第187話 屋敷


しばらくは魔族の国で、いろいろなイベントがあって正式に公爵の地位をもらった。


俺たちは、もらった屋敷を見て回っている。


移動するのに拠点になる場所は何カ所あっても良いが、どれもこれも豪華な屋敷なので気が引けてしまうが、お礼だと言われると断れない。


あのまま魔族とブラットフォート大公国が戦争に突入しているかもわからなかった。


それが回避できたことの褒賞だと思えばいいかな。


また、ここでも、自分の部屋を決めなければいけない。


まぁ俺は、主の部屋をもらっているけど。


俺の部屋の一番、近くにアリシアの部屋があって反対側にソフィア、さらにその奥にイザベラと反対側にコリンの部屋


そして今回はさらに、その奥に、アレクと反対側にロゼッタの部屋がある。


今ではパーティーメンバーは、女の子6人と俺1人


年齢は一番上だと思われるのがロゼッタ


一番下がアレク


だけど見た目だけで見た順番だ。


多分、神獣としては何百歳だろう


もしかしたら何千歳かもわからない


恐ろしくて聞けない、あとの仕打ちが怖くて。


俺は、街中よりも離れたところの方が良いと希望して、もらった屋敷には、海の近くの小高い丘の上に建つ別荘地をもらった。


ここなら、暖かくなったら、泳ぐことができる。


水着が見られることに心が躍る


どんな水着を着てくれるのか?


残念なことに今は冬だ!


本当に残念だ!



家の中はある程度、探索し終わったので、庭に出てみた。


潮風を含みながら流れていく風は磯の匂いがして気持ちが良い。


屋敷の広い庭に出てくると、少しだけつよい風が吹いている。


ここは高台に立っているので、少し風が強めだ。


景色を眺めていると、とても隅っこに小屋がある。


その小屋に近づいてみると、扉を開けて中に入ってみる、そこには地下に降りていく階段があった。


階段を降りてみると大きな部屋があるので倉庫かなと思う。


まさかここにも隠し部屋とかないよなと思いながら魔法を使って探してみる、が何もない。


なんでもない倉庫のようだ。


と思って部屋を回っていると、何もない部屋なのに所々に、違和感を感じる。


前回の屋敷のように、隠し部屋があるわけではない。


俺は違和感を持ちながら、何の違和感を感じているのか、わからなかったけど部屋を後にした。


階段を上って小屋から出ようとすると、アレクとロゼッタが立っていた。


「どうしたの2人とも」


「ご主人様、奥に何かで気配を感じる」とロゼッタ


「私も何か感じるの」とアレク


と2人が言うので、また階段を降りてみる。


3人で部屋に戻っていくと、2人は周りを見渡している。


俺は何があるんだろう?と思っていた。


屋敷の建物と違って、ここの小屋はかなり古い


以前の持ち主が何のために、この小屋を使っていたのか、気になるとこではある。


しかし俺も気になったが、わからなかった。


なんだか俺がもらう屋敷は、いわく付きが多いなと思う。


2人が部屋の中で、ウロウロしながら歩きまわっている。


ウロウロ歩きまわっているけど、何かわからないみたいだ。


「ご主人様、ちょっと魔法を使ってみて?」とアレクが言うので、基礎魔法でいいかと思って展開してみた。


そうしたら、いろいろなとこに書いてあった魔方陣がつながって光りだした。


目がくらむような光だった。


目を開くと、違う部屋にいることがわかった。


そして一緒にいたはずのアレクとロゼッタもいない。


俺は今いる部屋がどこにいるのかわからなかった。



俺が部屋からいなくなったあと大変な騒ぎになった。


ロゼッタが現場で残って、アレクが地下室に全員を連れてきたが、全員で探しても見つからなかった。


大声で呼んでも返事は返ってこない。


アリシアが涙ぐみだした。


そんなアリシアをソフィアが慰めている。


アレクとロゼッタとイザベラとコリンが必死に探しているが、狭い部屋なのでどこにもいきようがないから壁を叩いて回っている。


どこかに仕掛け扉でもあるんじゃないかと。


しかし仕掛け扉はなく、俺はいなくなったまま。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る