第5話 二度目の魔物襲来

俺はこん棒で殴られて飛ばされたアリシアを治癒魔法で助けて、その場に置いていても良いか心配したが結界をアリシアの周りにかけて村に急いだ。


村の門を通ると、そこで見た光景は悲惨なもの。


あちらこちらで家が壊され、瓦礫になっている家もある。


あちらこちらで人の死体が転がっている。


子供の死体もある、手や足が千切れている人もいる。


しかし、今は悲しんでいられない。


早くミノタウロスを探さないと………


大きな音がしている方に、ミノタウロスはいると思うから、そっちの方に行ってみる。


でも、こっちの方は俺の家がある方向。


嫌な予感しかしない。


俺がアリシアを村の外に残していることを心配しながら、魔物を探していると、大きな音がしたので、行ってみると、その音はアリシアの家から聞こえてきていた。


アリシアの家に到着したが、扉が、壊されているし、屋根も崩れ落ちている。


注意して瓦礫を踏み越えながら前の前には、ミノタウロスの黒い後ろ姿。


何かを食うような感じ。


「おいっ」とそこらに落ちている瓦礫を拾い上げ投げつける。


俺は、ミノタウロスに気づかせるように瓦礫を投げたんだが、投げた瓦礫は、すごい勢いで飛んでいきミノタウロスの体に穴が開いた。


「えっ?」


ミノタウロスは、ズシンッと音を立てて、床に崩れ落ちる。


俺は床に転がる瓦礫を乗り越えて魔物の横を見ると、そこにはアリシアの母親………


内臓を食い破れて横たわっている。


アリシアの母親の先では父親も死んでいるみたい。


俺はアリシアに、なんていえば良いのかわからない、項垂れながら家からでてくる。


瓦礫の山で項垂れながら出てくる………トボトボ歩いていると自分の家の前を通り過ぎアリシアのもとへ。


村の門を通り過ぎて、アリシアが横たわる地面に倒れこんだ。


あーなんだか、ダルイ………


気持ちがへこんで、もう、どうすれば良いのかわからない………


俺の気持ちが落ち込んでいたのが原因か、わからないがアリシアにかけた結界が消えた。


俺は、アリシアの目覚めを待つこともなく木に寄りかかりながら寝てしまった。


夢の中で、いざなったところは俺の知らない空間………


「あれっ、ここは?」


白一色で誰もない。


キョロキョロしていると男性が現れた。


「えっと、あなたは?」と聞くと男性は、何も言わない。


聞こえなかったのかと思い、すいません、あなたは?と聞き返しても返事なし。


どれくらいの時間が流れたのか、わからないが男性は、最後に、にこっと笑って、踵をかえして消えて行った。


「??????」


疑問に思っている所で「………クリス………クリス、ちょっと目を開けて」と体を揺り動かされて目を開けた。


「あっ、アリシア?」と寝ぼけている


「もう、クリス、しっかりしてよ」


目の前には元気そうなアリシアの姿………


「アリシア、大丈夫?」と聞く。


アリシアは「うん、大丈夫だよ。クリスは?」


「……うん、俺は大丈夫だよ」


アリシアの家族のことが嘘であって欲しいと思う。


「その………アリシア……」


と、アリシアは自分の服の血に気が付いた。


アリシアは自分の体を確かめてみるが理由はわかっていた。


それは以前にもあったから。


「………クリス、ありがとう」と、ぽつり。


「えっ?」


「ううん、なんでもない」


「あのさ、アリシア………」


「えっ?、なに?」


「言いにくいんだけど、アリシアのお父さんとお母さんんが……魔物に………」


「えっ?」


「………」アリシアの顔を見ることができない。


アリシアも呆然としている


「嘘よ、ねぇクリス、嘘って言ってよ」と肩を掴んで揺する。


アリシアの目が村の門に向けられる。


「嘘よね、お父さん、お母さん………」と、つぶやくと走り出す。


走り出すアリシアのあとを追って俺も走り出す。


アリシアを先頭に門をくぐり、少し遅れて俺も門をくぐった。、


アリシアが慌てて一目散に、走っていく。


その姿のあとを追うが、俺は急速に速度を落として歩きだす。


しばらくするとアリシアの声が聞こえる。


「お父さん、お母さん」と泣き叫ぶ声が。


俺がアリシアの家にたどり着くころには、俺の家の両親が出てきていた。


「あー、良かった、クリス、無事だったのね」とお母さん。


「……うん、俺は大丈夫だけど………アリシアの………」としか言えなかった。


俺を家の前に母親は置いて、父親だけがアリシアの家に見に行った。


「これは、ひどいな」と父親は家の前から、様子をみる。





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