第150話 国と国の結びつき
俺は、これからダイラス連邦に戻らなければいけないが、メンバーの全員に、今から協力してもらうことが増えると思うと説明した。
俺、一人でできる事は限られているので、メンバーにも、お願いすることが増えてくると思うし、屋敷の事はセバスチャンに頼まなければいけない。
だからメンバー一人ひとりの負担が増えてくると思うんだけど、協力してもらえないだろうかと言って頭を下げた。
ソフィアが「私たちが出会った、あの街であなたと出会わなければ、今の私たちがないと思っている、だから、私は協力したい」
イザベラは、「当然、私もそう思っているわよ」と顔を少し赤らめていた。
コリンは、「私もアルベルトに協力をしたい」と全員に賛同してもらえた。
セバスチャンには、旦那様、もちろんでございますと言われたので、屋敷のことを全てセバスチャンにまかすことにした。
セバスチャンも、部屋に残ってもらいながら話を続けていく
「ダイラス連邦の首長から、受け取ってきた巻物は、この、オーリス王国と国交を結びたいと言う親書だったんだ。
国と国が関係を持って、より強く反映したり協力し合うことができればと思う。
そんな国に周辺諸国から戦争を仕掛けようとなんて、国はないと思うんだ。
もちろんお互いが協力をしあって、軍備や技術や人の能力を向上させなければいけない。
一度には、すべて行っていくのは難しいから、まずは一歩からと思う。最終的にはあらゆる面で連携できればと思う。
そうじゃないと、国としての表面だけ連携していると思われると意味はないから。
ほんとうの意味での友好国を目指すことだと思う。
お互いの国が人の能力を向上させるために協力しあったり、もちろん商業的にもお互いが手を取り合えることが平和を保つことの条件になると思う。
ダイラス連邦とオーリス王国から始めていき、周辺諸国も巻き込みながらできたら、攻めてきた帝国も手を取り合うことができたらと思う。
それに協力をしてもらいたい。
アリシアが、「もう、クリスわかったわよ」と言ってくれた。
俺は300年前のアルベルトの時に失敗をした。
俺が住んでいる平和だった国に他国から侵略され戦争を仕掛けてきた。
その戦争にかり出されてしまい、人と人が殺し合う現場を間近で見ることから、喪失感に襲われ、生きる希望をなくし、愛する家族もなくしてしまい、最後は力尽き、殺されてしまった。
意識が薄れながら、自分は死んでいくのかと考えてしまった。
現世にクリスとして生まれた自分は、二度と同じことを繰り返したくないと言う強い思いがあった。
あの事件があった村での事、現世のクリスからアルベルトとして意識を取り戻したことが、どういう意味があるのか、やっと気がついたような気がする。
あのまま、村にいてクリスとして生きていくこともできるけど、俺は目覚めてしまった。
この世界に、永遠に続く平和なんてない
いろんな国が戦争を起こしているのが現実だ
何とか俺が一人でできるわけではないが、平和な世界を維持したい。
前世でも結婚をして妻と子供がいたが、全員が侵略と戦争で殺されてしまった。
どんなに憎んでも憎み切れないくらい悔しい。
戦争なんか参加しないで、どこか誰もいない国に行けばよかった。
人と人が殺し合う、これが戦争だ
死にたくない奴と死にたくない奴が殺し合う、これが戦争なんだ
人と人が戦えば、必ず、どちらかの人が死ななければいけない
人が戦って死んでいくの数でしか把握しないのが国王だ
そんな奴に、自分の人生や家族を殺されたくはない。
誰かが何かをしなければ防ぐことができない、
それが自分だっていいじゃないかと俺は思う
俺は本当に非力だが、小さい頃はアリシアの、あとをついてばかりいた。
そのアリシアを、いつの間にか好きになっていた
アリシアを失わないうちに…
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