第5話 半同棲 ①

「ただいま帰りました。」

「あなたがミオね。」

「はい。チカさんですよね。ミオです。よろしくお願いします。」

「私はあなたと馴れ合う気はないから、変に絡んでこないで。」



少し機嫌が悪いのか…とも思ったが、これがツンデレだったことをボクはまだ知らない。



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change


私は小峰こみね千香ちか

最近、父親が再婚して、義理の兄ができた。

彼は私の一個上なんだけど…


「変に絡まないで。」


(言っちゃった〜!!彼、すごいイケメンでかっこいいのに、こういう時に変にツンデレが出ちゃった…)




「かっこよかったな…」



「チカさんっ!ご飯できたよー!」


リビングからだろうか、彼の声が聞こえる。



「あら、お父さんとレイさんは?」

「今日は2人でお出かけするって言ってましたよ。」

「で、ご飯を作ったと…」

「はい、お義父さんからチカさんにご飯を作ってあげてた言われたので、作っておきました。」

「それはオムライス?」

「そうですよ。お義父さんがチカさんはオムライスが好きだと聞いていたので、作ってみました。では、ボクは先にお風呂に入りますね。」

「わかったわ。」


ガチャッーーーーー


リビングの扉が閉まった。



「やった!美味しそう!私の好きなオムライス!」


スプーンですくい口に運ぶ。


(うっまーいっ!!何これ美味しすぎるんだけどっ!!!お父さんが作った100000000倍以上うまい!!こんなものが作れていいのか!?彼、イケメンで料理上手で…頭がいいのかわからないけど超ハイスペックじゃない!!)



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change


「お風呂上がりましたよ。オムライスどうでしたか?」

「まあまあね。お父さんほどではないわね。」

「そうでしたか…」


(自信作だったのにな…チカさんはきっと美食家なんだろうな。あのオムライス、先祖代々伝わる作り方っておじいちゃんに教えてもらったやつなのに。)


おじいちゃん…ではなく、ボクの祖父は全てを余裕でこなせるような天才でボクにも色々と教えてくれた。

オムライスは、母がオムライス好きなのを知って何回も作って仕上げた、今では高級なお店でも並ぶ料理。

ちなみに、サッカーや柔道などの習い事も祖父に言われてやり始めました。




「じゃあ、私もお風呂に入ってくるから、絶対に入らないでね。」

「わかりました。洗濯はどうしますか?」

「どうするって?」

「チカさんはボクみたいな男の人に下着とか見られたくはないでしょうと思い…」

「後々めんどくさくなるのはいやだから任せるわ…でも、私の下着で変なこととか妄想するのは禁止よ…」

「はあ…わかりました。」

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