第67話  雨の日の報告会7/20(水)

 それから1週間は何事も無く平穏に過ぎた。


 森田さんはご両親に相談して朝は送ってきてもらい、帰りは迎えが難しいのでできるだけ明るいうちにバスで気をつけて帰ることにしたらしい。


 防犯カメラに不審人物が写ることはなかった。指紋はさすが下駄箱、沢山の指紋がありすぎた。下手したら卒業された先輩のものまでありそうでその線は断念した。


 荒らされた花壇の方は華道部が一回の花を生ける活動を見送ってその花代で集め、植え直したらしい。マリーゴールド、サルビアなどありきたりになってしまったと嘆いてはいたが。


 7月20日は昔は海の日だったらしいが、ハッピーマンデー法により今は平日だ。久しぶりの雨で、1週間の進捗の報告に森田さんが理科室2に訪れていた。雨の日は体育館の使用希望が増えるため、今日のバスケ部は筋トレと校内ランで早くすんだなんて言って珍しく細田も現れていた。


「俺、この間、話聞いてびっくりしたよ。平和だとばかり思ってたから。」


と細田が言うと、


「数学班は問題を抱えやすい体質だから常に何かはありますよ。戸村先輩が作った地ですかね。いや、平原元部長もなんか呼びそうな人でしたよね。」


間中は化学班のくせにしたり顔だ。


「ちょっとタチの悪い、犯人からしたら悪戯だったのかのう。」


ストーカ手紙を何通も送ってくると予想していたのであの1通のあと何もないことに私も拍子抜けしていた。


「うーん。美人あるあるかもしれない。気をつけないと勝手に写真撮っても良いとか思われたりするんだよな。で、推しが思う通りに動かないから警告してきたとか?迷惑だよな。」


イケメン細田が言うと説得力があった。


「サドルを持って行くのは気持ち悪いし立派な窃盗だと思うの。行き過ぎ。」


森田さん正しいです。


「今静かだとは言ってもまだ用心はしときましょう。」


そう結論づけた。


「今日ももたもたしないで早く帰ったほうが良いですよね。明るいうちに。」


そう、そんな事を話し合っていた。

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