第289話 神獣 ウルフ3

昨日、兵士たちに居酒屋で聞いた王様の狩猟の話しを、聞いて帰る途中、強そうでタチが悪そうな奴らを見つけた、そいつらに王様を襲う話を持ちかける。


「もうけ話があるんだが、乗らないか?」


「なんだよ、儲け話って」


「王様が、少しの兵隊を連れて、狩りをするそうなんだけどよ」


「王様が?‥‥‥」


「その王様を襲う計画があるらしいんだよ」


「あん、そんなの成功するわけないだろ」


「そうだ、そうだ、王様だぞ」


「わからねえ奴らだな、その計画の逆をするんだよ」


「逆?」


「そうだよ、襲う奴らを やっつけて王様を助けるんだよ」


「 王様を助けるだって」


「 王様が襲われるところを助けたら、王様はどうすると思う」


「 そりゃあ、お前、報酬をくれるよなぁ」


「 そういうことだ」


「 よし、その計画、乗った」


「 明日の午前中に、王様が城門から出ていくときに、王様は少ない兵を連れているからな後ろからついていくんだぞ」


俺は詳しい話を男たちにした。



そして俺は、違うグループの男たちに同じ話をして待ち合わせをした。


これで両方のグループが、お互いが王様を狙っていると見るだろう。



声をかけた奴らは、冒険者崩れの奴らだから、王様から金がもらえると思えば、大金だと思っているだろう。


冒険者崩れのやつは、入国税やいろいろなところで払わなければいけない税金に対して不平不満を持っていた奴らを選んだ。


近くにして話を聞いているだけで、その情報は手に入った。


居酒屋で兵士たちに聞いた情報で時間と場所を話しておいた。


そして、俺は、確実に実行するため、精神魔法を両方のグループにかけた。


これで間違いなく、両方のグループが王様を襲うことになる。


計画は、うまくいっている。



そして翌日、俺は、先に遠くから指定した場所を見張られる位置についた。


しばらくすると襲う奴らの二つのグループの14人、指定時間の前にやってきた。

昨日より多い人数だが、そんな事は関係ない。



しばらく隠れて待っていると、王様が自分の領地に近いと言うこともあるんだろうけど、5名の護衛を伴ってやってきた。


護衛と王様は馬に乗っているが、豪華な馬車が1台ついてきている。


豪華な馬車に乗っているのは、この国の姫のようだ。


しかも2人いる。


王様の狩猟を見るために、2人の姫が来ているようだ。


これは、なおさら好都合だ。


王様と姫二人と護衛の5人は、狩猟を楽しんでいたが、襲う奴らが動き始めた。


王様を襲う二つのグループは、急に人数が増えたことに、驚いているけど、もう止まらない。


「何やつだ」護衛が叫んでいる。


「ソロモン王と知っての狼藉か」


しかし、それに応えるバカはいないみたいだ。


14人で奇襲をかければ、5人の護衛は、総崩れを起こし、瞬く間に全員が殺されてしまった。


王様と姫2人は、「貴様たち、何の用だ」


「我を、この国の王と知っておるのか?」


「こりゃ都合がいいぜ、へっへへ、姫2人を売り飛ばせば、かなりの金が稼げるぜ、売り飛ばす前に俺が試してみるか」


「馬鹿野郎、そんなことすれば価値が落ちるだろうが」


「生娘の姫だから高く売れるんだからよ」


姫2人は、悲鳴を上げて泣き崩れている。


王様が姫2人を守ろうと前に立ちふさがる。


刀を持ちながらジリジリと王様に近寄っていく。


一人の男が王様に近づき、王様を殴り倒した。


殴られた王様は気を失ったようだ。


そして姫の一人に刀を持って近づく。


「2人もいるんだから、1人ぐらいいいだろう」


姫は15歳くらいと18歳くらいに見える


年上の姫に男が近づいて、姫が着ている豪華なドレスを短刀で胸の間を切り込みを入れていく。


「やめて」


一瞬だけ姫の胸が見えたが姫が、すぐに手で押さえた。


「おいおい、状況くらい、わかってんのか?」


男が姫に襲いかかろうとして姫を押し倒した。


男は下品な声を上げる。


「ぐへへ、怯える女をやるのは最高だぜ」


そこに俺が姿を現す。


「貴様たち、何をしている」


男たち14人は、あっけにとられていたが、一言も発しない間に俺は全員を切り捨てた。


俺は倒れている姫を手を差し出して立たせる。


「大丈夫ですか?」


姫は、まだ震えていたが「えぇ、おかげさまで…」


「いやー、たまたま通りかかってよかったですね」


「本当にありがとうございました」


倒れていた王様が目を覚ましたみたいで、周りを見渡している。


王様のところに姫様二人が近づいていく。


「お父様」


王様が顔を腫らした状態で立ち上げる。


すぐに王様は、「おーお前たち無事だったか、よかった」


「こちらの方が、助けてくれました」

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