第63話 賭け
目を覚ましたルイが使うお湯を頼むため、客間を出たわたしは、二階の廊下、父様の執務室を過ぎた突き当たりで執事のファビアンがぼんやり立っているのを見つけて彼を捕まえた。
突き当たりの壁には、ルイがフォート家と繋いだはずの扉が埋め込まれている。
興味はあるけれど、ルイのお湯と軽食の手配について伝えるのが先とファビアンに頼んだ。
「すぐにご用意しましょう」
「お願いね。ところでなにをしていたの?」
「なにということは……ただ、つくづく魔術とは不思議なものだと」
少し曲がった背を伸ばすように、扉を上から下まで眺め下ろしてファビアンは下顎に伸びる白い髭を撫でる。
彼の言葉はもっともだった。
どこからどう見ても、廊下の突き当たりの壁に扉が埋め込まれているだけ。
塗り直した壁の漆喰がまだ乾き切っていないような壁と扉を、わたしも彼と一緒に眺める。
「もう繋がっているのよね?」
「はい。お嬢様?」
ファビアンの返事に、半信半疑、恐る恐るわたしは扉に手を伸ばしてユニ家の廊下側に開くようになっている扉を開こうとしてたけれど、開かなかった。
「あ、あれ?」
「おお、まさしく説明通り」
「え?」
「いよいよもって魔術は不思議です」
感嘆の声を上げたファビアンの言葉の意味が掴めず瞬きしたわたしに、彼は、“登録”していない者にとってはただ壁に埋め込まれた扉でしかないそうでと説明した。
そういえば、決まった人しか行き来できないようなことを言っていた気がする。
「ルイ様が目覚めたばかりと仰るなら、お嬢様はまだ“登録”してはおりませんよね」
「登録? ええ……どういうものかわからないから、たぶん」
「ユニ家ではひとまず旦那様とこのファビアンだけとのことです。ですから……」
ファビアンがそう言って扉に手をかければ、かちゃりと音を立て扉が開いた。
見慣れた壁の色にもっとよく見ようとしたところで、ぱたりとファビアンが扉を閉める。
「どうして閉めちゃうの? もう少し開いて見せてくれても……」
「魔術もですが、王族に匹敵するような公爵家のお屋敷へこんなにも簡単に出入りできると思うと、空恐ろしゅうございまして」
「ああ、それは……そうよね」
「はい」
我が家は領主家ではあるけれど、爵位のない平民階級の家。
代々の付き合いがあるモンフォールの城館にだって出向くとなれば、父様の御用のお伴に連れられるのでも余所ゆきの服に着替えて、毎回お行儀良くしているんだぞなんて言われながら向かう場所だった。
子供のわたしは本当にごく限られた部屋にしか通されなかったし、大抵、モンフォールの下女か小間使いが子守役に一人付いてお庭で父様を待っていた。
モンフォールよりも高位の公爵様のお屋敷なんて、庭に入るのだって本来なら恐れ多い。わたしはもちろん、父様だって、普通ならおそらく一生、その姿も拝むこともないような雲の上の存在なのだから。
それがなんの手続きも儀礼も不要で、扉を開けてはいどうぞなんて、父様に仕えているファビアンにとっては震え上がるようなことだ。
「あちらの家令のフェリシアン様との連絡役だそうで」
同じ使用人同士なのに敬称が付いている。
もうだいぶ歳を取っているのに、そこまで震え上がるような思いをさせてごめんなさいと心の中でファビアンに謝った。
「フェリシアンさん、温和でいい人だから大丈夫よ」
それくらいのことしか言えないわたしに、目をしょぼしょぼとさせてファビアンはルイ様をお待たせしていけませんから失礼いたしますと、階下へ降りていった。
わたしもファビアンに頼むことは頼んだしと、フォート家に繋がる扉に背を向けて自分の部屋に戻ろうとして、ふと父様の執務室の前で足を止める。
「契約……」
一瞬頭を過ったその言葉に、糸口をつかんだ気がして額に手を当てて執務室の扉に刻まれた四角を描く装飾の線を見詰める。
ルイは、表向きの体面上と魔術的なものも含んだ契約と二重にわたしを絡めとって結婚へと追い込んだ。
体面上のこととしては、誕生祭で王様をはじめ国中の有力者をその証人とした求婚。そして婚約者としての振る舞い、身分差解消のための養子縁組。
魔術的なものも含んだ契約としては、あの騙し討ちのような古のしきたりによる婚約の契約。そして婚約で結婚するに問題はないとなったことで、大聖堂での婚儀による婚姻の契約を結んだ。
「考えると、本当にどうしてそこまでして……いや、いまはそこじゃなくて。なんだろうなにかがちょっと引っかかって……」
――あなたとわたしの言葉はこの通り、この結晶に記録しました。
「そうだ……」
契約魔術って書面を作って署名を入れて行うものじゃないの?
