第17話 ゴブリン襲来

俺は女性三人のパーティーに仮に入れてもらって、冒険者ギルドで依頼を受けて、村までゴブリンの討伐に来ている。


俺たち、4人に対して、ゴブリンは11体。


ゴブリンは鼻で臭いを嗅ぎながら、小屋に目当てをつけている。


イザベラとソフィアは、隙間から覗いている光景で緊張が高くなる。


ドキドキ、ドキドキッ


コリンも緊張しているのか、胸のあたりを抑えている。


もう、ゴブリンは、小屋の近くに近寄り、こん棒で小屋を壊そうとしている。


壊される前にイザベラとソフィアは剣を構えて小屋の扉を開ける。


ちょうど、そこにゴブリンのこん棒が振り下ろされて、小屋の一部が破壊される。


バキッ


急いで出てきた二人は、ゴブリンを前にして、一歩も引かない。


小屋をでてきて、そのまま時間を置くことなく、こん棒を振り回したゴブリンを切りつける。


ギャ~と変な声を出しながら、ゴブリンは地面に倒れる。


しかし、後方からもゴブリンの群れが湧いたように出てきている。


その数、20体くらい。


残ったゴブリンと合わせると30体の数。


一体はソフィアが倒したから、あとの30体は普通なら女性3人では多すぎる。


と考えていたら、イザベラのもとへゴブリンが集まりだしている、コリンが魔法を唱えているが、詠唱が終わらない。


「な、なんなのよ~」とイザベラが叫んでいる。


コリンの詠唱が終わらないので、間に合わない………俺は木の根元から縮地でイザベラの周りに集まるゴブリンを急襲する。


イザベラの周りにはゴブリンが5体………それを一気に剣でねじ伏せる。


あとゴブリンは15体。


ソフィアの方も、3体のゴブリンに苦戦しているような感じ。


イザベラのもとから、俺はソフィアの方に剣を向けてゴブリンを倒していく。


あとゴブリン12体。


その中に大型のゴブリンが一体いる。


こいつが、これだけのゴブリンを引き連れているのか?


俺は、すぐに大型ゴブリンに目標を変えて、縮地で近づこうとしたが、他のゴブリンの動きの方が早かった。


俺が動き出す前より、周辺にいたため、守りにつくゴブリン。


親を守るように、周りに移動したゴブリンを俺は倒していくが、倒しても、倒しても他のゴブリンが集まって守ろうとするが、親のゴブリンが、前方に出てきた。


ゴブリンは非常にたちが悪く、畑を荒らしたりすることや、農作物を食い荒らしたり、女性をさらったりするし、男性もなぶり殺しにしてしまう。


人間も食料になってしまうこともあると聞く。


そこにコリンの魔法がさく裂する。


当たったのは、ゴブリンの親玉。


しかし、大型ゴブリンは、何事もないように立っている。


魔法が弱すぎる………


命中したはいいが、魔力が弱いのか、当たってもケガ一つない。


「グワ〜」

「ゴフッ」

「グァ〜ッ」とゴブリンが泣いたり、叫んだりしているが………


俺は剣で切りつけるのはやめて、離れた位置から、エアバレット真空弾を作る。


俺の周りに無数の矢の形をした氷が浮かぶ。


奴らは親玉を守るように、固まっている。


しかし、その親玉を守るゴブリンも数が少ない。


今は一気にケリをつける時だ。


「はっ」と魔力を込めたエアバレット真空弾が発射された。


全ての攻撃が、目標に飛んでいき、穴を穿うがつ。


大きなゴブリンも例外なく攻撃が当たり、後ろに倒れていく。


ズシンッ


俺もこれだけの戦闘は初めて、それも失敗は許されない状況で息が上がる。


はぁ、はぁ、はぁ、はぁ


片膝を地面について息を整える。


顔から汗が出てくるが、汗を、ぬぐう余裕がないほど、息を整えるのに時間がかかる。


俺の 近くで誰かの足音………


俺は汗をかきながら顔を上げてみると、そこには三人の顔が………


三人とも驚きの顔をしている。


俺はなんとか、立ち上がるが、俺から何も言えることはない………


立って顔を見ることもできないが………俺は下を向いて誰かの言葉を待つ。


あ~、もう、ここで縁が切られるのか?


