第2話 名前

まぁなんやかんやあって俺は渋々女の子が居候することを認めた。居候?そういやあのときはそのつもりじゃなかったな。

俺「いいか!?一晩泊まったら帰れよ!」


女の子「なぁなぁ蒸しパンある?」

そういいながら少女は棚を漁る。

俺(マジか聞いてねぇ…)

俺「はぁ…冷蔵庫にあるよ。」


女の子「なぁ、食っていいか?食っていいよな?」

少女は妙に目を輝かせて言う。

俺「賞味期限今日までだから別に全部食ってもいいぞ。」


女の子「ニャハハ!やったぁ!」

そう言うと少女は蒸しパンをすごく美味しそうに食べ始めた。

俺(すごいうまそうに食うな。)

女の子「急ににやにやしてどうしたよ?(モグモグ)」

俺「いや、すごいうまそうに食うなぁと思って。」

女の子「当然だ!蒸しパンはワタシの大好物だからな!!」

俺「あぁ…」

そのとき俺は思った。

(好物も俺と全然違うじゃねぇか!!)と。


女の子はすぐに蒸しパン7個を平らげた。

俺(食欲すげぇな…)


女の子「ふぅー。食べた食べた。」

俺は女の子を見て急に疑問がいくつか浮かぶ。


俺「なぁ、お前何か呼びやすい名前とか無いのか?」

女の子「だから言ったろ。ワタシの名前は瀬戸消影。お前と同じだ。」

俺「そう言えばそうだったな。」

俺「じゃあせっかくだから俺がお前の名前勝手に決めるよ。」

女の子「わかった。ださい名前だけはやめろよ?」

俺「わかってるよ。えーっと包んである蒸しパンをすぐに平らげたから…」

俺「包蒸!包蒸とかどうだ?包むって言う字に蒸す。」

女の子「いいなそれ!ニャハハ!包蒸か!気に入った!これからは瀬戸 包蒸で名乗るっ!」


俺「瀬戸は変えないんだな…」


包蒸「いいだろ?べつに。」

こうして多少強引ながら包蒸の名前が決まったのである。

だがこの時は名前をつけた程度であんな面倒なことになると思わなかったのである。

その話はまた別の機会に…

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