【 異能の転生者 】勇者への道、救世主への道、英雄への道……

第194話 帰国

俺たちはダイラス連邦からもらった屋敷にいる。

その屋敷には、温泉があるから、ゆっくりするために、昨日から泊まって、温泉に入りにきている。

今俺たちがいるのは、ダイラス連邦なんだけど、連邦から先に説明した方がいいかもわからないが、自分の国と言う意識があるオーリス王国から初めに説明をすることにした。

今日帰国するんだけど、帰国する朝も温泉に入ってから オーリス王国に転移した。

「じゃぁ、転移するよ」と言いながら全員の顔を確認していく。

今回、アレクとロゼッタは、初めて俺の国に行く。

オーリス王国に戻ってきたのは、ダイラス連邦国の調印式依頼だ。

まだ、そんなに時間が経っているわけではないが、懐かしく思う。

今回は、文官に説明すればいいと思って、直接、城に貸し与えられた部屋に転移することにした。

転移による暗闇が消えて、目の明るさが戻ってきた。

お城の豪華な部屋に到着した。

部屋の中には誰もいない。

誰かが風通しのためか、わからないが窓が開けられているので、いい風が入ってきている。

そこに鼻歌を歌いながら、花瓶に花を生けた王女が入ってきた。

俺たちを見てびっくりしていた。

俺を見て、横にいるアリシアを見て王女は、「お帰りなさい、公爵」と言ってくれた。

「王女様が何をしていたんですか?」

「お庭に、きれいな花が咲いていたから、私の部屋と、ここに飾ろうかと思って」と言っていた。

「私だって、たまには、こういうこともするんですよ」

そして王女はアリシアを見て、

「久しぶりですね」と言ってアリシアと両手を取り合って喜んでいた。

しばらくアリシアと話した後、王女は、「それで、そちらの、お2人は？」

俺は「新しく増えたメンバーです」と簡単に説明した。

それが嬉しかったのか、アレクが王女に向かって「虎なんだよ〜」と手をガォと言う感じでしていた。

なんだか、このポーズがお気に入りみたいだ。

それで王女が、ロゼッタの方を見たから、ロゼッタも「ワシか、ワシは、ドラゴンじゃ」と本当のことを言っていたが、王女は冗談だと思ったみたいだ。

王女の顔が不満だったのか、アレクは「本当なんだよ」と付け加えていたが、王女は、ハイハイ、と言う感じだった。

俺は本当のことを説明した方が良いかと思ったけど、今は、やめておいた。

俺たちが、ここに来た理由を思い出して、報告があると言って文官を呼んでほしいと伝えると、

王女が「公爵からの報告は、何よりも差し置いて、お父様が直接お聞きになります。公爵からの報告は最優先事項なんですよ」と、

王女は扉を開けて近くを歩いていた文官に、伝言を頼んで、すぐに王様に会えるか、確認してもらう。

先程の文官が、すぐに戻ってきて、俺たちと姫様に向かって「王様は、すぐにお会いになるそうですので、こちらにどうぞ」と言って先頭に立って歩いて行く。

俺たちは文官の後ろをついていき、王様が待っている部屋までたどり着いた。

どうして一緒に、姫様が来ているのか疑問だが！

王様が待っている部屋の前にたどり着いて、警備をしている騎士が扉を開けてくれた。

そこには王様だけではなく、王子と宰相と文官も数人いた。

俺が中に入っていて挨拶を交わして椅子に座る。

椅子に座ると、俺は早速、王様に報告を始める。

ブラッドフォード大公国にいた時に、魔族の国のサイラス皇帝が、攻め込んできていると言う情報をつかんだこと。

サイラス皇帝が攻め込んでいる理由は、自分の娘が誘拐されたこと。

そして娘さんへ戻ってくれば軍を弾き返すと約束してくれたこと。

そして魔法で娘さんの居場所を見つけて救出に向かったこと。

さらに他にも誘拐されていた子供たちを助けたこと。

そして、もちろん誘拐を企てた奴らを捕らえたこと。

子供が助かったのを報告して皇帝は、軍を引き上げたこと。

軍を引き上げたあとに娘を返せしに行って感謝されて、爵位をもらったこと。

俺の能力の事は話さずに、簡単にだけ詳細を王様に話した。

「うむ、公爵は本当に、いろいろな事件に遭遇するな、しかも国家を揺るがすような事件を解決してしまう。」

「普通なら戦争があって武勲を立てて、爵位を授与されるんだが。」

「公爵は戦争よりも、戦争になる前に国を救っているようだな」

「シャーロットも気に入っているようだし」

それを聞いたアリシアが頬を膨らませてむくれている。

「そういえば、メンバーが増えているようだが、紹介をしてくれるか」と王様

俺は2人を紹介する「こちらがアレクといいます、そしてもう1人はロゼッタといいます。」と簡単に名前だけを紹介した。

そうするとアレクが調子乗って「本当はねー、虎なんだよ」と言ったので、それを聞いていたロゼッタまでが「私はドラゴンじゃ」と本当のことを言ったが、メンバー以外の全員は信用しなかった。

なんだか最近、アレクが冗談のように言うから、ほとんどが信じてもらえないんだけど、アレクが言ったのを、聞いた人が変な顔をするのが、面白いみたいなんだよね。

でも本当のことだとわかったら、どう思うのかなと思う！

そして、最近はロゼッタまで同じようなことをやりだしたから！

面白そうだと思うよ、でも言っている人は、ほとんどが王様や皇帝なんだよね。

しかし、アレクもロゼッタも、神獣だから、本気、だされたら国なんて簡単に滅んじゃう！

特にロゼッタは体も大きいし、重たいから踏みつぶされてします。

2人は以前からも、知り合いみたいだから仲良しだ。

どこで、どういう風に知り合ったのか知りたい気持ちもあるけど、

後で聞いてみようかなと思う。