第319話 人と神2

「レイチェル、ちょっと聞きたいんですけど、俺っていつから、勇者とか、救世主とか、神になったのですか?」


「クリスと皆さんになら話してもいいでしょうけど、他言は無用ですよ‥‥‥」

みんなの顔を見渡している。


レイチェルが話はじめる。


「創造神ナサニエル様が、この空間に星を作ることを決定されます」


「まぁ、作られる場所は、大概は、ここでいいだろう、とか言っているみたいです」


「そして創造神ナサニエル様が能力を使って、周辺のチリやガスや色々なものを集めて、、成分的に足りないものがあったら他から持ってきて、段々と丸くしていくんですよ」


「それは、もうすごいことなんですよ」


「星が作れられるのは、数日じゃできませんから、数百年もかけて、少しずつ形を作っていくんですよ。

大きい星もあれば、小さい星もありますから、創造神ナサニエル様の気分次第と言うこともあるみたいですよ」


「また、時々、失敗してしまって、空気がないと言う星もありますから」


「ちょっと熱くなってきたので、誰かタオルをください」と言ってタオルが渡されるのを待つことなく、立ち上がってから、タオルをもらって体に巻いていた。


俺がレイチェルを見ていたので、他の女性たちが、俺をジーとみていた。


いや、俺がレイチェルの何気ない行動を、ただ、追っていただけで、裸をみていたわけじゃなく‥‥‥


‥‥‥わかりました、確かにみていましたよ、裸を見えていました‥‥‥


もう、このエロ神め、わざとか?