せっかく言葉を交わすことができたのに………ここまでか?


「あっ、あなた、なによ?」

「どこに、そんな魔法力を秘めていたの?」

「本当にFランク?」


と言う声。


「俺は………」


「俺は?」とイザベラ


「俺は本当に初心者のFランクの初心者です。村にいたころから、魔力が強くなって村で練習していました。でも、あれだけの戦闘は始めてだったので………」


「そう? でも詮索は、これ以上しないわ、それが冒険者としての決まりだから、でも、今回は助けられたわ」とソフィアは手を差し出す。


俺はソフィアの手をとり、握手をすると、その上にイザベラの手が乗せられ、最後にコリンの手が乗せられる


「これからも、頼むわよ、クリス君もパーティーに加わってもらうからね」とソフィア


「あっ、でも、クリスは一番下だからね」


「あっはい、ありがとうございます」となんだかイザベラから変なことを言われたが………


よ、よかった、何も聞かれなくて、なんとか誤魔化す事ができたが女性三人の中でやりづらさもある。


俺たちは倒したゴブリンの魔石を集めている。


魔石が、ゴブリンの討伐の証になるし、それを売る事でお金にもなるから。


それとゴブリンは、右耳だけを取る必要がある。


つまり、右耳を取って証として、魔石は売る必要はない。


まぁ、俺は資金のために、売りたいけど、俺個人で決めれることじゃない。


俺の方に、どれだけの魔石の数が、もらえるようになるのか?



戦って、魔石と耳を取る間に、夜が明けようとしている。


そして魔石と右耳を取ってゴブリンの死体を一か所に集めていく。


ゴブリン討伐が終わったのでイザベラが、村長の家に行ってみる。


門を通り、門番の人にあいさつして、村長は、起きてるのか、確認してもらう。


村長の家の明かりはついていたみたいだけど、もう夜明けが近いこともあって、薄明るい。


たぶんだど、騒ぎで眠れないと思うし、ゴブリンの鳴き声で、不安だったと思う。


大型ゴブリンが大きな声でぎゃ~って鳴いていたから。


村長を連れて、イザベラが戻ってきた。


村長は、朝も明けきらない薄暗い畑に出てきて、蝋燭の火を照らして目を大きく開けて、口も閉まらない。


「こ、こんなものがおったのか?」


ソフィアが「ええ、そうです」


村長が大型ゴブリンの近くに行き、蝋燭の明かりを照らす。


「な、なんと………」


静かになったので、門番に聞いたんだろうけど、村人が集まってきた。


「うわっ、なに、あれっ」

「大きい」

「うわっ、きも」

「なんだ、あれ?


とか、村人が集まりだした。


「全部でゴブリン33匹です。そのうち大型のゴブリンが一体で、親玉と思われます。確認してください」とソフィア


俺はやることがないので、木の根元で座っている。


もう、朝になる………


ソフィアが村長と話しているうちに、朝日が照りだした。


明るくなって朝日が照りだすと、もう少し現状が確かになる。


俺は夜通しだったので、眠くなるが、眠る訳にはいかない。


そこにコリンとイザベラがやってきた。


何も言わずに見下ろすイザベラ、コリンは俺の横に座った。


腰に手を当てて、何か言いたそうにしている。


なんだか、怖いな。


でも、コリンは俺の肩に寄りかかりながら、ウトウトとしている。


そしてなにも言わずにイザベラも少し離れて、座る。


こわ~





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お読みくださりありがとうございます。


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クリスとアリシアの物語をお楽しみください。

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