第149話 国の貢献度とアリシア
前世のアルベルトとしての地位は伯爵だった。
今は伯爵を超えてしまって、もらえる爵位の一番上の公爵だ。
5爵というのがあって、公爵、侯爵、伯爵と下に続いていくので、最上位になってしまった。
しかも貢献度が大きかったため、世襲制になった。
つまり俺から生まれた子供は公爵を継ぐことができる。
こんな状態じゃぁ、また他国との戦争が起きてしまうこともあるので、自分としても頑張るしかないじゃないか、と思い始めた。
仮に戦争と言うよりも人と人が戦うことが起きる前に止める。
そういうことをするんだったら自分1人では無理だから、メンバーの能力を引き上げなければ。
メンバーには協力してほしい。
俺たちが国王と話を終えて戻ってきた次の日の朝、朝食をとったあと話があるからと言ってメンバーに部屋にあつまってもらった。
全員が、テーブルの椅子に腰かけた後、執事のセバスチャンが人数分の紅茶を持ってきてくれて、立ち去ろうとしていた時に、俺は呼びとめた。
セバスチャンは立ったまま、聞いていた。
俺は話し始める
昨日、俺は王城に行って、叙爵された。正式には、まだだが、爵位の第一位の公爵の地位を承った。
全員の顔を見ると、驚きと言うよりも、またかと言う顔を全員がしていた。
「旦那様、おめでとうございます」とセバスチャンだけが言ってくれた。
それに呼応したように、全員から、おめでとうと言われた。
俺にとっては、あまり、めでたくはないんだが……
なりたくてなっているわけではないし、たまたま国に対しての貢献が良かったと言うだけの評価なんだが。
しかも公爵の地位が俺だけではなく世襲制なんだ。
と、そこまで言うとソフィアが俺は、国に対して多くのことをしたと思うと言ってきた。
イザベラが珍しく、あんたほど、国に対して役に立った人はいないと思うわよ、と言われた。
公爵に、あんたって、まぁ、いいけど
コリンは、うんうんと頷いていた。
アリシアの視点
放出系魔法の訓練を終えて、屋敷に帰ってきたらクリスに王城から手紙が届いていた。
私は、ほこりっぽいまま、お城に行くのは嫌だと思ったのでお風呂に入ってから着替えてから行くことを提案した。
クリスもお風呂に入ると言ったので、一緒についてくるかと思ったが、私たちは女の子4人でお風呂に入る。
当然だが、クリスは入ってこなかった。
お風呂から上がって、ソフィアとイザベラとコリンが、私の部屋に来て王城に着ていくドレスの着付けを手伝ってくれた。
最後に、クリスから、もらったネックレスを身に着ける。
鏡で見てみると、似合っている! と自分でも思って顔が緩んでしまう。
準備が整うと全員でクリスの部屋に行って、2人でお城に転移してきた。
そこにはシャーロット王女が待ちくたびれていた。
シャーロット王女と友好を深めて、王様たちがいる部屋に移動した。
いろいろクリスと難しい話をしていたけど、記憶に残っているのはクリスが、なっなんと公爵になったと言う事。
爵位の中でも下に行けば行くほど人数は多くなっていくんだけど、公爵は最上位だから、人数はそんなに多くない。
爵位と言うのは、国に対する貢献度が大きければ、大きいほど上位になるらしい。
元は平民だったクリスが、王様を助けて伯爵にまでなってしまった。
それが今は国と国の関係を、つなごうとして動いたために貢献度が大きくなり、公爵までもらってしまった。
なんだかクリスが、どんどん手の届かないところに行ってしまうような寂しさを感じている。
公爵となったクリスが、普段通りに自分と話してくれている。
普通だったら話すこともないような貴族様だ。
そこで私は思ってしまった。
もしかして、もしかしてクリスと結婚したら、公爵夫人?
顔が赤くなっていくのを感じた
クリスに実力でも認めてほしいけど、クリスのそばに、いつでもいられるように願うし、努力をしなければ、クリスの横に立つ資格はない。
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