第7話 登校

「あっおはようござ…「きゃっ!!!」


「大丈夫ですか?」

「おはよう…朝から何よ…」

「チカさんの髪が綺麗だったので見惚れてました。」

「え……」


チカは顔を真っ赤に染めた。


「そんなに褒めても何も出ないんだからねっ!!」

「別にボクは見返りなんて求めてないですよ…タダ…」

「タダ、何よ」

「タダですね、チカさんに化粧してあげたいなと思って。」

「チカさんは化粧しませんよね?」

「そうだけど…」


「友達からチカさんのことを聞いたんです。」

「え…それって…」

「虐められていたんですよね。」

「誰に聞いたの?」

「ボクの隣の席の西園寺という方ですよ。」

「西園寺か…中学校の頃からの友人だったのよね。」


「虐められていた理由は可愛くないから…ですよね。ボクならチカさんを可愛くできますっ!」

「わかった。じゃあ私のことをメイクアップして。」

「わかりました。うちの学校は化粧は禁止ではないですけど、一応バレてしまうと怒られる可能性があるので薄くにしますね。」

「わかったわ。」



ーーーーーーーー1時間後ーーーーーーーー



「できました。」

「うそ…これ本当に私?」

「はい。そういえば、チカさん、今日からこれを毎日必ず顔に塗ってください。」

「これは確か…」

「これは母さんの会社で出しているものです。」

「やっぱりそうだったんだ。」

「そうですよ。チカさんはもとがすごくいいので化粧もほとんどしてないです。」


「じゃあなんで1時間も?」

「チカさんに合う髪型を考えていたんですよ。結局そのまま伸ばすのが1番なんですけどね。」

「ありがとう。」

「どういたしまして。では明日から学校一緒に行きませんか?」


「なんで急に?」

「学校同じですし、一緒に学校に行きたいなと思って…ただそれだけです。」

「いいわよ。」

「あっ、ボクは学校では旧姓を名乗っているので兄妹バレは多分ないと思いますよ。」

「わかった。じゃあ明日も髪のセットよろしくね。」

「了解です。」

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