第20話 新たな狩場を求めて

「狩場を……もぐもぐ……移すべよ」


ベア子がもしゃもしゃ俺を齧りながら、狩場の移動を提案する。

喰うか喋るかどっちかにしろ。

行儀の悪い奴だ。


「わおわおーん」


ポチもその意見には同意の様だった。

何となくニュアンスで分かる。


ポチとベア子、2匹の現在の経験値源は俺だけだ。

この狩場だと2匹はもうほぼ経験値が入らない。

しかも俺からの経験値も、レベル差ペナルティでかなりしょっぱい感じになっている。

新狩場を提案するのも無理はないだろう。


因みにレベルはベア子が43でポチが42だ。

この狩場はコンドル以外も20後半のモンスターが数多く生息し、彼女達はそれを狩りまくってここ迄レベルを伸ばしている。

本当に良い狩場だった。


「じゃあ移動するか」


リポップして答える。

俺はまだまだこの狩場でレベル上げ出来そうだが、獣人系亜人ちゃん彼女化計画を促進する為にも、ポチ達のレベルもしっかり上げて行かなければならないからな。


「んじゃ、出発に備えて少し早いけど今日はもう寝るっぺ。勇人はどうすっぺか?」


「俺も寝るよ」


ベア子の俺に対する態度は最初に比べれば天と地だ。

この狩場に着いた頃はおいとかエサと呼んで、気に入らない事があると直ぐに俺をぶん殴って――即死させられて――いた。

だがどうやらこのひと月でお俺の努力――能力――を認めてくれたのか、最近は大分態度が改まって来た。


呼び名も今ではエサから勇人に変わっている。


どうやらベア子はツンデレだった様だ。

但し俺はこいつが不細工だと思っているので、不細工がツンデレぶってんじゃねぇと思わなくも無い。


が、俺がそう思い込んでいるだけで、実は獣人化すると美人の可能性もワンチャンある。

だから俺はその可能性を信じ、ベア子もガールフレンド候補に入れる事にした。


ボインボインの美人。

頼むよ、ほんと。


え?承諾?

取ってる訳ないじゃん。

事後承諾って奴さ!


「……」


ベア子とポチは、寝る為に寄り添って丸まる。

2体とも図体はでかいが、寝姿はかなり可愛らしいものだ。


3P……そんな不埒な妄想を浮かべながら俺も眠りに就いた。


良い夢が見れそうだ。

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