第17話  5/31(月)朝から

「ヒナチャン キレイ」


「うん、雛ちゃんきれいだよ」


「コレ ヒナチャン」


「うん、これ雛ちゃんだよ。かわいいね。きれいだね。雛ちゃんはパステルカラーレインボーって言うんだよ。きれいだね。」


「キレイ、カワイイ、」


「あ、だめ、雛ちゃんつついちゃ、どうして?攻撃しないの、あー」


「ダメ、ケイゴダメ」


「鏡に映っているのは雛ちゃんだよ?

 分かった。別の子かと思ってヤキモチやいてるの?圭吾は雛ちゃんのだものねー。よしよし」


「ケイゴ、ヨシコノモノ」


「よしこ?だれ?」


「ケイゴ、ダレ?」


「へ?待って?雛ちゃん、あ、また鏡つついてあーウンチかけちゃ、だめ雛ちゃん」


 聞いてられない会話がまた繰り広げられている。何故あのイケボはインコとまともな会話が出来ると考えているのだろう。


 とりあえずノックだ。


「あー細田、おはよう。あれ?その鏡は?」


 鳥籠の側にリボンをつけたネコで有名なキャラクターの幾分ピンクがあせた大きめのオモチャの鏡が鎮座していた。


「妹がね、雛ちゃんゴメンねって宝物をくれたんだ。可愛くて雛ちゃんにぴったりだろ?」


 細田、お前の妹はもう、中学生では?てかそれを厄介払いと言うのでは?

 など去来する思いを胸に秘め


「で、朝早くからどうした?気になる話とはなんだ?」


 と細田に呼び出された要件を問うてみた。

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