第298話 神獣と戦争8

俺たちはオーリス王国をあとにしながら、高速で飛んでいるけど、俺は、変な感覚に、先ほどから襲われている。


その変な感覚は、分岐点。


なんだか、ここから二つの選択肢があるように思えてきている。


今、俺たちがいるところが道と例えると、それが今から二つに分かれていく。


そして二つの道は、別れれば、決して、もと来た道に戻ることもなく、重なることもない。


高速で飛んでいるからじゃないと思うけど、未来予知みたいな変な感覚に囚われる。


なんだ、この感覚??


こんなの初めてだ


未来予知だとしたら、俺は以前は数秒先しかできなかったはずだ。


それが、まだ、先の未来が、不確定だけどわかってきた。


今から起きようとする道が、どちらの道にいくのか、わからないけど、もしかして破滅の道と、そうではない道なのかな?


一つの道が、二つに分かれるまでは、わかるんだけど、その先はわからない。


もう少し、進むと、わかるようになるんだろうか?


と考えことをして飛んでいたら、「ご主人さま〜」って声をかけられて、気がついた、


アレクは、「もうご主人さま、早すぎ〜」


ロゼッタ「本当に追いつけないのじゃ」


ジャネット「もう少し速度を落としてもらえますか?」


パトリシア「道案内の私よりも、先に行かれると‥‥‥」


「あっ、ごめん、考えことをしていたら」


「ジャネット、ちょっと聞きたいんだけど」


「はい、なんでしょう」


「俺、さっきから変な感覚に襲われているんだけど」


ジャネット「えっ、変な感覚?」


「うん」


ジャネット「もう少し、詳しく」


「そうだね、う〜ん、なんていうか、今、いる道から二つに分かれていく感じ?」


「そ、それが、わかるんですか?」


「えっ」


「あっ、いえ、すいません」


「それが、どういうことかわかる?」


「はい、たぶん、私の未来予知と似ています」


「やっぱりか〜」


「たぶんですが、勇者の称号なのか、救世主としての称号なのか、わかりませんが、たぶん、その影響かと」


「えっ、その称号を持っていると、未来予知ができるの?」


「いいえ、とんでもない、一部の勇者だけです」


「一部の勇者?」


「はい、誰もが持ち得るものではなく、勇者のレベルが高いものだけが持ち得るものだと思います」ジャネット


パトリシア「それだけ、ご主人さまは勇者としての適性が高いということですね」


「えっ、俺が」


パトリシア「はい」


ジャネット「ご主人さまは、勇者としての適性がとても高く、これからも多くの能力を身につけると思いますよ」


「へー、そうなんだ」


俺たちは、高速で飛びながら、話を続けている。


勇者っていうのは、そんなものなんだぁ


なんだか、俺が努力して手に入れたことを、勇者って簡単にやってしまいそうだ。


羨ましい、勇者って。


あっ、俺か、勇者は。


なんだか、なりたての勇者だから、即、実戦になるから、慣れていない。


そして救世主っていうのも、なんのことか、わかっていないから、余計に不安だけど。


なりたての勇者、なりたての救世主


そんな奴、役に立つのかね。


ほんとうだったら、もう、少し時間が欲しかったけど。


せめて、勇者としての実感が出るまでとか‥‥‥。


でも、妄想は、そこまでにしておいて、現実は、待っちゃくれない。


厳しいところだけどね。


ウルフの奴が、じゃ、待っているよとか言いそうにないから、頑張らなければ。


パトリシア「ご主人さま、そろそろジェレマイア王国だと思います」


アレクが「ちょっと確認してくる」


と行って、アレクが先ばしろうとしたので、アレクを止めて全員でいくことにした。


俺たちは、上空で人がいない路地を見つけて上空から地面に降りて、透明化の魔法を解除した。


「結構、長く飛んでいたね」


ジャネット「そうですね」


「じゃ、聞いてみよう」


俺たちは路地から出てきて、歩いている人に聞いてみた。


「 あのすいません、ここはどこの国のなんていう街ですか」


「なんだよ、お前、そんなことも知らないのかよ」 と言って何も答えずに歩いて行った。


文句言われただけだった。


男は諦めて ジャネットに聞いてもらうことにした。


「今度ジャネットが聞いてくれる?」


「はい、わかったわ」


