第222話 ライオネル公国 3

セラフィーナが、お城について王様と会っている時も、俺は王妃と合っていない。


さすがに、宴のときには王妃と3人の王子がいたけど。


その時に顔を見て覚えているので、マーカーをつけておくことにした。


それをセラフィーナに話すと、そんなことまで、できるんですかとアキレられていた。


作戦はセラフィーナに話す必要もあるし、そうすると全員が聞いておく必要がある。


セラフィーナには再度、俺か、アレク、ロゼッタ、パトリシアの認めたものしか口にしてはダメだと言っておいた。


食べなければいけないときには適当に、お腹がいっぱいだとか調子が悪いとか、言っておけばいいと説明した。


なんだか緊張感が俺の頭の中に走る。


そしてアレクとロゼッタとパトリシアにも、同じように、常にセラフィーナに行動を共にしてほしいと話した。


俺の部屋にセラフィーナのベッドを置くわけにはいかなかったので、4人部屋のベッド4台ともくっつけて、5人で寝てもらうようにした。


ちょっと狭くなったけど。


だからセラフィーナは寝る時は、こちらの部屋に来て、入れ替わりで神獣の2人が必ずセラフィーナの部屋にいることにした。


何事もなく3日が過ぎた。


俺たちはお城のお風呂に入らないで、ダイラス連邦の屋敷の温泉に入りに行っている。


全員が、いなくなると怪しまれるので、交代で行くようにしている。


9人いるので、5人と4人に分けている。


そして朝食と昼食と夕食は、俺が全員の喰べ物や飲み物を毒検知の魔法で確認した後に食べるようにした。


しかし毒で殺すことをすれば、1番に疑われるのは調理をしたものだ、そして次は料理を運んできたもの、犯人がわかりやすいと思うので、たぶん毒は使わないと思うけど。


と言うことを考えれば、しばらく王女は城の外に出る予定は無いので、城に賊が侵入したと嘘を使うこともあり得る。


毒で狙ってくるか、刃物で暗殺をするか!


そう考えながらお城の生活をしているが、少しの間、メンバーに任せて、俺はオーリス王国の屋敷に転移してみた。


屋敷に転移して執事のセバスチャンを探して、報告をしてもらう。


あのあと、子供たち全員が自分の国に帰ったそうだ。


そして家がない子も数人いたので、オーリス王国が孤児たちを引き取り、今は孤児院にいるそうだ。


それで安心できたので、セバスチャンに今、どういう状況か話して舞い戻ってきた。


お城に舞い戻った俺は、メンバー全員に、セバスチャンから聞いてきた状況を話した。


全員が胸を撫で下ろしていた。


「よかった」


「本当に」


そして何事もなく数日が過ぎていった。


ある日の夕食、俺たちメンバーは、数人の侍女が運んできた料理を並べられたテーブルについていた。


そしてそこには、セラフィーナ王女もいる。


9人で食事をいただこうとしていたが、まず俺が手を止めた、そして次にアレクとロゼッタとパトリシアも手を止めたので、他のメンバーが俺たち4人を見ている。


そして俺が立つときにテーブルクロスを引っ張って、全員の食事をこぼしてしまう失態をしてしまった。


もちろん、わざとだけど。


そして配膳を行っていた侍女たちが、急いで洋服を拭いてくれたが、着替えに行くから今日は食事は良いと言って立つことにした。


部屋に戻ってきた5人は、顔が少し青い。


顔が青い5人は、セラフィーナ王女と、アリシアとソフィアとイザベラとコリンだ。


「いよいよ、本格的に動き出していると思う。全員のさらに毒が入っていたので、配膳する侍女が犯人じゃないと思う。と言う事は料理をするやつか、その他に犯人がいると言うこと」


と俺が今回のことを説明した。


「本当に怖いことだわ」とセラフィーナ


「私たちまで狙ってくるなんて」とソフィア


「そういえば、ここの料理は誰が作ってるか知らないが、美味しくないのじゃ」とロゼッタ


「あー私もそう思った」とアレク


たとえ毒を入れた犯人が料理人でも、料理人が主犯格と言うのもおかしいし、それを指示した奴がいるはずだ。


俺たちに料理人が、なんの恨みがあるのか? それはおかしい。


部屋に帰ってから全員で、俺が出した食事をした。


そして今日から、寝る時は、空間の中で寝てもらうことになった。


4人を除いて。


もちろん4人と言うのは、俺とアレクとロゼッタとパトリシア


貧乏くじになるが、神獣たちには負担が大きいが。


「大丈夫だよ」 アレク


「うん、面白いから」パトリシア


「そうじゃな」ロゼッタ


多分、俺を狙っても意味は無いので、セラフィーナ王女の部屋を狙うかメンバーに与えられた2部屋を狙うはずだ。


セラフィーナ王女が、夜な夜な自分の部屋を抜け出して、俺たちの部屋に来ているということが、知られていない限りは!

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