十二月八日 かんけり 上
空木先生へ
約束を守れなくて、ごめんなさい。お使いを早くすればよかったです。会えなくて、とても残念でした。
本当は、会って言いたかったけど、言えなかったのでここに書きます。
先生が言ったようにお話を聞いたおかげで、井の川くんが缶けりに誘ってくれました。月曜日の放課後です。がんばって缶けりをやってみます。
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鈴宮さんへ
気にしないでくださいね。家のお手伝いはとても大切なことです。
家族にやぶれまんじゅうを持って帰るととてもよろこばれました。杏の入った最中もおいしかったので二個も食べてしまいました。またすぐにお店にうかがわせていただきますね。
お話を聞くゆうきを持った鈴宮さんだからこそ、缶けりができるようになったと思います。また、感想を聞かせてくださいね。
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昼休みの終わりに書き終えた空木は顔をほころばせた。
杏自身は気付いていないだろうが、質問で会話の始まりを書かなくとも会話ができるようになっている。少なく、固かった文も増え、生き生きとしてきた。
空木は今日は会議があるから参加できないが、今度は自分も缶けりをしてもいいかもしれない。いや、参加しようと密かに決心した。
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