第288話 神獣 ウルフ2


俺は猪だった時に、家庭を持ったが、誰かわからないが殺されてしまった。


あの時、近くで戦争さえ起きなければ、俺が呼び出されることもなく、家族を守れた。


戦争を起こした奴も憎いが、俺が国ごと滅ぼしてやった。


そして俺を呼び出した神レイチェル、あの時、神さえ俺を呼び出すことをしなければ‥‥‥


俺は、神レイチェルを恨んでいる


人間どもも恨んでいる


俺の幸せな家庭を奪いやがって、許せない


そして家族が殺された時に、近くにいたダニエルの顔を今でも覚えている。


村長に聞いた時の、村長のが言ったくい違い、そして友人だと思っていたダニエル‥‥‥


そういえば俺の妻をいやらしい目で見ていたダニエル



俺の家族を奪いやがって、妻のアンジェリカは本当に優しく俺に接してくれた。


神獣であることを隠していたが、俺は家族を守るために必死に働いた。


田畑を耕して、麦を作ったり野菜を作ったり、ときには狩りをして肉をとってきた。


俺の能力からすると、田畑を耕すよりも狩猟をした方が、効率よく猟ることができた。


だから俺の家は、他の家から比べると貧乏だけど困ることはなかった。


きて俺は神獣だから、力もあるので、村人の為にも働いていた。


アンジェリカも心が優しく、村人が困っていれば手を貸したり、いろいろなものを手伝っていた。


しかも、俺の血を分けた息子2人も殺されていた。


俺の血を継いでいる息子が簡単に殺されるわけはないんだから、と言う事は、誰かが関与しているのか、まぁそんなことはどうでもいいや。


もうこの世にアンジェリカはいない。


俺の愛していたアンジェリカ。


アンジェリカのいない世界なんて滅んでしまえばいい!


しかし簡単に殺すわけにはいかない、アンジェリカが味わった苦しみや怖さを味わわせて殺してやる。


「おぉ、俺のアンジェリーカよ…」


俺は神獣の中でも破壊を担当する神獣だから、猪だった時でも、巨大だったが、今の狼としての俺も同じくらいの大きさがある。


こんな俺が暴れまわったら人間どもはどうなるか?


一気に踏みつぶしてくれるか!


それとも口にくわえて噛みちぎってやろうか!


いや、それじゃ面白くない


大勢の人間を、人間同士で殺し合いをさせてやろう!


そのためには戦争を起こしてやる


戦争が起きれば、人間同士で殺し合いが始まる


馬鹿な奴らだ


人間は、いつの世も人と人が殺し合いをやっている。


今までは、あの憎い神レイチェルが出てきて、俺が、国を滅ぼすことで止めてきた。


戦争を誘引して、人間同士の戦いが始まれば、高見の見物をするかぁ、俺が神獣化して、食い散らしてやろうか。


そのための準備を始めることにした。


戦争を始めるための準備だ


今、俺がいる国は、ソロモン28世が支配するソロモン王国だ。


大陸の西側にある大きな国だ。


このソロモン王国は、数百年続いている国だが、最近は、侵略戦争を他国に、よく仕掛けている。


かなり大きな国で、戦争をするのが多いため重税に人々が苦しんでいるが、そんな事は関係ねぇ。


もっと絞れるだけ絞りとって、人の苦しみが増して内乱を起こすか、戦争になればいいと思っている。


この国の王様が殺されようが、虐殺されようが関係ない。


どちらに傾いていくか、両方に乗ればいいと思っているくらいだ。



まずは王族に近づかなければいけない。


そのため情報収集をすることにした。


酒場の前で待っていると、騎士のような格好している奴が出入りする店を見つけた。


そこで俺は情報収集を行う。


酒を飲んでいれば騎士でさえ、口が滑らかになるからだ。


騎士の近くに座りながら、俺もアルコールを飲みながら、耳だけは集中している。


くだらない話が多く、こちらが欲しい話は持っていないみたいだ。


俺は違う居酒屋に変えた。


数件の居酒屋を回ってきた。


そう簡単に目的のものが見つかる事はなく、明日にするかと思っていた時、たまたま入った居酒屋で高級そうな装備をしている奴を見つけた。


そいつらの話を聞くと、明日、王様の護衛で王都外に行くらしい。


どうも王様は狩りが趣味みたいで、明日は狩りに行く日だそうだ。


こりゃいいことを聞いた。

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