第186話 魔族 2
これで魔族の軍を引き返してくれると思う。
後は、それを確認しながら、あとはミーアを親の元に返すだけ。
別に今でもミーアを返してもいいんだが、返すのは、王様が、お城に着いた後でもいいと思う。
先に母親の王妃のところに返したほうがいいかな?
それを相談すると、メンバーやミーアに話が難しくなるので、父上が国に帰ったときでいいと言われたので、もう少し一緒にいる。
やっと、ことが終わったので、全員が寝不足になったので、寝ることにした。
ミーアは、アリシアと同じベッドで寝ている。
俺も疲れたので自分の部屋に戻って寝ることにした。
寝る前に、皇帝に手紙を書いて知らせて、おかなければ心配する。
俺は手紙を書いて、ミーアにも、お父様心配しないでと書いてもらって誰もいない皇帝のテントに転移して手紙を置いておいた。
後は、ひたすら眠った。
目が覚めたら、朝だった。
ぼーっとしながら考えていると、寝た時も朝だったよなぁと思って、そんなに寝てないのかなと思ったんだが、丸一日寝ていたみたいだ。
体は、ずいぶん回復してきているので、朝食を食べに食堂に降りていく。
そうするとそこには、全員が揃っていた。
「あっと、起きた」とアリシアが言った。
全員が、「昨日は、お疲れ様」と言ってくれた。
横に座っているミーアを見ながら、「本当によかったね」と言いながら頭を撫でている。
「実はね、あたし、つかまっている間も、怖かったんだけど、誰かが助けてくれるような気がしていたの」と言われた。
「 だから必死に、その人が来るのを待っていたの。
そしたら、その人が本当に私の前に現れたの。
しかも、その人たっら、犯人も捕まえてくれて、お父様のことも止めてくれたの…。
私、その人のことを信じて待つことにしたの……」
なんだか予知夢的なことを言われてしまった。
この子は予知夢が使えるのかもわからない。
だから狙われた可能性があるのか?
俺たちは誘拐事件から始まって、軍が動き出したが、その進行が止まってくれたみたいなので、ひとまず安堵している。
あとは、ミーアを返せば全てが終わる。
そして一応こういう事件があったと言うことを、報告する必要ができてくる。
自分の国とダイラス連邦の両方に。
こんなんじゃぁ公爵の爵位なんて押し付けられるんじゃなかった。
もっと強く拒否するんだった。
待つこと5日、皇帝は自分の城に帰った。
そして俺たち8人は、誰もいなくなった皇帝のそばに転移して現れた。
皇帝は現れた瞬間にミーアのもとに駆け寄り、抱きしめて涙を流している。
そして、「ちょっと待っておれ」と言って扉から出ていった。
皇帝が戻ってきて、その後には母親らしい人がいた。
母親もミーアを見ると、よろけながら抱きしめて涙を流していた。
しばらくは3人とも涙を流していたが、皇帝は俺の方を振り返って、妃に、今回の功労者たちを紹介した。
王妃様が、俺たちに涙を流しながらお礼を言ってくれた。
そしてテーブルに俺たち全員を座らせると、俺の正面に皇帝も座った。
俺たちは、もう帰ろうかと思ったんだが、皇帝がぜひと言うものだから座った。
皇帝は「貴殿の名前を知りたい」
俺は「オーリス王国のクリスと申します」
俺は、ここで言わなければいけない言葉を口にする。
「陛下、軍を引いていただき、本当に感謝しております」
皇帝は「俺は娘が誘拐されたと言うことで情報操作が行われており、ひどく取り乱した。
大公国が俺の娘を拉致したと言う情報が上がって、急遽軍隊を動かしてしまった。
今、思えばあまりにも早く軍隊を動かすことができたのが、改めて考えれば不思議だったが、今思えば策略が働いていたようだ。
本当に貴殿には大変、助かった。どうだ、私の国に来ないか、そして側近として働いて欲しい」
と言われたが、俺にも俺の国がある!
「陛下、私にも私の国がありますので、それはどうかご容赦ください」といった。
「叶わなぬのことか…」
「ならば、わが国の爵位を受けてくれるか」と言い出したので、ここは断固拒否と言う姿勢を示さなければ。
「陛下、私は16歳と言う年齢ですが、自分が住んでいる国の公爵です。なので爵位を受け取る事はできません」と言うことに成功した。
「そうか、公爵なのか! では、私の国でも公爵になってくれないか」
さっき断ったのに〜
「それは実に余る光栄ですが……と言おうとしたんだけど、「そうか、そうか受けてくれるか」と先に言われてしまった。
俺は目が点になる思いがした。
横で聞いているメンバーが、なんだかクスクス言っている。
それでさらに言っておかなければいけない事は、ダイラス連邦でも俺は公爵と言うことだ。
それを言うと、貴殿は、いろいろな国で功績をあげているのだなぁ、と言われてしまった。
多分こんな事は初めてだと思うが、貴殿こそが3つの国の公爵になる。
そして国を戦争から救ってくれた貴殿に、何もしないと言う事はあり得ない。
そして俺のことを聞きたいと言うので、自分の国にも屋敷があり、連邦にも温泉が付いた屋敷があって重宝しているとか言うことを話してしまった。
わが国にも貴殿の屋敷を用意したいと思う。と言われたが、俺は要りませんよと言ったんだが、皇帝はどうしてもと押し切られた。
この国でもいろいろあったんだが、公爵の地位と屋敷をもらってしまった。
屋敷の管理は国が全てするそうだから安心してほしいとまで言われた。
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