でも、ルイは魔術的にも立派な契約と言っていた。
契約魔術でなくても、なにかしらの強制力を持つ取り交わしとして。
わたしがそれで泣きついた時、王妃様もそれを覆すことは厳しいと仰った。
あらためて父様の執務室の扉を眺め、その堅い一枚板を三度叩く。
入室を許す父様の声が聞こえて扉を開けて、なんだどうしたと呟いた父様に黙ったまま机の前まで近づくと、わたしの様子を
「あの……父様に聞きたいことがあるのだけど」
「なんだ?」
「契約魔術以外に、魔術的な意味を含む契約ってどんなものがあるのかなって――」
*****
雲の影が見えない濃紺の夜空に銀色の丸い月が輝いている。
月の光に照らされて、庭の木々や柵、伸び盛りの草や花々がくっきりと青黒い影絵となって見えた。遠く山の麓の斜面に作られた段々畑の影まで区別がつくほど、夜なのに明るい。
ルイへの気持ちを今更ながら自覚して、ぐずぐずと思い悩んでいたところをお祖母様に叱咤された。これまでの自分の振る舞いをあれこれ振り返って恥入ったり、ルイの過去やその気持ちを考えて思い悩んだりしていたけれど、ただ悶々としていても前には進めない。
『庭の東側のベンチにいます。十一刻の時になったら来てください』
夕食前にオルガに食事が済んだら渡してほしいと彼宛の伝言を入れた封筒を預け、半刻程前に夕食を終えてから一人そっと外に出て、庭の隅のベンチに座っている。
彼が伝言通りに来てくれないと困るけれど、同時に来ないでほしい気持ちがあるのも否定できない。緊張で呼吸が浅くなっているのに何度も気がついては、深呼吸を繰り返す。
「もう呼び出しているのに、往生際の悪い」
それに、我ながらなんて一方的な伝言なのと落ち込みそうになる。
どんな用件とも書かずして、あの慎重なルイがその通り応じてくれるだろうか。
彼は時計を持っているし、ユニ家の一階にも時計はある。
時間を違えることはない。
来るなら時間通りに現れるはず、けれど半刻は彼があれこれ考えを巡らせるには十分過ぎる時間だ……もっと直前に渡してもらうように頼めばよかった、でもそれだと来てくれないかもとまたあれこれ考えてしまう。
今日一番の深くて重いため息を更新して、自分の部屋に戻ってしまいたい衝動を何度も抑えながら、ルイへの申し入れの言葉を頭の中で何度も何度も繰り返す。
失敗したらと思うと怖い。
昼間、父様の執務室を訪ねて、魔術的な意味を含む契約について聞いたわたしに、一体どうしてそんな事を突然聞いてきたのかと父様は大いに怪しんだ。
『ええと、ほ、ほらっ……ルイは魔術師で、わたしは魔術師と結婚したわけでしょ? それにこれから貴族社会に出ていくことになるし、貴族にとっては基本的な魔術の知識は必須教養ってルイから聞いて……だから』
『だから?』
『だからっ、えっと、その……万一、そうっ、万一! わたしが不用意になにか彼に迷惑をかけるようなことをしてはいけないでしょ? 例えば、言葉巧みに誘導されて魔術的な拘束力を持つようなことを口頭で結んじゃうなんてことって……あるのかし、ら……って』
じっとりとした目つきで睨むような父様の眼差しに、ふとそんなこと思っちゃってとへらりと笑って見せると、しばらくなにか考えるような間を置いて父様は口を開いた。
『つまり書面をもって交わす正式な契約魔術や、婚姻のような公的な結びつきを保護するようなこと以外でということか。例えば、お前が彼と結んだ婚約のような』