「 ちょっと、そこのお嬢さん、ちょっと聞きたいんだけど、この国は、なんていう国なの?」


「 はい、冒険者の方ですか?」


「 うん、そうだけど」


「 この国はですね、ジェレマイア王国。そして、この街は、オーレリアです。」


おー聞いていないことまで答えてくれた。すげージャネット。


「ありがとう、お嬢さん」


「いいえ、 どういたしまして」


と言って、そのお嬢さんは去っていった。


「さすが、ジャネット」


「いいえ、そんなことないですよ、たまたま、女性に聞いたからですよ。 それよりも多分この街で合っているみたいですから、宿を探しませんか」


アレク「うん、探しに行こう」


俺たちはいつも通りにショッピングをしながら店主に良い宿を聞いて回ることにした。


目についた洋服屋さんに入ったんだけど、ここにも今まで 見たことがないような下着が売っていた。


なんだか黒のものが多く、いやらしい下着ばかり言っていた。


飾ってあるのは、半分、胸の部分だけがないものとかが置いてある。それを4人が見ている。


パトリシア「なんだろ、これ、今まで見たことない」


あとは全身の生地が透け透けで見えるものとか。


なんだか変な店に入ったのかな?


まぁ、いい宿を教えて貰えばいいけど。


アレク「 私たち冒険者なんだけど、この辺でいいよ知らない」


パトリシア「これください」と行ってさっきのものを買うつもりみたいだ。


店主「そうね、私なら、宿ケイシーをお勧めするわ」


「その宿は、どこにあるんですか?」


店主「ここから歩いて3分くらいかな、簡単な地図でよければ書いてあげるわよ」


店主「あっ、この商品もおすすめよ」


パトリシア「じゃ、それもください」


パトリシアはさっきの透け透けを買ったみいだけど、


「 あっ、商品の代金は、あちらに」と行って俺を指差した。


「はいはい、払いますよ」と支払いを済ませた。


なんと、サイズ違いを全員分、買っていた。一つじゃなかったのね。


そして俺たちは地図を書いてもらったので、地図を頼りに宿ケイシーを探した。


宿ケイシーに、たどり着くと結構、綺麗で女性向きの宿みたいだ。


俺たちはドアを開けて宿に入っていき、 フロントには20台位の女性が立っていたので、その女性に向かってジャネットが宿は空いていますかと聞いた。


「はい、大丈夫ですけど、 何部屋ご入用ですか?」


「一部屋でいいです」 と俺が答えたら4人の女の子全員こちらを見たけど何も言わなかった。


俺たちは5人部屋に泊まることになって鍵をもらって部屋に上がっていった。


「 ちょっとクリス、一部屋でいいの?」


「 そうよ、初めてクリスと同じ部屋だわ」


俺は焦りながら本当のことを話した。


「 この部屋に泊まることにしたけど、本当に泊まるのは俺が作り出した空間だけど」


「 な〜んだ」 なんだか神獣たちが、がっかりしたような感じだ


「かーっ、やっぱりか〜」とアレク


「 今は戦闘の大事な時だから、そして奴から襲われる可能性もあるから」


「あっ、そうか」


そして俺たちは鍵を開けてドア から中に入ってみると、部屋にはベッドが5つだけ置いてあり、テーブルと椅子があるだけ。


なんだか殺風景な部屋だ。


俺が部屋の奥の方まで進んで窓を開けてみても、景色はあまり良くない。


まぁ、こんなもんかな。


この宿では食堂はないみたいなので、自分たちで調達しなければいけないみたいだから、街の偵察を兼ねて後で出かけてみることにしたけど、先に空間に行ってみることにした。


1番、最後に空間を使ったのはライオネル公国の兵士を収納するために使っている。


この空間の中には、各メンバーの部屋もあり私物も多少だけど置いてある。


「じゃ、空間の部屋に入るよ」


この空間に入るには、俺の許可がないと入ることができないので、より一層安全が高まっている。


俺が空間の入り口を作って広げたまま、全員を中に入れる。


瞬間転移でも入ることはできるけど、どこに行く間が存在しているのかということがわかっていないと空間にたどり着かない。


空間が存在する場所が、わかっていない限りは、空間が存在しない場所に転移することもあるから、 そういうときには、どうなるのかは未だにわかっていないけど。


実験もしたくないから。

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