5話 それでも私達の日々はながれる。

それから1週間後。

結局私たちは2人とも完治することはなかった。しかし、それでも前よりかはマシになっていた。

2人で協力して生活習慣を改善したり、睡眠時間を増やしたりしたおかげで、少しずつではあるが改善されていたのだ。

特に、お漏らしについてはあの日以降はたまにしかすることはなかった。きっと精神的に成長したからだろう。

そうして時は流れ、3年生になって数ヶ月経った頃。

私と妹はいつものように登校している時のことだった。


「ねえ、ゆめりんまた失敗してるよw」

「マジウケるんだけどwww」


私達が通っている高校では私達のことは有名で、姉妹揃ってのおねしょ癖ということでクラスではネタにされることが多かった。もちろんいじめなどは一切ないが、みんな私たちのことを笑って楽しんでいた。


「ちょっと待った」

突然後ろから声をかけられた。振り返るとそこには以前、おねしょを治したいと言っていたクラスメイトがいた。


「どうしたの?」

「藍菜も姫子もあんなことあったのに元気だけどどうして? 私……実はまだ週に2回はおねしょしててたまにだけど、お漏らしもしちゃうの。二人はお漏らしはあれ以来してないけどどうしてなの?」

「私達はね、おねしょを治すために色々努力をしたんだよ。まず夜更かしをやめて規則正しい生活を心がけたり、他にもたくさんね。でも一番大事なのは気持ちの問題だってことが分かったんだよ。だからもうおねしょなんか気にしないことにしたの」

「そっか……。そうだよね、いつまでも引きずっても仕方ないしね。よし、じゃあ私の方から二人に相談があるんだけどいいかな?」

「相談? 別にいいけど」

「実は私、最近彼氏ができてさ」

「えっ!?」


まさかの展開だった。こんなにも可愛いといってもまさか彼氏がいるとは思わなかった。


「それでね、その、やっぱりおねしょとかお漏らしばっかりしてたら振られそうな気がするの。だから、その、お願い! 私と一緒におねしょも克服しない?」

「でも、どうやって?」

「それは、その、寝る前にトイレに行く回数を増やすっていう方法しかないと思う……」

「まあ、それ以外には思いつかないもんね……」


確かにそれしか方法は無さそうだった。

こうして私達は三人で一緒におねしょやお漏らしを克服しようと約束した。

そして月日が流れ卒業式を迎えた。

私達は無事に卒業することができたのだが、結局私達三人のうち一人もおねしょやお漏らしは治らなかった。

しかし、それと引き換えに私達は立派な女性へと成長できたと思う。


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藍菜と夢子のお漏らしとおねしょな日々 @kalula

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