第277話 能力
アリシアのステイタスでは、たぶん、使える魔法がレベルと共に書いてある。
例えば、火の魔法のファイヤーボールはレベル3だったと思う。
それがステータス表には、
火の魔法 ファイヤーボール レベル4
水の魔法 アクアカッター レベル3 というふうに書いてあった。
魔法には、火の魔法、水の魔法、土魔法などいろいろな魔法がある。
魔法には使える種類があるけど、俺は全属性の魔法が使える。
俺の表示されるステータスの部分では、全部の表示がされるわけではなく、なぜだかわからないが高いレベルでしか表示されないようになっているようだ。
集中的に練習した結果、瞬間転移の能力は10レベルになった。
しかし今は、1つのみ。
そして今から俺が練習するのは透明化の魔法。
以前、透明化になっているのにもかかわらず、アリシアの横に座ったら気づかれてしまったから。
それに対して狐の神獣のアデルは、神獣たちでさえも気がつかないくらい隠密行動に優れている。
これこそが本当に透明化の魔法と言えると思う。
アデルに聞いたら、虎のアレクが召喚された時から、俺たちとともにいたそうだ。
俺にも全く気配が感じ取れないくらい高い能力だと思う。
本当に透明化になるためには気配で気づかれるようではだめだ。
誰にも気づかれないくらいになる必要がある。
中途半端に使えるくらいでは、ステータス表示に現れる事は無いみたいだ。
いったい俺のステータス表示はどうなっているのか?
透明化の魔法で隠密行動をする場合に必要になることがあるので、今から練習に入ろうと思う。
やはり透明化の魔法を使うときには今まで練習してきたような方法が1番だと思うので、何よりも早く魔法を集めて展開できなければいけない。
何よりも透明化の魔法で、人にも神獣たちにも見えなくなることは温泉に入るためにも重要だ。
女の子を見るのではなく、俺が洋服を脱ぐときに透明化の魔法を使えば、見られることなくタオルを撒ける。
冗談は置いて‥‥‥
透明化の魔法を強化するために集めた魔法を外に発散するのではなく、全てを吸収するような感じで魔法が展開できれば。
多分、外に展開すると魔法力が漏れ出してしまい気づかれてしまう。
それを全て内側に閉じ込めておくことができれば隠密の魔法のレベルが上がると思う。
しかし結界魔法で覆ってしまうと言う方法もあるが、それでは隠密とは言えない。
結界魔法も他人に気づかれてしまうからだ。
誰にも気づかれることがなく、隠密行動ができて見えない透明化の魔法を完成させなければいけない。
自分で魔力を集めて魔力を濃くしていくことで、透明化の魔法を使ってみる。
鏡で写してみると、自分がいる部分に若干の揺らぎが見える。
これでは揺らぎに気づかれたら終わりだ。
さらに集中力を高めて魔法を集めて濃密にして、どうやったら透明化の魔法が完成するのか考えてみた。
そしてヒントを思いついたが、自分が透明になると言うイメージを加えてみることにした。
透明になると言うイメージを超えながら鏡を見てみると、揺らぎがなくなった。
そして人が触ったときには、暖かさ、人の体温で暖かさを感じることがある。
でもシャットアウトができるくらいにならなければ。
俺なら、そこまでできるはずだ
しばらく何回も透明化魔法を実行しながら、工夫してさらに向上させることをしてみた結果、できたと思う。
そして俺は実験の成果として、メンバーがいる部屋に転移してみた。
もちろん転移したのは透明になってから。
神獣たちにも、気づかせないことが重要だ。
メンバーがいる部屋に透明化の魔法を使ったまま入り口のドアのところに転移してきた。
そしてゆっくり歩いてきて、アデルの横に立った。
俺が横にたってもアデルは動かないし、こちらを見たりすることもないので、成功したと思う。
「クリスどうしたの?」
と突然、アデルが声をかけた。
他のみんなはびっくりしたが、アデルだけは、
「ふっふっふ〜、そんなんじゃまだまだだよ」とアデルに言われた
俺は魔法を解いた。
「どこでわかったの?」
「カーペットの凹み」
「あーそっか、いくら体が見えないでも体重で押しつぶされた足跡が残るんだ」
少しショックだった。
気配ばかり消すことを考えていたが、体重のことを考えていなかった。
まだまだ練習するために、もう一度、先程、いた場所に戻ってきた。
歩くときにカーペットの足跡がつくのは体重の重さがあるからなので、それをなくすためには空中に浮けばいいと思う。
しかし、なんとなくそれでは、違うような気がする。
浮かんで体重を消すんではなく、本当に実体化したものを消すと言うイメージが必要なんだと思う。
難しいことだけど、やってみようと思うって何十回も魔法を行使することをして、やっと1日かかって完成した。
安心した証拠に、ステータス表を見るとレベルが10になってるから。
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