第299話 神獣と戦争9

注:

ジャネット フェニックスの神獣

ロゼッタ  ドラゴンの神獣

パトリシア クマの神獣

アレク   トラの神獣

アデル   キツネの神獣

アイリス  グリフォンの神獣

エイミー  ケロベロスの神獣

レイチェル  この星の神

人間:アリシア、ソフィア、イザベラ、コリン、セラフィーナ、シャーロット


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



俺たちは今、ジェレマイア王国のはずれにある街、オーレリアに来ている。


ジェレマイア王国は、奴がいるソロモン王国と、攻め込もうとしているマクシミリアン国の両方に接している国だ。


もしかしたら火種が、俺たちがいるジェレマイア王国まで飛び火する可能性もある。


俺たちは今、オーレリアの街の宿に泊まっているけど、 安全のために自分で作った空間の中に宿泊することにした。


空間は、一度、入口を閉じてしまうと、どこにあるかわからない空間になってしまうので作った本人しか出入りができない。


俺が初めてもらった屋敷の小屋にある魔法陣で転移ができたのは、以前に、使っていた人がいたからだ。


その魔法陣がなければ、空間は見つからなかっただろう。


俺の魔力で魔法陣が起動できたけど、魔法陣がなければ見つかることはなかった。 


俺が作った空間を開けて、


「はい、どうぞ」と言って中に入ってもらう。


4人が空間に入ったので、俺は空間を閉じた。


「じゃあ、しばらく空家の中のそれぞれの部屋で ゆっくりしてね」


と言って俺も自分の部屋に入った。


俺の部屋に入ってみたものの、この空間の部屋にはテーブルと椅子とベッド等必要最低限のものしか置いていない。


まぁ、俺は、ほとんど異空間に荷物を入れているからいつでも取り出せるから。


休憩のためにベッドにより目をつぶってみたものの、また起き上がってテーブルの近くに置いてある椅子に座った。


魔法通信を使うこともできるけど、念話で話してみる。


これだけ離れていて使うのは初めてだから。


アリシアを思い描きながら、念話を起動させる。


念話は思考をすると発動するけど、イメージが強くないとつながらない。


「アリシア、こちらクリスだけど、今、いいかな?」


「えっ、クリス?、大丈夫だよ」


「なんか、声が変だよ」


「今、着替えているところだったから‥」


「そ、そうなんだ、もう少し待とうか」


「ううん、大丈夫だよ、クリスは、私が消え気ている時が多いから」


「えっ」


「だって、この前だって、私が着替えているときたじゃない」


「はい、否定できません」


「うん、よろしい‥‥‥それで、どうしたの?? まさか、もう着いたの?」


「うん、着いたよ」


「えっ、早すぎない?」


「えっ、でも、しっかり確認したよ、ジェレマイア王国の端のオーレリアという街だよ」


「ふーん、そうなんだ」


「うん、俺たちはオーレリアの街で宿を借りて、その宿の部屋の中に空間を張って、その中にいるよ」


「へー」


「もちろん安全のためにね」


「本当は、瞬間転移で戻ることもできるんだけど、できるだけ危険なことはしたくないからね」


「うん、クリス、ありがとう」


「いいかい、アリシア、何かあったらエイミーとアイリスとアデルに言うんだよ」


「うん」


「あの3人なら、念話を俺に繋げられるからね、でも緊急以外は繋げないで‥‥‥」


「うん‥‥わかった」


「じゃ、通信を終わるよ」


「うん、クリス‥‥‥気をつけてね」


「うん」


俺はアリシアとの念話を終えた。


しばらく、俺は考えていた、これからは、もう念話も勘づかれる恐れがあるのでできなくなることを。


できるだけや奴に感づかれることは避けたい、初対面じゃないけど、以前、一度、会っているけど、それでもだ。


俺は自分の部屋から出て心中たちの部屋を訪れて4人を俺の部屋に集めた。


「 今から、どう動こうかと思うんだけど」


ロゼッタ「 そうじゃなぁ、ここの空間は奴には、見つけ出すことが難しいと思うから、ここから確認してみることが一番だと思うじゃが」


「そうだね、じゃ、やってみようか?」


全員が一言もしゃべることなくテーブルの周りに座って静かにしている。


俺が魔力を集め始めると、瞬間的に最高レベルまで足した。


「あれっ」


アレク「 どうしたの、ご主人様」


「いや、 魔力の集まり方が瞬間的に上がったから、びっくりしちゃって」


パトリシア「 ご主人様は、勇者でもあり救世主でもあるからだと思うよ」


勇者や救世主と言うのは、これほど急速に魔力を集めて高めることができるのか


なるほど、これは使い勝手が良いな。