『……』
『ただそういった付き合いをする期間を持つことにしただけではないだろう? 既成事実はあるとはいえ、王宮内で正式に婚約を彼が発表したわけでもないのに、縁談に抵抗していたお前が婚約していることは認めても、儂には隠そうとしていたくらいなのだから』
父様の言葉に、あっとわたしは声を上げる。
たしかに、王宮でルイはわたしと婚約したとして婚約者として振る舞いはしたけれど、彼の立場から正式な発表は行っていない。
ルイと私の間であの契約がなかったら、彼が勝手に言っていると否定しようと思えばできた。
『まさか……お前、いま気がついたのか?』
『あ……はい』
『お前は自分の事にはどれだけ鈍い娘なんだ……。正式な契約魔術でなくても、魔術的な拘束力を持つ取り交わしとなるものはある。詳しく話してみなさい』
流石、父様。
すべてお見通しだ……と、わたしは観念して彼との婚約の経緯を話した。
『どのみち彼の求婚をお前が後から断るのは難しかったとはいえ、随分とまた念入りに……』
わたしの話を聞いた父様はそう言って眉間に手を当てて首を振ると、それは申し入れだなと言った。
『申し入れ?』
『わかりやすく言えば、ごく簡易的な契約魔術だ』
公的にも魔術的にも拘束力を持つけれど、正式な契約魔術と異なる点としては、申し出る側が先に代償とするものを提示すること。効力の範囲は最初に提示する内容一つに限られること。
そのため相手の同意さえ取れれば結べ、破った際も降りかかる罰は軽いもので済む。
申し出る側に負荷がかかるため、あまり使われないらしい。
『お前にそれほど負荷はかけず拘束するためだろう。契約魔術くらいしか知らない者にとっては十分な脅しにもなるからな……まったく結果的に良い縁談だからいいものの人の娘に』
ぼやく父様の言葉を聞きながら、悪徳魔術師……とわたしも呟いてしまった。
父様の言葉通り、まさに破ったら大変な目に合うと思い込んでいた。
『だが、知っている者にとっては誠意やそれだけ本気であることを示す面もある。申し入れの段階で拒否されたら話は終わりだ。提示したことは二度と結べない。好意的に捉えるならそれだけお前に本気だったということだ……成立要件としては三つ――』
「対象の名前、なにを行うかその内容、そして代償……」
その三つが揃い、相手が同意すれば、申し入れは適う。
その中身や形式はどのようでも申し入れでは問題ない、当事者の間でよしとするのなら。
父様の説明を反芻しながら、王様の誕生祭で求婚された後にバルコニーで交わした言葉を思い出す。
――マリーベル・ユニ。
――ならば、古いしきたりに従って四十日間の婚約期間をもうけましょう。
――それで婚姻に支障があると認められるようなことがあるのなら、潔くあなたを諦めます。
ただの、婚約の申し出に思えるしその通りだけれど、ルイにはフォート家の“祝福”があった。
フォート家の当主はただ一人を選ぶ。
わたしを選んだというのなら、それを諦めることはもう誰も選ばないということだ。潔くわたしを諦めるという言葉は、代償に成り得た。
それにあの時、わたしがあの申し出を断っていたら彼は二度とわたしと婚約は結べない。
もし、あの拘束がなかったら。わたしは婚約なんてしていないとして、もっとなりふり構わず彼から逃げたはずだ。
――あなた以外に誰がいるんですっ、ルイ・メナージュ・ヴァンサン・ラ・フォート!
