第2話 出会い

「森くん。今日ちょっと話があるから放課後残って。」

「わかりました、でもひとつだけ言いたいことがあるのですが…」

「なによ?」

「あまり、苗字で呼ばないでほしいです。できれば下の名前で呼んでください。」

「わかった、ミオ、今度から呼び捨てするから。」



ーーーーーーーー放課後ーーーーーーーーー


「ミオ、昨日小さな女の子を助けなかった?」

「めぐみちゃんのことですよね?迷子になっていたから助けてあげましたよ。」

「めぐみは私の妹。」

「そうだったんですね。めぐみちゃんによろしく言っといてください」

「でも一つ、めぐみには手を出さないでね。」

「手を出さない…とはどういうことでしょうか?」

「めぐみに変な真似はしないようにってことよ!」

「変な真似って言ったら…エッチなこととかでしょう!」

「えっ………」

「もういいっ!!」


西園寺響は顔を真っ赤に染めながら廊下を走っていった。



ーーーーーーーーー帰宅ーーーーーーーーー



「母さん!ただいまっ!」

「おっミオくんじゃないか!」

「あれ?ケイスケおじさん?」


ケイスケおじさんというのは父がいないボクと母を手伝ってくれている人だ。

小峰こみね啓介けいすけ、それが彼の本名だ。


「久しぶりだな。ミオくん。」

「母さんがいないなんて珍しいですね。」

「レイさんはあともう少しで帰ってくると思うよ。」

レイさん、もりれいはボクの母親のことだ。

女手ひとつでボクのことを育ててくれた。

ケイスケおじさんのおかげか、ボクはほぼ不自由なく生活をしている。


「それでね、レイさんが帰ってきたら、大事な話があるんだ。」

「大事な話…ですか?」

「うん。レイさんとミオくんの今後のことについても関係があるんだ。」

「それって母さんがいないと話せないものなのですか?」

「まぁ、レイさんと僕のことについての話だから、レイさんもいなきゃね…」


(それって…)

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