俺は、また目を閉じて集中すると瞬間的に最高レベルまで達している間力に驚きながら、奴の姿を見つけていく。


奴の姿を確認していくんだけど、ソロモン王国には奴の姿は見つからない。


隣国のマクシミリアン国に意識を集中すると、やつは弾薬庫を破壊するとこだった。


兵士を精神魔法で操って、 嘘を 言いふらしているようだ。


なるほど、これがやつのやり方か。


どこの国だってそうだけど、スパイと言うのは捉えられたら、もう後がないのに。


それも強い精神魔法を使っているせいで、かなり頭をやられている。


そして奴はマクシミリアン国で弾薬を爆破すると、すぐにソロモン王国に戻って同じことをやっているみたいだ。


両方の国の弾薬庫が破壊され、大砲や大砲の弾を打つことができなくなっていくみたいだけど、何を狙っているのかわからない。


「 ソロモン王国とマクシミリアンを国で弾薬の破壊を奴がやってるみたいなんだけど、何を狙っているんだろ?」


ジャネット「そうですね、 もし私が奴だったら、弾薬を破壊したと言う事は、あと残っているのは人同士の戦争じゃないかと」


「人同士の戦争か」


なんだか、人同士の戦争と聞くと、俺は前世の記憶の嫌な思い出がある。


俺が住んでいた国に隣の国が攻め込んできたときに侵略していた土地にある村を襲って家族を捉えて、男を兵士に仕立てた。


自分の国の農民は使うことができなかったみたいで、攻め込んできた国の農民を兵士に仕立てて殺し合いをさせた。


刀なんて持ったことがない奴や、数回しか刀を持ったことがない奴に、俺は最終的に魔力切れを起こして殺されてしまったから。


「ん? もしかして俺が生きてた時代も、奴が関係していたのか?」


「なんだか前世の俺が生きていた時のやり方と似ているような気がするんだけど」


ジャネット「えっ、今回が初めてだと思うんですけど‥‥‥」


「でも、全部の神獣である私とちは、監視任務以外は寝ていますので、それぞれが何をして言うのか、知らないんですよね」とジャネット


「という事は、もしかしたら関係があるかもわからないと言うこと?」


「‥‥‥はい」


俺が前世で、あれだけツラい思いをして死んだことが、もしかしたらウルフが関係しているかもわからないと言う事が浮上してきた。


まだわからないけど、奴は何なんだ?


じゃぁ、奴は、いつも影で何かをやるようなやつだったのか?


今はウルフの奴は、ソロモン王国で弾薬を爆破をして、その爆破をマクシミリアン国に擦り付けた。


当然だけど、両国は戦争に向かって突入するだろう


どう動けば良いのか、何をすればいいのか?


「 みんな、ちょっといい?」


「はい、なんでしょ」


「 これ以上人が死んでいくのは、俺は見たくないから、国が戦争しようとすることを回避したい」


「はい」


「 それを4人に任せたい」


「えっ、ご主人さまは? もしかして?」


「そう、奴は、俺が対比する」


「はい、ご命令のままに」


「じゃ、 4人いるから、2つのグループに分けようか」


「ソロモン王国を担当したい人」


と言ったら、アレクとジャネットが手をあげた


「これで決まりだね」


「 私たち4人はウルフみたいに破壊や殺戮を担当しているわけではありませんので、今まで多くの国を交渉することでなだめてきました。


でも今回みたいな危険な状況じゃはなかったと言う事はありますので、その時にはご主人様の勇者としての名前を使ってもいいでしょうか?」


「うん、もちろん、いいよ」


「 以前オーリス王国の王様に聞いた話によると、城の金書庫には、神獣の伝説が残っていることもあるらしい、それも利用したらいいよ」


「 という事は実際に実体化になってもいいと言うことですかですか?」


「 うん、場合によってはね」


「 でも気をつけなければいけないのは君たちを見たら恐怖してしまって判断する可能性もあるからね」


「 そのすべてを君たちに任せるから」


「 多分、俺は、それだけの時間がないかもわからないから」


ジャネット「 はい、今まで多くの国を平和に導いてきましたので得意中の得意です」

「 あらゆる手を使ってでも、戦争が起きないようにしていきたいと思いますけど、 姫様を殺して精神的におかしくなっているソロモン王国の王様は、奴に操られていますので難しいかと」


「 うん、その時はしょうがないよ、悲しいけど」


「はい、わかりました」


これで役割 が決まったので、ソロモン王国にはアレクとジャネットに行ってもらい、マクシミリアン国にはロゼッタとパトリシアに向かってもらう。


俺はウルフと対峙する。

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