――よろしい、言いましたね。
その後、支障となるものを一つ一つ、彼は潰していった。
「嵌められたような形だったけれど、わたしはちゃんと受けて立ったわ」
申し入れて、応じないとされたらそこで終了。
なんでも先回りして相手を牽制するルイを相手に上手くいくだろうか。
正直、賭けに近いかもしれない。
中途半端に不発で終わったら、ますます拗れかねない。
けれど、わたしに思いつくのはそれくらいしかない。
「今度はあなたに、わたしの申し入れを受けてもらうんだから……」
――これは魔術的にも立派な契約ですよ、マリーベル。
あなたの求婚と申し入れで始まったのだから。
わたしの返答と申し入れで決着をつけてやる。
*****
月の位置がかなり高くなってきた。
そろそろ時間のはずだ。
「ああ、やっぱりルイがわたしの呼び出しに応じませんように……って来ますよね、呼び出されたら……」
ユニ家の屋敷から出てきて、わたしのいる庭の東の隅のベンチへと近づいてくる黒い人影に、諦めてため息を吐く。
もう腹を括るしかない。
遠目にはドルー家の庭木みたいに三角の形に見えた、魔術師のローブを
その優美な姿が月明かりにはっきりと、青黒い影から変化していく様を眺めながらわたしは肩を落とす。
本当に……月の光が明るい。
ベンチに腰掛けているわたしまであと数歩といったところまでやってきたいまでは、ルイの顔もはっきりと見える。
「どうしました? こんな時間にこんな場所まで来てくれなどと。しかも書面で」
「その、お話ししたいことがありまして」
「貴女一体いつからここに? 西部は温暖とはいえユニ領は北寄りです。この時間に外に長くいては冷えますよ。話なら客間で……」
「あああっ、いいのここで! ここでお願いしますっ!」
わたしがなにか思惑を持って呼び出したことなど、百も承知のはずだ。
それなのにそんなこととはまるで思っていないかのように、ごく普通に接し、そして場所を移そうと誘導してきたルイの言葉を慌ててわたしは遮った。
わたしの勢いに訝しむように首を傾げたルイを見上げて、ベンチから立ち上がると彼に一歩近づく。
「お願いがあって、あなたに」
「なんですか」
「その……きちんとしたくて」
「なにを?」
わたしの言葉に、彼が青味がかった灰色の目をわずかに細める。
これ以上、ぐずぐずとまどろっこしい言葉を重ねるわけにはいかない。
とはいえ、率直に伝えるにはやや勇気がいるし恥ずかしさもある。
「マリーベル?」
明らかに和らいだルイの声音に懐柔の気配を感じて、わたしはすっと息を吸って努めて冷静に淡々と彼に告げた。
「あなたの、求婚の返事を――」
努めて冷静に淡々と……声に出して告げたつもりだったけれど、ほとんど吐息といっていいほどに掠れてしまった。
わたしの前に佇むルイの様子は、穏やかな表情も含めて変化はない。
それなのに、まるでぱたんとそれまで開いていた戸を閉ざすかの如く、ルイが警戒に身構えるのが何故かわかって気が焦る。
「どうしてまた急にそんなことを?」
「ず、ずっと気にかかってはいたの……でもっ、自分の中でなかなかはっきり言葉に出来ないでいて、そのっ、以前から言っているけれど、あなたのこと嫌ではないの……嫌ではないけれど」
「嫌でないのなら、無理に答えようとしなくて構いません。これまで通りでも私はなんら……」
「だめっ!」
わたしがまたルイの言葉を遮ったのに、いよいよ彼が本格的に身構えたのがわかった。
彼自身、わかっているのかいないのか。
眼差しが完全に隙を見せない貴族のそれになっている。
「マリーベル」
それでいてわたしの名を紡ぐその声音は、こちらが少し切なさを覚えるほどの甘さを含んだ低く柔らかな声で……けれどわたしは知っている。
