第260話 迷宮へ 3
俺たちは蠍の魔物を倒して、迷宮の通路を歩いているけど、ここは狭いし、水が出ているみたいで濡れているので滑りやすいので、注意しながら進んでいると徐々に下り坂になってきた。
さっきのが初めの階の階層主なのかな?。
でも階層の主を倒しても、宝も何も出なかったけど。
あれ、おかしいな? 出ないこともあるんだろうか??
じゃ、階層主じゃないのかな?
さらに通路を進んでいくんだけど、急に傾斜が強くなり、凸凹道になってきた。
その凸凹道をさらに降っていくと、下に行く階段が現れた。
階段の真上に立って、座って下を覗き込んでも長すぎて先が見えてこない。
暗がりなので、魔法で明るくしてみたが、先までずっと続いているみたい。魔法の灯りと階段しか見えないほど、深そうだけど。
みんなと顔を見合わせる。
「どうする?」と聞いたら
シャーロットが「あの〜」となんだか、言いにくそうにしていた。
「なに?」
「えー」となんだか、モジモジしている。
「だから、どうしたの?」
「‥‥トイレっ」と切羽詰まって言ってきたので、全員が、俺の顔を見た。
そして9人が手を上げて「私も‥」と言ってきた。
俺は急いで、全員を空間に転移させ、トイレと書いているドアの近くにきた。
この空間は、それぞれの部屋もあれば、トイレも温泉も扉一つで、それぞれの屋敷につながっている。
女性たちは、急いで扉を開けて走っていった。
俺もトイレに駆け込んだけど。
迷宮はトイレがないから、その辺でするしかないみたい。
主にはトイレは岩壁に隠れてするしかない。
流石に王女には無理みたいだけど。
でも、冒険者には女性もいるので、その辺でしているんだろうな?
迷宮では、気をつけないと岩影を覗いたら、していたと言う場面に出会うかもしれない。
殴られそうな場面だ。
俺たちは誰もいないのを確認して空間から出てきた。
空間を出る前に、食事も済ませてきた。
今は満腹だ。眠くなるのを我慢しながら、迷宮を進んで先ほどまでいた階段を灯りを照らしながら慎重に降りていく。
長い階段を降りてきて、通路があるので、進んでいくと二つの道に分かれている。
どちらの通路に行くか、迷ったけど、メンバーに聞いてみて、多い方に決めようと思う。
「右の通路に進みたい人、手を挙げて」そうすると5人が手を挙げた。
5人が手をあげたら、あと残りは5人なので決めることができない。
もちろん、1人でも棄権すれば別だけど。
「多数決じゃ決まらないから」
地面に落ちている石を拾って真上に投げてみた。そして石が転がったほうに行くことにしたら、左に石は転がっていった。
石が転がった左側の通路を進んでいくと、先が見えいないほどの急な下り坂になっている。
所々、濡れていて滑りそうな斜面があるが注意しながら進んでいくんだけど通路が狭い。
そして、地下2階層に、たどり着いた。
先ほどから使っている明かりの魔法を、さらに増やしてフロアを照らしだす。
明るく照らし出されたフロアには、また冒険者の死体がある。
なんだ、この迷宮は!
どうして、俺たちが下ってきた道を上って行かなかったのか?
すぐに逃げ道があるのに、どうして、ここに数人の死体があるのか?
もしかしたら、退路を塞がれたのか?
先に進んでいく道と、引き返す道の両方が魔物に塞がれてしまうこともあると思う。
今は聞こうとしても冒険者が話すことはできないので、意味がわからないけど、まだ生きている冒険者がいるかもわからないので、それぞれで分かれて確認することにした。
俺だけは、魔物が出てくる可能性があるので周辺の様子を伺っている。
俺がフロアの様子を伺っていると、出入口の両方に、影のような動きがある。
なんだか魔物が、リポップするみたいな感じだけど、普通は降りてすぐ魔物が出ることなんてないと思うけど。
まだメンバーは、冒険者の確認を行っているとこなので、魔物が出現するのは早すぎる。
気がついているのは俺を含めて4人だ。
俺と神獣の3人は、目に見えない速さで、実体化しようとする魔物を切っていく。
魔物が出現する前だったので魔物は動くことができず、50体以上の屍として出現した。
4人が瞬殺したのは、実体化する前の魔物だったので、数が多くても動き出す前だったので、一秒とかからず討伐することができた。
そうすると、スミのほうに宝箱が出現した。
しかし、まだ冒険者の確認とギルドカードを取り出すことと死体を埋めなければいけないので、優先順位を先にした。
全員の死亡を確認したけど、死んでいた冒険者は全部で23人、女性が10人もいた。
ギルドカードを取り出すには、体を探らなければならないので、死体でも俺が触ることはできないので、女性たちにお願いして、俺は死んだ男のギルドカードを回収した。
死んだ男なんて、触りたくなかったけど、しょうがない。
魔法で穴を掘って、埋めることをして全員で黙祷を行った。
黙祷を終えたあと「さっきは、すごかったね。」とアリシア
「そうね、音がしたと思って顔を上げたら、魔物が倒れているんだもの」とソフィア
「私なんか、何だか分からないうちに上を向いたら、多くの魔物が倒れているんだもの」とシャーロット
「誰が魔物を倒したの?」セラフィーナ
「一瞬でわからなかったんだけど?」シャーロット
隠していてもしょうがないので、俺は手を挙げた。
そうしたら、3人は手を上げなかった。
横を向いて、アレクが、ならない口笛を吹く真似をしていた。
ロゼッタは、壁に寄りかかって目を閉じて寝たふりをしていた。
パトリシアは、もぐもぐと何か食べていた。
俺は3人に裏切られた。
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