第193話 休養

空間魔法を駆使して空間を作ってみたが、あまり使いようがないなと思う。


または、冒険の時に泊まるくらいかな。


もう、ちょっと使い方が他にないのか考えてみなければいけない。


空間魔法で空間を作ったときに、閉鎖空間になってしまうのが1番の問題だ。


つまり窓もないから景色を見れないし、風を感じることなんかできない。


ただし大量の物資を運ぶのは有効だ。


そういえば以前、帝国が攻め込んできたときに、大量の物資を別の異空間収納に入れたままだった。


物資を入れてれている異空間収納は、空気は無いから時間が止まったままだから、ものが変化する事は無いので、腐る事は無い。


今回、作っている空間は、人も長時間でも入ることができると言う事は空気があるから、そちらに物資を入れておくと腐る。


ものは使いようと言うことだね。



今、俺たちは皇帝から新しくもらった屋敷にいるんだけど、屋敷には多くの部屋があるだけで、別に変わったものもないし、地下にも何もない。


やはり研究するなら、ダイラス連邦にある屋敷だ。


温泉もあるし。



そういえば、今回の顛末の報告をしなければいけないことを思い出した。


オーリス王国とダイラス連邦の両方に。


両方の国が俺が簡単に転移の魔法を使えると思っているから、時間が経ってしまうのは、よくないことだ。


今いるのは魔族の国でサイラス王国だから距離があるけど、転移の魔法は距離に関係ない。



屋敷の俺の部屋にメンバー全員を集めて、どうするか確認することにした。


つまり、ついていくか、行かないか。


「今から報告のために、オーリス王国とダイラス連邦に行かなければいけないんだけど、みんなはどうする?」


「どれぐらいの時間、行くの?」とソフィアが聞いている


「そうだなぁ、それぞれ3日かな〜」


「じゃぁ私はついていく」とソフィア


「じゃあ私も」とイザベラ、アリシア、コリン、アレク、ロゼッタが言ったので、…… 全員がついていくことになった。


俺を入れて、7人で行くことにした。


「じゃぁ明日から、アーロン王国に帰ることにするよ」


「何時に集合?」とイザベラ


「そうだね、9時に俺の部屋に集合ね」と言うと、


「じゃ、今日と明日、温泉に入りたい」とソフィア


「う〜ん、それじゃ、今から温泉がある屋敷に行こうか? その方がバタバタしなくていいから! じゃぁ全員用意して俺の部屋に集合 」


5分してから全員が集まった。


「じゃぁ温泉がある屋敷に行くよ」と言って、転移した。


温泉がある屋敷の俺の部屋に転移してきた。


そこからは次の朝までは自由行動だ。


俺は何も予定がないので、温泉に行くことにした。


まだ明るいけど。


ここは本当に街から少し離れていて、小高い丘の上に立っているので気持ちが良い風が流れている。


俺は着替えなどを用意して、お風呂場の脱衣所に転移した。


温泉から上がった時は、新しい下着に替えるのが当たり前だ。


新しい下着を用意して、脱衣所で、着ている洋服を脱いで、かけ湯をして、タオルを持って露天風呂に直行する。


転移して、すぐに来たので、当然だが誰もいない。


だからタオルは、持って行くけど、しなくても大丈夫だろう。


温泉の温度は、丁度良い。


湯舟に入りながら、空を見ると、青い空が一面に広がっていて、雲、一つない。


大きな温泉に浸かって、青い空を見るなんて贅沢だ。


数年前には、考えられないくらいだ。


ハァー、気持ちいい……


なんだか、ここ数日は、忙しかった。


村にいたら、違う意味で畑や田を耕して忙しかっただろう。


ガラガラと音がした。


音がした方を向くと、6人がいた。


6人の中の、アレクとロゼッタの2人は、すごい勢いで湯舟に飛び込んできた。


勢い良く飛び込んできたので、大きく水飛沫が俺にかかる


俺は頭からずぶ濡れになりながら、こらっ、と言って怒って、2人に水をかけた。


そこで2人と俺1人で、水の掛け合いが始まった。


それを見ていた全員が参加してきた。


キャーキャー、ワーワーと言いながら敵味方、関係なく全員に水をかけていく。


たくさん水がかけられたアリシアとソフィアのタオルが、ハラリと落ちた。


キャーッと言って2人がしゃがんだ。


こちらを見て、見たでしょ、と言って怒りながら、もう、と言って湯舟に浸かった。


良いものを見せてもらった。


温泉、最高

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