レイチェルは腰かけて湯船に足だけ浸けて、足を組んだ。


他のメンバーも熱くなったみたいで、同じように足だけ湯船につけて、腰かけている。


俺も同じようにしないと、ちょっとヤバイ、目のやり場に困る。


ちょうど目線が、足の間に行ってしまう。


「皆さん、空を見上げると、近いから見えるでしょ?、あの星は失敗した星なんですよ」


みんなが見上げる空には大きな星が昼間でも見えるんだけど、その星は人が住んでいないみたいなので、空気がないと言うことよりも生命が育たないと。

想像神の 失敗作ということだ。


星が作られていく過程で、ずっと現場にいることはないそうなので、離れた隙に、、作りたかったものとは違うことになる場合もあるそうだ。


神様だって 失敗することがあるがということが分かった気がするが、 神様だって 精神的なトラブルを抱えてしまう神がいてもおかしくないと 俺を思う。


レイチェルが、温泉にいるうちに、 聞いて 確認しなければいけないことがあるので、それを聞いてみることにした。


「レイチェル、創造神ナサニエル様って、ヒゲを生やしている?」


「そうですね、はい、白いヒゲを生やしています」


「あと、特徴は、背は低くて、私と同じくらいかな、人で言えば、おじいちゃんみたいに見えます」


「じゃ宇宙神アラスター神様は?」


「宇宙神アラスター様は、背が高くて、体は細いですね、細くてがっしりとした体型をしていますよ、ヒゲは黒いですね」


創造神ナサニエルは、ヒゲが白くて、背が低い

宇宙神アラスターは、ヒゲが黒くて、背が高い と記憶しておこう。


これで創造神ナサニエルと宇宙神アラスター神の特徴がわかった。


でも、神だって変身できるみたいだから、要注する必要がある。


「レイチェル、神様って変身することはできる?」


「 はい、できると思いますよ、私だって、あなたに変身することができますよ」と言ってレイチェルは俺に変身してみせた。


レイチェルは返信して俺の格好になったけど、タオルを胸から巻いているのは、すっごく違和感がある。


「あっ、もう戻っていいですよ」


レイチェルは変身を解いた。


「 誰にでも 姿かたちを変えることができるんですね」


「はい、そうです」


ということは、ますます、怪しい


「あっ、俺に神の称号がついたのは、いつなんでしょうか?」


「それは、私にもわかりません」


「えっ、でも、この星の神でしょ」


「ええ、そうですけど、私にもわからないことがありますよ」


「えっ、全部を管理していると‥‥‥」


「だって、ウルフがコントロールを外れるなんて、考えもしませんでしたから、そう言うのもありますよ」


ちょっとレイチェルが膨れっ面になった。


ほっぺたをプクーッと膨らませている神も、面白い。


「 レイチェル、今、 2人の神様が、どこにいるのかわかるんですか?」


「 それはわかりませんね」


「 あっ、そういえば、私に何か質問や話したいことがある場合は、念話で話してくださいね。それと時々、この温泉に呼んでください、気に入りました」


「あっ、それは大丈夫ですよ」


「ここの温泉は、本当に景色も良くていいですね」


「はい、俺のお気に入りの場所です、あと、もう一つありますから、そちらへも招待しますよ」


「うわ、本当ですか?」


「楽しみです」


「神は お風呂には入らないんですか?」


「 神はですね魔法できれいにするんですよ」


「 人がお風呂に入っているの見たことあるんですけど、この星にも温泉が ありますけど、見ているだけで実際に自分が入ったのは初めてなんですよ」


と言って、裸でタオルを巻いたまま、レイチェルは消えていった。


タオル、持って帰らないで‥‥‥と言うつもりだったけど、もう、遅かった。


もう、なんでもかんでも、持って帰る神なんだから。


俺は湯船に腰掛けながらよりも、一度、お風呂から上がることにした。


少しのぼせてきたから。


もう少し温泉に入っている人は、そのままでもいいよと言ったけど、全員がのぼせてきたからといって上がることになったが。


全員で脱衣場にいくと言うことは、幼年組のアデルとアイリスとエイミーもくることになる。


なので、俺は壁に向いて、さっさと着替えることにした。


あっ、その前に

「ここに新しく作った髪を乾かすドライアーを置いておくね」と言って異空間収納から5台を出した。


今度の新作は、髪がサラサラになるドライヤーだよ。


少しの魔力を流すと起動するようにしておいた。


俺が、脱衣場を後にしようとしたら、扉の向こうから「うわ〜、なにこれ」って声が聞こえた。


俺は脱衣場の扉を閉めて、瞬間転移で部屋まできた。


この屋敷には、俺の結界魔法の強力なものが張り巡らせている。


オーリス王国で襲ってきたウルフの時よりも、より強力な結界が張られている。


だから、それぞれの部屋にいても大丈夫だ。


屋敷だけではなく、人にも結界魔法をわからないように張っている。


神獣たちには、自分で張れるから張っていないけど、俺が張った方が、より強力なんだけど。


つまり多重結界をしている。


いつ、俺を殺した奴が現れるか、わからない。


多分、普段通り過ごしていると、どこかで、やつが襲ってくる可能性がある。


特定するためには、それを待つ必要があると思う。


ブラッドフォード大公国の王様の戴冠式が行われるのが数日後に迫ってきた。


俺も参加しなければらない、と言うのは、ハワード王子から直々に、参加してほしいと言われているから。


ハワード王子は、俺のことを神だと思って、そして実際に神と言っているだけ、昔だったら、誰が神だよ、って言えたけど、今の俺は、本物の神になってしまった。


でも、それは言わないし、言えないこと。


今、俺が言えるのは、勇者だけ、でも他の国では救世主として言っているので、言えるけど、救世主としてはなにもしていないから‥‥‥


だから勇者としてだけ、あとは、他の国にウルフとの顛末をせ説明することになる。めんどしいけど。







注:

創造神ナサニエル 星を作る神    白ひげ 背が低い

宇宙神アラスター 宇宙を維持する神 黒ヒゲ 背が高い


【注】:この物語は独自のものですから、ギリシャ神話やローロッパ神話などのものではありません。名称も、あくまでもオリジナルと言うことを、ご理解ください。


お読みくださり、ありがとうございます。


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