第152話 ダイラス連邦

ダイラス連邦に、戻ったきた俺たちは、あまりにも時間が早すぎると怪しまれるので、しばらくは借りている宿でゆっくりしたり、外出して食事をしたりショッピングをすることにした。


オーリス王国とダイラス連邦は距離があるので、早馬でも、数日以上かかかるから。

5日、経った頃、もう、いいだろうと思って、動き始めることにする。


今回は公式な身分として公爵を使うことができるので、隣国の公爵と言う立場から近くの詰所に行って、手順を踏んで首長様のお伺いを立てることになる。


しばらく宿で待っていると、詰所から騎士が馬に乗ってが宿にやってきた。


前回、首長の屋敷まで案内してくれた騎士だった。


その騎士に、オーリス王国の親書を持ってきたと告げておいたので、首長様は、明日の午前中であれば空いているそうなので、その日の、その時間に行くと告げて宿に戻ろうとしたら、騎士から「ではお迎えにあがりますので」と言われた。


馬車の台数を聞かれたので、二台お願いしたいと言っておいた。


親書をもっていくだけなんだから、普通に首長がいる屋敷に行って、預ければいいだけのような感じがするんだけど。


国が動いているから、そうはいかないんだろうな。


次の日の朝から朝食の用意をしてもらうように言っていたので、朝から食事をしている。

今日はメンバー全員で首長のところに行く予定だ。

どうしてかと言うと、公爵が護衛の1人もなしに歩く事はおかしいと言われたからだ。


普通は男性が護衛になるものなんだが、女性でも強そうであれば大丈夫そうなので、女性たち4人にお願いした。

うちの女性たちは強そうに見えないけど…

特にアリシアとイザベラとコリンは強そうに見えない、普通の女の子にしか見えない。

ソフィアは冒険者っぽいから見えることもあるけど。


護衛は、喋る必要もないので、普通は立っているだけだ。


もちろんドレスを着る必要はない。


一応、国王の親書を渡しに行く俺だけは貴族の服を着て行く。


女性陣も冒険者の格好と言うわけにはいかないのでドレスでも良くないから、ダイラス連邦の首都で上品な服を調達した。


翌朝の午前中の早いうちに、俺は貴族の服を着て、女性4人には昨日、調達した仕立ての良い上品な服を着てもらった。


迎えに来た馬車に乗り込んで、首長のところに行っているわけだが、馬車の中で、打ち合わせをしている。


俺が、まずは先頭を歩いて、椅子に腰掛けたら、その後ろに、手が届く距離を置いて4人が立ってほしいと言うこと。


あまりにも下がりすぎると無能な護衛と見られてしまう。


そういうことを話しながら首長の屋敷に着いた。


馬車から降りて、屋敷の執事に案内されながら、会談をする部屋まで通される。


今日の俺は、オーリス王国、国の代表として来ている。


一国の代表として来ているので、それなりの対応が必要になる。


部屋に入った俺たちは、先に座っている首長達を見た。


同じ位置に男性5人が座っていた。


うしろには数人が立っている。


全員が立ち上がって、両方から挨拶をして席に座る。


そこで俺はオーリス王国の王様から預かってきましたと言って親書を渡した。


手渡した親書を、1人が確認して、もう1人が確認してと言う具合に5人が確認を行う。


5人のうちの代表の1人が、前回あった人物だ。


代表者の名前は、メイソンと言う。


メイソンは、俺に向かって「貴国が前向きに検討してくださって感謝します。これから、もっと詰めていかなければいけませんが、オーリス王国と国交を樹立したいと思います。貴殿の努力には大変、感謝しています」と言われた。


これで国が動き出すことができる。


まだ、お互いの代表者が、同じ場で調印を持たなければいけない。


国の代表者が動くと言う事は大勢の人が動くと言うことになるので、そこを、どうするか今、話し合われている。


一応、俺の国の王様から話を聞いてきてはいるんだが、相手の国で会談をするか国境で会談をするか?


本当はできたらお互いの国を訪れて、相互に会談をした方が良いが、旅の護衛をすることになると、おおごとになる。


う〜ん、どうしよう?


平和な国になってくれれば、能力を隠す必要は無いかな?


また、それが抑止力となってくれればいいかな?


そういう奴がいる国に手を出す奴はいないけど、わからないよなぁ


まぁ俺はしょうがないかと言う意識のもとに、首長の5人に瞬間転移魔法をばらすことにした。


大勢では無理だけど、限られた人数であれば瞬間転移で移動することができると。


「メイソン首長様、1つだけ私に提案があります。

とても安全で時間をかけずに移動ができる方法です。

しかしそれを使うには条件があります。

限られた人数だけにお見せすることができるものですので、人払いをお願いできますか?」と俺は言った。


メイソン首長は、それぞれの首長を残しながら、あとのものは退出させた。


「驚かないでほしいんですが、私は貴族でもあり、魔法使いでもあり、冒険者でもあります。

魔法使いなので、魔法を使うことができるんですが、その魔法の中に瞬転移魔法があります。

瞬間転移魔法を使えば、お互いの王都を行き来することができます。

しかし移動するためには、能力を秘密にしていただけることだけは守っていただきたい。

もちろん私が使う魔法は安全です。

数秒で移動が可能です。どうされますか?」と俺は聞いてみた。


メイソン首長は、「娘を助けてくれたアルベルト殿を私は信用している」


「そんな魔法があるであれば、ぜひお願いしたい」と言ってきたので、準備をするために、一度、宿に帰った


全員で宿に帰ってきたわけだけど、今度は俺1人で、オーリス王国のお城の借りている部屋に転移する。


王様がいるか、どうかわからなかったけど、何とか王様を見つけて、今、ダイラス連邦で説明したことを話した。


もちろん王様にも俺の魔法の能力を聞いてもらった。


そして都合の良い日を教えてもらった。


相手国が来た限りは国賓として迎えなければいけないので、準備が必要だから。


王様から必要事項を聞いたので、ダイラス連邦の借りている宿に、また、戻ってきた。


いろいろ日程、合わせがあったが、ダイラス連邦の5人の首長に、都合の良い日を聞いてみた。


お互いの日程が合う、10日後と言うことで決着した。


会う場所はダイラス連邦から持ちかけているので、ダイラス連邦側が、オーリス王国に行くことになった。


実際に行く前に、連れて行かなければいけないので担当する大臣3人を、俺が借りている部屋まで転移をしてみせた。


最初は、ふらつきはしたが説明はしていたので大丈夫だ。


そして5人の首長にも練習が必要なので、首長の屋敷から俺の宿まで転移して練習しておいた。


ダイラス連邦とオーリス王国は忙しいと思うけど、俺たちは10日間、暇だ。


10日後の会談ではオーリス王国で、記念式典や調印式が行われる。


そして、さらに10日後ではダイラス連邦で、記念式典と形式だけの調印式が行われる。


なんだか、めんどしい


当日までは暇だけど、気ぜわしい



一応、4人のメンバーには連絡要因として、ダイラス連邦の宿に2人、オーリス王国の城の中の借りている部屋に2人、分かれて待機してもらった。


ダイラス連邦の借りている俺たちが借りている宿に、連邦所属の女性騎士が5人が、護衛と伝令のために部屋を借りることになった。


なんだかすごく物々しい

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