第302話 神獣と戦争12

神獣たちを空間に入ってもらうことは、安全のためだ。


そして仕事をする国に拠点を持つことで、仕事をしやすくするため。


ソロモン王国とマクシミリアン国の両方に宿を借りている。


でも来た話だと、両方の国に借りている宿っていうのが、高級な宿しか残っていなくて、そこを借りたそうだ。


なので、もう少し、お金を頂戴、と言われてしまった。


高級な宿だから、もちろん料金が高いということだけど、余分にお金を上げることにして、さらに上積みして一人あたり金貨50枚にした。


「これだけあれば、十分だと思うけど」


「うん、ありがとう」


「やった、これで、、あれ買えるね」


「えっ、何を買うの?」


「えへへ、秘密」


「まぁ、いいけど」


何か買いたいものあるから、お金が欲しいと言うことだったみたいだ。


「足りないよりは良いから、多めにあげたけど、使い過ぎるなよ」


「は〜い」


アレクまでが、手を上げて喜んでいる。


「じゃ、今日は、早めに寝るように」と言って俺は部屋へ引き上げていった。


俺は部屋に戻って、ウルフのやつを確認してみる。


国の仲裁は、昼間から夕方で行うだろうけど、ウルフの奴は寝ないみたいだから、いつ、動くのか、わからない。


昼間だろうが、夜だろうか、ウルフが、いつ動くかわからないから、寝ていられない‥‥‥


奴は寝なくても影響がないだろうけど、俺は、そうはいかないだろう。


そうすると俺の集中力が落ちて来ることも考えられる。


これじゃ、負け戦だ。


どうする?


‥‥‥どうする?


俺は、勇者だろ、考えろ、考えるんだ。


今、思いついたけど、短時間で眠ることができないか、考えてみた。


6時間寝る睡眠を1時間、いや、30分にできないか、考えてみた。


勇者なら、そうすることができるんじゃないかと思う。


考える、俺は勇者だろう


こんな、俺でも勇者だろ


勇者の魔法力で、やってみせろ!


俺は自分に言いかかせるように頭の中で、何度も言った。


俺の体が光だし、黄色い光が、輝きを増して、黄金色の光を出して、その光が眩く感じながら、さらに増していく。


その光が少しずつ、収まり出した、少しずつ、少しずつ、光が減っていく。


光が収まってきた、フーッ、とため息が出る。


光がおさまってきて俺は自分の体を見ているけど、別段、どこが変化していると言う事は無い。


????


なんだろう?


何が起きたんだろう?


今のは、これまでとは違うように感じたんだけど。


金色に輝いた光が、自分の体に何か の影響を出したような気がしたんだけど、目で見ても別段、変わったところはないから俺が考えていたのは眠りの時間だから、時間が影響したのかもわからない。


本当に寝る時間が短縮できたのかということを確認しなければいけないので、俺は寝てみることにした。


時計を気にして、ベッドに入って布団をかけて目をつぶる。


そして目を開けたら、さっきから30分とはいかなかったけど40分後に目が覚めた。


しかも眠くもなく、眠れたなぁ、と言う実感があった。


勇者の能力というのは、すごいな。


今まで新しい魔法でも数日はかかっていたものが、瞬間的に考えれば魔法がそれを可能にしてくれるみたいだ。


魔法が俺に従ってくれているみたいな気がする。


そう思った俺は、じゃウルフと対峙する時に、使える魔法ができないか、考えてみた。


今までは、俺は瞬間転移と飛行魔法、そして火の魔法、水の魔法、土の魔法だろ、それから、えーと雷の魔法と、今のは睡眠魔法を無つけようと思うけど‥‥‥が使える。


あっ、あとは空間魔法だ、空間魔法は時間が止まる空間魔法 と、時間が止まらない空間魔法がある、


今思いついたけど、時間が止まる空間に、人を入れたらどうなるんだろう?


第一、人を入れることができるんだろうか??


「う〜ん」


まぁ後で考えようっと


昨日? 寝てから40分しか経っていないので、今も同じ日だ。


つまり、ジェレマイア王国のハズレの街のオーレリアから飛び立った日だ。


そう考えると、本当に素晴らしい。


睡眠魔法は、短時間で熟睡をさせてくれる魔法みたいだ、だから効率よく睡眠をとることができるけど、いつもはもっと長く寝たいよね。


やはり魔法で寝ても、なんだか違う感じはあるから。


でも今回は、時間がない時には、睡眠魔法を使おう。


勇者の能力と言うのを初めて感じた。


ということは、頭が纏まりさえすれば使える魔法が増えると言うことだ。


あと他に使えそうな魔法がないのか考えてみたんだけど、早く入れる俊足は使えるけど、もっと早くできるのか、やってみる。


あっ、もちろん時々、ウルフは監視しているけど。


早く走れるイメージを頭に描きながら、魔力を纏っていく、そうすると先ほどと同じような光が出てきて、俺の体を包み出した。


そして光が収まった時には見た目でも変化はなかったけど、 俺は顔をニタニタさせながら部屋から出てきた。


部屋から出てくると空間的にだだっ広いところがあるので、走ってみた、 走り出すとすごく早く感じているけど、他人からどう見られているのかわからない。


「しかし、走り始めも瞬間的に早くしたいな」


「 どうしてもセロから動き始めるときには遅滞が生じてしまう」


「う〜ん」


「走り始めかぁ〜」


やっぱり同じように走り始めも瞬間的に速くなることを考えたら、瞬間転移と同じじゃないかと思った。


でも瞬間転移と言うのは、間が消えてしまうんだよね、 消えてしまうことなく先に行き着く方法。


今いるA地点から、到着するB地点に急に現れるのが瞬間転移。


つまりAからBに行く過程(あいだ)がない。


戦っている時、早く動くことと、戦いながら動くことができるようにしなければ。


難しい問題だけど、「う〜ん、そう考えようかな」


俺は今、思ったことをイメージしてみた。


そうすると光が出てきたけど、先ほどとは色が違う光が出てきている。


今度の光は青色だ。???


なんだ??


青い光が収まってきて、使ってみることにした。


早く動き出して走るイメージだ。


ゼロから、100に速くするイメージで使ってみると、本当に俺が思った瞬間に、俺が目指す地点に到着した。


「お〜これは、すごいな」


これを含めて俊足魔法と言うことにした。


なんだか勇者の力だと思うんだけど、イメージ力で能力がどんどん開発されて強くなっていくみたいだ。


本当に使いこなせていればチート能力だと言える。


勇者の能力を、説明してくれる人がいればいいんだけど、4人も以前、聞いたことがあるんだけど知らないって言ってたよ


だから勇者の称号がステータスに当たって使い方がわからなければ意味ないような気がするけど。


実際に使っておかないと、その場に応じて何を使ったらいいのか理解が必要だ。


魔法書などを見てみるとその言葉だけをはすれば使えるように書いてあるけど、そんなことあるわけないじゃん。


例えばヒールっていったって、その人がイメージをしなければ治癒魔法が使える事は無い。


普通一般的に使うときには魔法と言うのはイメージすることもすごく大切だし呪文を唱えることだと思うんだけど、俺の場合、違うのは全てがイメージ力で魔法展開ができること。


イメージするときに、使っているときのイメージをするからだと思う。


多分ウルフのやつも無詠唱で使うことができると思うので、後は威力の違いと経験値だと思われる。


どの魔法を、いつ発動するか、そこに全てがかかっている気がする。


今は俺は空間にいるので時間感覚を忘れそうになるが、時計を見てみると夜の12時になっている。


夜の12時、ウルフが何をしているのか、確認すると居酒屋にいるみたいだ。








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