第101話 帰還
俺は、しばらくは、お風呂に入ることもしないで見張りを続けた。
風呂に入りに行くのは、簡単だが、その時間にも人の命が危ないかもしれない。
持ってきたパンや食料が底ををついてきたので、帝国からいただいた食料を少しもらった。
帝国の33,500人の全員が帝都に戻るように!
たぶん、かなりの、はらぺこ状態だ。
足取りが重たいみたいで遅いけど、もう少しで全員が帝都に帰り着く。
俺の屋敷から、ここまできて、いろいろあったけど1ヵ月以上もかかっている。
しばらくは監視が必要だと思うけど、弾薬が調達できない限りは無理だし、王様が、廃人のような状態では難しいと思うから。
なんだかいつの間にか食料や弾薬がなくなってきたことが不思議に思われて、物資を奪った奴を「帝国の魔物」と言われているそうだ。
誰のことを言っているんだろう?
俺は人だから違うと思うけど。
全部の部隊が帝国に入り、はぐれた兵士も処理が済んだので、俺も疲れてきたので王国に帰ることにした。
そして屋敷に変えてアリシアの笑顔を見たい。
俺はここから、アリシアの笑顔を思い浮かべながら長距離を転移してしまった。
あまりのアリシアに会える嬉しさから、屋敷まで転移してしまった。
しかも、転移した場所は、アリシアの部屋だった。
アリシアは机に座って何かを書いていたが、急に現れた俺にびっくりして、しばらく動けなかったが、ようやく「クリス、お帰りなさい」と言って抱きついてきた。
アリシアが抱きつきながら、すぐに体を離した。
鼻をつまんで、
「クリス…臭い…」
と言われたので俺は、ショックだった。
それはないんじゃないアリシアさん。
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