第37話 メロンパン裁き

「ボブは、坂本先生が故意の切れ込みによって割れたと言っていたんだ。何も幸太朗の名前を報告書に出さなくても良かったのではないか?」


間中に問えば、


「それはその、あの、その。」


さっきまでは私をやり込めていたくせにしどろもどろだ。


「間中が急につまづいてコケるからバランス崩れて、俺ボブ倒した。」


幸太朗が言うと、間中は


「それだと長いので、その『俺ボブ倒した』を書けば『佐田ボブ倒した』になりますよね?」


と急に元気になって答えた。


ギロッと幸太朗は間中を睨んで


「間中がコケたからボブを倒した。」


と言うと、


「私がコケた。とボブを結びつけなくても」


と間中はさらに言う。幸太朗は木刀でドンとまた地面を突いた。間中は


「ヒェッ」


とまた縮こまった。なら言い返さなきゃいいのに。


「要するに自分がコケたことを棚に上げて幸太朗の名前を出したから幸太朗は怒っていると。」


まとめてやると、幸太朗は


「俺を犯人として生徒会に売って如月と仲良くしてた。」


付け足してきた。主人をとられて逆ギレをおこしたとな。


「とりあえず、明日の超特大チョコチップメロンパンで許してやれ。」


手近のメモ用紙に


『私、間中は6/18(金)のお昼に佐田に超特大チョコチップメロンパンをお詫びの品として買って持っていきます。』


と書くと間中に署名させ、立ち合い人として自分の名前を書くと幸太朗に渡した。幸太朗は胸ポケットから生徒手帳を出すと挟んで仕舞い込んだ。


「で、話は代わるが、幸太朗、誰に何を聞かれた?」


学校側が何を問題として動き始めたのか非常に気になった。幸太朗の疑いは晴れたのだろうか。それに今回の数多いトラブル、どこから事件なんだ?

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