第259話 迷宮へ 2
俺たちは今、迷宮に潜っている。
シャーロットとセラフィーナにも戦わせてほしいと言われたので、状況に応じて参戦してもらうことにした。
イノシシの顔をしたものを倒して、さらに奥に進んでいく、ダンジョンに潜って2時間くらい経っただろうか。
そうすると、また、冒険者が戦っている広場に出た。
前の方で音がしたので、広場に出る前に壁から覗き込むようにして偵察している。
先ほどみたいに、ぶっきらぼうな冒険者に言われると、少し、カチンとくるので、戦い方を覗いてみる。
勉強のために、覗き込みながらみていたが、全員の動きが良く手だれたチームみたいだったので、邪魔しない程度に、見学させてもらうことにした。
8人ぐらいのパーティーだけど、慣れているもんだ、動くがいい。
猪顔の魔物の刀が振り下ろされるの盾で流して、後ろにいる奴が攻撃している。
しかし初めは、動きが良かった冒険者たちも、徐々に疲れを溜めていき動きが悪くなった。
そうすると、バラバラになっていた冒険者たちが、壁を背にして防御を固めた。
「うん、うまいな〜」と俺
「すごく慣れているね」ソフィア
「そうだね」イザベラ
「あれくらい、連携ができているといいな」アリシア
「咄嗟に、あれくらい連係が取れて、消耗してても、動ければ、いいね」と俺
結構、戦い方がうまいけど、気にしなければいけないのは前だけじゃない。
ダンジョンは、魔物が、リポップしてくるわけだけど、どこからリポップしてくるか分からないから!
自分の後ろの壁が安全か、どうかも確認しないで、壁を背中にするべきではないけど、作戦としては悪くはない。
しかし、やはり壁から魔物が出てきている。
真後ろじゃなくてすぐ横から。
気付くのが遅れた冒険者の1人が魔物の爪で怪我を負った。
そうすると一気に陣形が乱された。
「迷宮は、常に前後、左右、上下に気を配る必要があるみたいだね」と俺
陣形が崩れたので、また、もう1人の冒険者がやられた。
しかし、治癒魔法を使える魔法師がいるみたいで、2人を治療している。
しかし治療に回った魔法師が、一人減った分だけ、魔物と戦う冒険者が減ったわけだ。
さぁ、立て直すことができるか真価が発揮される。
しかしリーダーらしき人物が、上手に協力して魔物を倒していった。
このグループは、良いメンバーを揃えている。
もう大丈夫だろうと言うことで、俺たちは足早に広場をあとにした。
30分くらい通路を歩いていくと、かなり広場に出てきたが、そこには冒険者が倒れていたので、駆け寄って確認してみたが、息をしていなかった。
冒険者が一人、2人、3人、4人、5人、‥‥‥全部で13人もいる大規模な冒険者の集団だ。
その全員が冷たくなっているので、死んでから時間が経っている。
あと、もう少し早ければ間に合ったかもわからないが。
俺たちは、死んでいる冒険者のギルドカードを集めようとしたけど、その時に魔物が出現してきた。
蠍のような魔物が数体、出現してきた。
しかも、8体もいる。
8体いる蠍を観察しているが、ハサミを動かしながら、尻尾を上に構えている。そして蠍が近づいてきた。
どう動こうかと思っていたら、神獣たちの動きが、一瞬、見えないくらい高速で動いたと思ったら、蠍の6体が倒れていた。
蠍を倒した神獣たちは、また、暇だな〜みたいに岩に座っている。
神獣たちの方を俺がみると、空を見ながら、鳴らない口笛を吹いているアレクが、少し顔を赤くしている。
ちょっとやりすぎたかなと思っているような感じだ。
神獣たちの動きに圧倒されらメンバーは、ちょっと停止時間があったけど、再起動したみたいだけど、そのうちに蠍は2体、近づいてきている。
「全員、呆気に捉えてないで、まだ2体、残っている」
「はいっ」と全員が気合が入った返事を返してくれる。
先程の動きがいい冒険者の戦いを見ていたソフィアが、以前、俺が買っておいた盾を出した。
盾で魔物の攻撃をしのぎながら、後ろからイザベラとコリンが攻撃する。
そしてもう1体のほうは、アリシアが盾で受けて、シャーロットとセラフィーナが攻撃をしているが固すぎて剣が通らない。
蠍は甲羅が硬い。
蠍のハサミの攻撃をアリシアが盾で受けてシャーロットが攻撃する、またアリシアが盾で防御してセラフィーナが攻撃する。しかし何回やっても、剣が弾かれる。
そこでアリシアが、ハサミの攻撃や尻尾の攻撃を盾で受けながら、剣を関節に突き立てた。
「うまい」
そうすると巨大なサソリは、弱ったきたみたいで、そこにセラフィーナとシャーロットも関節に攻撃を加えた。そうすると何とか倒すことができた。
ソフィアのほうも、3人で巨大なサソリを倒すことができたみたい。
神獣たちが寄ってきて、メンバーに「やったね」と喜んでいる。
俺たちは巨大なサソリを倒した後、殺された冒険者のギルドカードだけ回収して土の中に埋めてあげた。
かわいそうに!
死んだ冒険者たちの中に、10代の若い女の子が3人も死んでいた。
メンバー全員でお祈りしてあげた。
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