なんの構えもなくわたしの名を呼ぶ時の彼の声は、もっとずっと、引き寄せるような響きを含んでいる。
「だって……」
「ん?」
「だって、あなたはわたしの心はわたしのものだと言うけれど、最初からわたしがあなたを好きになる前提でしかなにもかも進めてない」
「……マリーベル」
「“祝福”のことがあったからっていまならわかる。だけど……後からそんなの……どんなに配慮してくれたって平民から公爵なのよ……少なくとも……結婚に関してはわたしの意志も人生もあなたは尊重してはくれなかった……っ」
納得いかない、そう伝えたことはある。
けれどもその納得いかなさを、ここまではっきりと言葉にして伝えたことはない。
一瞬、眉間に皺を刻みはしたけれどそれ以上の変化を見せることはなく、けれどいつもみたいにルイはわたしを言いくるめようともしなかった。
わたしの気持ちがルイに傾いた形に結果的になればよい彼にとっては、きっとあまり触れて欲しくはない部分で、だからこそ誤魔化すようなことも言えないはずだった。
だって彼は、嘘は吐けない。
しばらく押し黙っていたルイだったけれど、深く息を吐くと彼らしくもない荒っぽさで自らの銀色の髪をぐしゃりと掴んで後ろへ流す。
「当たり前です。気持ちを寄せておいて、相手に断らせる方向性なんて持たせるわけがない。申し訳ありませんが貴女のそのお願いは承諾しかねます」
やっぱりこうなる――。
けれどルイがここであっさり承諾したら、身勝手極まりないけれどきっと悲しくなる。
彼はこうと決めたら、必ず自分の思う方向へと物事を進めようとする。
それを手放すことは、わたしがどうであっても別に構わないか、それこそわたしの心をねじ曲げてもよしとするかだ。
これはわたしの我儘だ。
ルイは、わたしが彼のことが好きであることもわかっている。
自分の気持ちを直視するのを避けて、散々ルイに反発して逃げ回ってきたのはわたしで、それを棚に上げて、わたしを信じて尊重して委ねてほしいと言っている。
最初に蔑ろにしたのはそっちなのだからと、半ば脅すように。
ルイの、人を散々振り回しておきながら、それでも彼を好きで側にいることを望んでほしい、しかしいざという時は別れる警戒心も持ち続けてほしいといった我儘も、なかなかひどいものだけれど。
お互いに譲れない。
わたしはルイに流されて、
あなたが選ばせたりそうしたのじゃなくて、わたしが選んでそうするのだとわかってほしい。
お互い、要件が揃えば別れることを前提にして、日々を積み上げていくことなんてしたくない。
「……なら、お願いじゃなければ?」
「マリーベル?」
ぎゅっと、わたしは胸元で両手を握りしめて俯いた。
これからルイに持ちかける言葉に、不安でいっぱいだった。
乗ってくれるだろうか、すぐさま応じないと明言されたらこの話は終わってしまう。
「お願いじゃなく、わたしが……あなたに、ルイ・メナージュ・ヴァンサン・ラ・フォートに、あなたがわたしに行った求婚にきちんと答えるため、代……」
「マリーベルっ」
回りくどいわたしの言い回しにはっと息をのんで、今度はルイが強い口調でわたしの言葉を遮った。
「一体なにを!? これは立派な……」
魔術的に拘束力を持つ申し入れだと、口にするのを寸前で彼は避けた。
わたしがわかって持ちかけたのではなく、偶然要件が揃っただけと流そうと考えたのを察して、申し入れですとルイの言葉の続きを言えば、彼の眉間にくっと力が入るのをわたしは見た。
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