第221話 ライオネル公国 2
俺たちは誘拐されていたセラフィーナ王女を返すために母国のライオネル公国に来ている。
俺が初めに気づいたんだが、なんだか変なんだよね。
何が変なのか、今は、わからないけど。
違和感を感じる、俺は未来予知の能力があるせいか、わからないけど、お城に入った途端、違和感を強く感じる。
でも、俺の未来予知では、その先までわからない。
今は、違和感を感じる程度だけど。
それが、間違いであればいいと思う。
王女が自分の城に戻ってきて、俺たちが助けたと言う事は知っているのに、王様のところに連れていかれるのも、なんだか物々しい感じがする。
普通は行方不明の王女が戻れば、歓迎ムードになるはずだ。
確かに、いくら王女を助けたからといっても俺たちは得体の知れない、よそ者ではある。
王女を助けることを理由として、王様を暗殺すると言うことも考えている可能性もあるが。
前後を警備してくれている騎士たちの雰囲気がなんだか違う。
俺たちに警戒して殺気を感じる。
王様がいる部屋に案内されて、王女と対面して王様は喜んでいるので、俺たちにも、お礼を言われた。
一目見て王様は、俺たちに対しても気さくに接してくれている。
今の俺たちの立場は、他国の公爵と言うわけではなく、冒険者として振る舞っている。
言われない限りは、特にSランクを示す必要もないので。
護衛の意味もあるかもわからないが、王様がいる部屋まで騎士たちがついてくると言うのも変な話だ。
普通は部屋の中には、別の騎士がいるはずだ、外の騎士は、外を警護する騎士だから、中まで入ることはない。
王族を守る騎士は別なはずだ。違う可能性もあるけど。
少なくとも、お城を案内することも近衛隊の役目の可能性もあるけど、じゃ、なんだ、この緊張感は!
なんだか、この部屋に入った瞬間に、俺は感じたんだけど、部屋の中の雰囲気がなごやかな雰囲気じゃなくて、物々しい雰囲気なんだよね。
普通だったら自分の国の王女が戻ってきて歓迎ムードだと思うんだけど。
そこが俺が一番に違和感を持った理由だ。
セラフィーナが、この部屋に入った途端に空気が変わったし。
普通だったら行方不明になっていた王女が戻ったら、喜ばれて、和んだ雰囲気になるところが、気を張り詰めた状態になったから。
俺たちは、しばらく城に滞在することを許された。
そしてセラフィーナが戻ったので、今日は宴をするそうなので参加してほしいと言われた。
俺たちはお城で、それぞれに、あてがわれた部屋に入ってゆっくりしていた。
女性たちは7人いるので部屋を2つもらっている。
今回は、イザベラとコリンとロゼッタとパトリシアの4人同じ部屋で。
もう一つが、ソフィアとアリシアとアレクが同じ部屋だ。
そして、男は俺1人なので俺が1人部屋。だから全部で3部屋、借りた。
宴を開始される時間になったら侍女が呼びに来てくれた。
豪華な夕食がテーブルの上に並べていたが、食べてみると、美味しくなかった。
華やかさの割には、味が死んでいる。
宴の席では、それは言うことではないので、一応、お腹は満たしてはいるが。
宴の席でも保様からお礼を言われた。
そして食事の後、メンバーの女性7人と俺とセラフィーナ王女が4人部屋に集まっている。
4人部屋でも、9人が入ってしまうと、かなり狭く感じる。
全員がテーブルやベッドに腰掛けるのを待って、俺は話し始める。
「セラフィーナ、聞きたいことがあるんだけど」
「何でしょう」セラフィーナ
「お城の雰囲気はいつもと変わらない?」と俺
「そうですね、そう言われれば以前と、なんだか違う感じがなんですが。何が違うか分からなくて。」
セラフィーナも、何かが違うと言うことはわかっているけど、何が違うのかと言うところまではわからないので、参考にならない。
「セラフィーナ、今からお城で口にするものは、俺たちがいるところで食べたり飲んだりしてもらえるかな?」
「え、どうしてですか?」
「もしかしたら、お城で毒を盛られたり、寝ているときに刃物で襲われる可能性があるんだ」
「いいかい、セラフィーナ、全員も聞いてて欲しいんだけど、俺の予想が外れればもちろん、問題はないんだけど、予想が外れないで当たれば大変なことが進行していると思う」
俺は続けた
「セラフィーナが皇太女であること、つまり、ゆくゆくは王様になると決まっていること、それを嫌がったセラフィーナが冒険者として旅をしようとしたときに襲われて、誘拐される。」
「そして、旅行途中にセラフィーナが殺されるか、戻れなくするために事件が起きたと思う」
俺はさらに話を続ける
「セラフィーナだけを狙っていたんじゃないかなと思うんだ」
「もちろん、この国まで人身売買組織が暗躍している可能性もあるけど」
「みんなは、どう思う」
1番にアレクが「多分、当たってると思う」
ロゼッタが「ご主人様の言う通りじゃ」
パトリシアが、「臭い匂いがプンプンする」と言った。
セラフィーナが、「じゃぁ私が王位を継ぐことに反対している人がいて、別のものを即位させるための誘拐だったんですか?」と少し涙ぐみながら体を震わせた。
横にいたアリシアとソフィアが慰めている。
セラフィーナ王女が落ち着いてきたので、「そんなの許せません」とつよい声で言った。
セラフィーナに王族の人家族のことを教えてもらう。
セラフィーナが長女で、腹違いの王子が3人いる。
そして王子3人と現在の王妃だ。
つまり現在の王様には、初めの王妃がセラフィーナを産んで、死んだ後、貴族の王妃を新たに迎えて、3人の王子を産んだと言うことだ。
一番、怪しい候補が出てきた。
セラフィーナがいると自分が生んだ王子が王になることができない。
しかし、王妃だけでは動くことは、難しいと思うので、協力する者が複数人いる可能性がある。
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小説の初めにプロローグ1〜7を書き加えました。
これはアルベルトの物語になります。
よかったらご覧ください。
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