた。
空間と言っても紐付けされていないと、どこかに行ってしまう。
つまり鍵と鎖と同じということだ。
鍵を持つためには、どこかにかける鎖が必要なわけだ。
鍵が空間であり、鎖が、その人と繋ぐものと言うこと。
だから現世に繋ぎ止めておくためには、その人との繋がりが必要なんだ。
だから、そこから空気が入ってくる、でも、どこに出ていくんだ?
じゃ、時間が止まる空間は、どこにあるんだ。
う〜ん、考えていくと、広がりは大きい。
あっそうか、出ていくのも、紐付けされたところから出ていく。
じゃ、時間が止まった異空間収納は?
空間のように紐付けされたわけじゃない、俺の異空間収納には、女性達のドレスも入っている。
時間が止まっているから、シワになることはなく折れたままを保つことができるから。
そして温かい食事は、ホカホカのままで保つことができる。
あっそうか、単純に時間が止まる異空間収納は、もちろん、開いた時には、空気が入るけど、閉じたら、空気が出て時間が止まるんだ。
つまり空間に時間が止まる魔法をかければいいんだ。
そして口を開けた時、中に入る空気は強制的に排出すれば問題ないんだ。
それを魔法で成していると言うことか。
単純に魔法の重ねがけなんだ。
俺は覚醒してから何も考えもせずに異空間収納を使えたから、使ってきたけど、原理がわかれば、単純な問題なんだ。
異なる空間だから異空間と言う、そして収納だから、収納だから、何かを直すスペースと言う意味がある。
だからウルフたちの二人が、結界魔法でもないんだったら、空間魔法かもしれないでの、紐付けされたものが、現世にあるはずだ。
しかし、作った人が異空間に入ると、どこに紐付けも固定もされるのか、ここでも疑問が生じるじゃないか?
もう、次から、次へと問題が起きる。
今、俺は、空間に入っている。
空間の中で、時間が止まる空間を作ってみる。
完成した空間を検査していると、やはり、開けた瞬間に空気が出ていくことが分かった、
そして時間魔法で時間を止めたり、解除することをしていると、分かった。
作った人が空間の中に入ると、特異点ができるみたいだ、つまり現世に空間を繋ぎ止めておくポイントが。
そのポイントがないと、どこかに漂ってしまう。
つまり波止場のロープ見たいなものなんだ。
色々、分かってきたぞ。
ということは特異点を探せばいいわけだ。
どこかに繋ぎ止められた特異点。
でも特異点はかなり小さい。
それを世界のどこかにあるはずだ、もし、これでも見つけられることができなければ、まさに神の領域しかないと思う。
だって現世でもないし、異次元でもないければ、あとは神の領域しかない。
じゃ、早速、空間の中で検索魔法を使って見つけてみよう。
まずは再確認のため、検索魔法を発動してみる、やはりいないみたいだ。
じゃ、次は、空間を繋ぐ特異点を検索魔法で見つけてみる。
イメージするのは、船を繋ぎ止めておくイメージでやってみる。
検索魔法に、遠くの国が引っかかってきた。
入ることはできないけど、ウルフの気配がしている。
でも気配しか確認できないが、一人しかいない。
俺は、それまでにして空間から出て、、今までいた空間を解除した。
空間から出てきた俺は、急に出てきたので、皆にびっくりさせることになるが、俺は手招きをして、全員を俺の周りに集めた。
俺は声の音量を落として、ヒソヒソ声で、話し始める。
「ウルフだけを見つけた‥‥‥」と
アリシア「えっ、うそ」
「嘘じゃないよ」
ソフィア「でも、どうやって?」
俺は空間で考えたことを説明したけど、全員がわからないみたい。
アリシア「クリス、よく、そんなことを考えつくね」
イザベラ「本当だよ」
セラフィーナ「さすが、クリス様」
シャーロット「ほんとうに」
コリン「うん、うん」
と、全員が良い方に行ってくれたけど、説明してもわからないのが、一番、応えた。
別にヒソヒソ声で話す必要はないんだけど、なんとなくね。
「それで、これから、どうする?」ソフィア
「そうだね、う〜ん、どうしようか?」
「なんだ、見つけたのに、無計画?」
「うん、まぁ、そう」
「 でもウルフがいる空間には入れないんでしょう」
「それがね、空間を研究してみると分かったことで、入ることができるみたいなんだ」
「 でも、以前、クリスは他人が作った空間に入ることができないって言っていたでしょう」
「 まだ実験したことがないからできるか、わからないんだけど、多分入ることができると思うんだよね、それもかなり強力な空間でも」
「多分、ウルフと戦っている時にも、空間の隙間を見つけてそこから俺を殺した奴が入ってきたんじゃないかと思う」
「 ほら、空間ていうのは人が入って生活することができるでしょう」
「うん」
「 どこかに酸素が発生するものがないと、人が呼吸したり、生きていられないよね」
「あっ、そうか」
「そう、つまり空気が入る空間があるということ」
「そして空気の流れがあって、汚れた空気は出て行っているということなんだ」
「 それを実証するために、ちょっと俺はジャネットに会ってくるから、 何かあったら念話を送ってくれる?」
「うん、分かったわ」
俺は了解を取ったのでジャネットに念話で連絡をとって瞬間転移してみる。
ジャネットは、リッチェスト国にいるけど、今の俺の力を使うと、1秒もかからないでリッチェスト国に行くことができる。
あらかじめ念話で連絡しておいたので、リッチェスト国の貸し出された部屋にはジャネットと文官が待機していた。
俺がジャネットと文官に説明するけど、文官は、何がなんやら、わからない様子だった。
説明を終えると、「はい、わかりました」とジャネット入って、人が入れる大きさの空間を作り、その中に待機している。
俺は、貸し出された部屋から、ジャネットが作った空間に転移してみせた。
ジャネット「わ、びっくりした」
「あっ、ごめん」
俺が出現したのは、ジャネットの目の前だった。
急に俺が目の前に現れたので、驚いたわけだ。
「俺がジャネットが作った空間に現れたので、ジャネットは驚いていたが、初めに説明していたので、納得が早かった。
「ね、ジャネット、できたでしょう」
「はい、そうですね」
「でも、こんなことが可能だなんて、今まで、誰も考えませんでしたよ」
「まぁ、初めから実体化したままだと無理なんだよ」
「つまり実体化を解除すればできるわけですね」
「うん、そうなるね」
「でも、それができるのは、限られますよ」
「たぶん、そうだと思うよ」
「私たちでも無理ですよ」
「うん、たぶんね」
「だって可能なら、ウルフの奴が空間から出てきているよ」
「そうですね」
「ウルフでも出ることができないのに、空間に出入りができる奴が、俺を殺した奴だと思う」
「そんな、じゃ、もう神しかいませんよ」
「‥‥‥」
「クリス様は、そう思っているわけですね」
「うん、だって人でもない、勇者でもない、神獣でもないと言うことは、そうなるよね」
「つまり、レイチェルにも疑いが向けられるし‥‥‥」
「そんな‥‥‥レイチェル様は違いますよ」
「まぁ、例えだよ」
「レイチェルと同じか、それ以上の神だと思うから」
「クリス様は、見当がついているみたいですね」
「うん、たぶん」
「もっと情報を集めいないとね」
「はぁ、そうですか、私も協力しますからね、なんでも言ってくださいよ」
「うん、お願いするね」
と言ってジャネットの作った空間から、オーリス王国に戻ってきた。
ジャネットが作った空間なのに、その場から瞬間転移することもできた。
もちろん空間の歪みから出てきたわけだけど。
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