第117話 アーロン伯爵領 3
あまりにも食事が美味しくないので、別の宿に変えてみたが、そこもあまり美味しくなかったんだが、前の宿よりは腹痛が起きることもなく気分が悪くなることも起きなかった。
女の子たちが希望する お風呂もあるし、1人用の俺の部屋も少し大きくなった。
女の子たちの部屋は同じくらいかな?
多分だけど、この街の料理が美味しくないのは、麻薬で体をやられていて、味の感覚が鈍くなり、食材の取り扱いができていないか、鮮度が悪くなっている食品を使っているせいだと思う。
味付けが悪いだけでは、あそこまで俺が悪くなる事は無いからし、治癒魔法をけても改善しないなんて、どれだけの物を使っているのか。
そして街の人も、その食材を食べていることなる。
だから街人は元気がないような、覇気がないような感じだったのかな。
他の国だったら放置しておくんだけど、自分の国の中だから、何とか対処したいと思うんだけど。
どう対処しようかな??
俺は夜になるのを待って、泊まっている宿から抜け出し街の中を歩いてみる。
もちろん1人で移動しないと、夜だから女の子たちがついてくると危ないから。
まず、街灯がある街よりも、ない部分に注目したほうがいいと思うので、暗いけど、光がない道を歩いている。
光がないといっても、月明かりはあるので慣れれば、逆に月明かりの方が見える。
俺は、月明かりの中、道を歩きながら建物に寄りかかって座っている奴や、歩いている奴の表情を見ながら歩いているが、やはりぼーっとしているような感じや、凶暴になっているような感じがする。
凶暴になっている奴と、もめると面倒なので、気をつけながら歩いている。
しばらく歩いていくと、昨日、俺が路地裏で見つけたマーカーをつけてマークしているやつを見つけた。
麻薬を買っていたやつじゃなく、麻薬を売っていた売人だ。
麻薬の売人を見つけたので、俺は、目を合わさないように、顔を見ないようにして、そいつから通り過ぎる。
多分、売人は、麻薬を買ってくれるやつを見つけようとしていると思われる。
だから顔を動かさないようにして目だけ動かして、相手を目だけでおいながら、ゆっくり歩いている。
通り過ぎた後、振り返らないようにして建物の角の見えない位置に移動する。
売人にはマーカーをつけてあるので、離れても大丈夫だから。
売人が、歩きながらいろんな人と接触して、麻薬を売り歩いているみたいだ。
持っている麻薬を切らしてしまうと、多分、元締めのところに戻るか隠家に戻ると思う。
しばらくは様子を見ていると、今日は元締めの所でもなく隠れ家でもなく、自分の家に帰ったみたいだ。
しかし多くの人が、この売人から麻薬を買っている。
俺は、この売人を初めて見たのは、昼間に見たから、昼間でも夜でも多くの人が買っていると思われる。
だから街の人の雰囲気が何か変だったわけだ。
でも、この売人だって、家に帰れば奥さんもいるし、子供だって3人もいる。
でも、この売人の家は、奥さんも元気だし子供も元気だ。
つまり自分の家族には麻薬を使っていないし、自分もしていないんだろうな。
でも麻薬を得ることで、他の人を廃人のようにしている。
悪に手を染めているのに、自分の家族だけは守っている、理不尽のような、納得がいかないような。
自分の家族が守れていれば、他はどうでもいいのか?
自分の家族を守るためには、周辺も関係ないとは言えない。
仕事がないから、しょうがなく手を染めているのかな?
個人的な事情なのでわからないが。
俺は、宿に帰ることにする。
短時間の睡眠だったけど、全員が起きだす前に目が覚める。
そして普通通りに、朝食を食べに下に降りていった。
宿を変えたことで、以前よりは食事が おいしいとは言えないけど、良くなったから。
パーティーメンバーで朝食を食べていると、今日も街に繰り出そうよ、と俺が言うと、「えー今日も行くの? 」とイザベラに言われたが、情報収集のため、出かけて見なけらばならない。
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