第64話 酒好きの星
頭が痛い。
二日酔いよ。
腹立たしかったとはいえ、飲みすぎたわ。
ヨノオワリダ星は神の力で作り直した。
今は、みんな仲良く平和に暮らしているわ。
もう変態科学者が出ないと良いわね。
そして、また管理する星を変更することになったのよ。
今度は、アルサケという星を管理するのことになったのよ。
コーンカツ星とよく似ている星で、人間も住んでいるわ。
文明レベルも同じくらいよ。
他の詳しい情報は、天使たちが調査中よ。
さて、この星では、何が起こっているのかな?
また変な人間がいないと良いけど……
「神様ー!」
マイケルが、やって来たようね。
「報告します。この星は平和でしたよ」
「それは怪しいわね。どんな星だったの?」
「そうッスね。普通の星でしたよ。特徴といえば、主要産業が酒造りってくらいッスね」
「お酒!?」
「はい。この星の人間たちは酒好きみたいッスね。よく飲んでいますよ」
「な、なんだってーー!!素晴らしいわ!この星の人間たちは良い人間ね!!」
「いやいや、それだけでは決まらないッスよ。後、これが報告書ッス」
「ありがとう」
マイケルは、ああ言っていたけど、私は素晴らしい人間たちだと思うわ。
お酒が好きな者に、悪い者はいないわ!!
多分。
え?
そこに酒好きの邪神がいるだろって、ツッコまれた気がするわ。
気のせいよね?
気のせいということにしましょう。
さて、報告書を読んでみましょうか。
この星の人間たちは善良な人間が多い。
趣味はお酒を飲むこと。
主要産業は酒造りで、世界各地で様々な酒が製造されている。
酒と関連商品の売り上げが、非常に好調なため景気は良い。
男女の仲は良好。
少子化の兆候はない。
アルサケ破壊爆弾を作り出せる程の技術はない。
なるほど、素晴らしい星ね!
次は、人間の世界を見てみましょうか。
世界各地で様々な種類の、お酒が売っているわね。
どれも美味しそうね。
ジョッキやグラスといった関連商品も充実しているわ。
酒場も、たくさんある。
より取り見取りね。
うん、素晴らしい!
素晴らしすぎる星ね!!
私も飲みたくなってきたわ!!
え?
いつも飲んでいるだろって、ツッコまれた気がするわ。
気のせい?
まあ、良いか。
観察は以上で終了ね。
本当に平和な良い星ね。
ここでは何も問題が起きそうにないみたいね。
ちょっと早いけど、今日のお仕事は、これで終了ね。
決して、いろいろなお酒を見てしまって、飲みたくなったというわけではない。
問題が起きなさそうだからよ。
本当よ!
さあ、飲みに行きましょうか!!
「マイケル~。飲みに行くわよ!!」
「了解ッス!天使のみんなにも声をかけて来ますね!」
「お願いね」
次の日。
人間は全滅した。
急性アルコール中毒が原因である。
「なんじゃこりゃーーー!!!」
なんで人間たちが死んでいるの!?
どうしてこんなことに!?
「神様、原因が分かりました!」
「いったいなんなの!?」
「昨日、新発売されたお酒のせいッス!すごく美味しくてアルコール度数が高いみたいッス!みんなそれを飲んで急性アルコール中毒になったみたいッス!」
「ええ!?」
何をやっているのよ!?
お酒を飲みすぎちゃダメでしょ!
え?
お前が言うなって、ツッコまれた気がするわ。
気のせい?
私は良いのよ。
神(見習い)だし。
急性アルコール中毒なんて、ならないのだから。
は!
こ、これは殺気!!
いつの間にか私のそばに、いつもの鬼がいた。
あぁ、私の死因は上司に殴られすぎたことね。
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