4話 保健室での相談
「失礼します」
「あら、あなたたちは」
「あの、私、おねしょが治らないんですけど何かいい方法はありますか?」
「うーん。まずは夜更かしをやめて規則正しい生活をすることかな」
「やっぱりそれが基本ですよね。それともう一つあるんですけど、実は私たち、その、学校でお漏らしをしちゃって、それで、それも治らないかもって心配なんです」
「えっ、どういうこと? 詳しく聞かせてくれる?」
私たちは今朝の出来事を話した。
「なるほどね。あなたたちの事情はよく分かったわ。まあ、おねしょに関しては薬で何とかできるかもしれないけど、お漏らしの方は気の持ちようでしか無いと思うわ。気にしすぎないのが一番よ」
「でも、それじゃあ他のお漏らししてる人と同じになってしまうんじゃ……」
「確かに同じにはなるかもね。でも、あなたたちはまだ高校生だから良いんじゃないかしら? 大学生や大人になったらそういうわけにもいかないでしょうし、今は甘えても良いと思うわよ。あとお漏らしに関してだけど、多分ストレスが原因だと思うわ。よく眠れば自然に治るとは思うけれど、不安なら精神安定剤を出しておくわね」
「はい、ありがとうございます」
こうして私たちは一旦家に帰ることにした。
家に帰ってからも、お風呂に入っても、ベッドに入ってからも、おねしょのことばかり考えていた。
「明日は大丈夫かな」
「お姉ちゃん、気にしすぎだよ。先生も言ってたし気にしないのが一番だよ」「わかってる。ごめんね変なこと言っちゃって」
翌日。やっぱり私はおねしょをしていた。
妹の夢子も同じようにやはりしていた。
私はともかく夢子まで二日連続でするなんて。昨日のことで相当ショックだったんだろうなぁ。
「えへへ。何だか私ももうお姉ちゃんのこと言えないね。前まできつくしてごめんね」
夢子はそう言っているがやはり恥ずかしそうだった。私は夢子に優しく声をかける。
「もう謝ることは無いよ。これから一緒に頑張ろ?」
「うん! 私頑張って治すよ!」
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