第53話 偽物だけど本物と同じ
頭が痛い……
二日酔いね。
精神的な意味でもあるのよ。
肉体と精神への、ダブルパンチセットね。
お値段は、なんとたっぷりの心労よ。
わぁ、全然お得じゃないわ。
さっさと返品しましょうね。
それにしても、腹立たしい。
平和だと思ってたら、全滅の要因がありやがったなんて。
ちくしょう!人間どもめ!!
私の期待を裏切りやがって!
ああ、もう、なんて腹立たしいの!!
でも、今日も仕事しなければならない。
気持ちを切り替えて、がんばりましょう。
ちなみに、キストッボ星は神の力で、元に戻しておいた。
ボウソーバクハーエンジンは、完全に破壊したけどね。
そのせいで、ダイバクハー2の発表会は中止になった。
バクツ社は、大損害を被ったみたいね。
まあ、爆発して全滅するよりは良いでしょ。
そもそも爆発するような、欠陥品を作るのが悪いわけだし。
あ、そうだ、ボウソーバクハーエンジンの欠陥の存在をどうにかしないといけないわ。
神の力で、製作者が自然な感じで、気付くようにしておきましょう。
これでもう爆発はしないでしょう。
多分。
さて、これから何をしましょうか。
念のために、人間の世界を調査しましょうか。
まだ全滅の要因があるとマズいからね。
それでは、始めましょうか。
ん?またロボットを使ったイベントをやっているみたいね。
今回のは、ロボットの対戦か。
新型のロボットも出るみたいね。
せっかくだし、ちょっと見てみましょうか。
あ、ちょうど新型のロボットが戦っているわ。
黒を基調としたカラーリングの、スーパーロボットって感じのロボットね。
存在感のある重厚なフォルムね。
ダークヒーローって感じで、なかなかカッコイイわね。
あれ?このロボット、ごく最近、どこかで見たことがあるような?
このロボットの名前は、超・ダイバクハー2!?
は!?
どういうこと!?
これって、色が違うけど、ダイバクハー2じゃないの!?
なんで、こんなのがあるのよ!?
いや、ちょっと待てよ。
名前と外見が似ているだけかもしれない。
偶然ネーミングセンスや、外見の好みの傾向が、似ている人間がいて、その人間が偶然作ったのかもしれない。
……無理がある。
偶然が重なりすぎている。
こんなの、ものすごく怪しい、怪しすぎる。
嫌な予感がしてきたわ。
ちょっと調べてみましょうか。
え?あのロボットには、ボウソーバクハーエンジンが搭載されている!?
バクツ社から、エンジンのデータを盗んで作っちゃったの!?
もちろん、欠陥もそのまま残っている!?
な、なんてことなの!?
ということは、このままだと超・ダイバクハツする!?
すぐに対戦を止めさせないと……
次の瞬間。
人間は全滅した。
ボウソーバクハーエンジンの複製品が暴走し、爆発したからである。
この爆発でキストッボ星も消えてなくなった。
「なんで、こんなことになるのよーーー!!!」
ボウソーバクハーエンジンが、ひそかに複製されていたとか知るかー!!
バクツ社は何やってんのよ!?
データを盗まれるな!
セキュリティ対策しっかりしろ!!
っていうか、責任を負えーー!!
おのれ!人間どもめ!!
ええい!もうこうなったら、今日も自棄酒よ!!
こんなの飲まなきゃ、やってられないわ!!
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