2話 夢子もおねしょ!?

「それじゃあおやすみなさい!」

「お休み」

私たちは自分の部屋で眠りについた。ちなみに姉妹は寝室は同じ部屋だ。

その日の夜中のことだった。

私は突然目が覚めた。

(トイレ行きたい)

時計を見るとまだ3時だった。

隣では妹がスヤスヤと眠っている。

私は妹の頭を撫でた。

すると、


「ふぇ、おしっこ〜」


と寝言が聞こえる。

だがそれと同時に何と妹のパジャマの股間には黄色い染みが出来る。

何と妹はおねしょをしてしまったのだ。私は急いで部屋の電気をつける。


「夢子起きて!!!」

「どうしたのおねえちゃん!?」


夢子が目を擦りながらこちらを見る。

そして自分のパジャマを見て唖然とする。


「夢子、とりあえず着替えようか」

「うん……」


妹は急いで濡れた服を脱ぐ。


「どうしたの? まさか夢子までおねしょするなんて?」

「違うよ」

「え?」

「多分だけど、これは偶然じゃないんだ」

「どういうこと?」

「実は昨日お父さんの後輩の人が来て、私たち2人の今後のことについて話してくれたんだけどね」

「うん」

「その時に聞いたんだ。『君たちはこのままだと一生おねしょが治らない可能性が高い』って。私も実はおねしょは完全には治ってなかったんだ」

「そんな……」

「それでね、もしこのまま一生おねしょが治らなかったら、私達どっちも恋愛すらまともに出来ないかもって思ったんだ」

「確かにそれは嫌だね」

「だから、今日から毎晩作戦会議しよう!」

「賛成!」


それから2人で考えた結果、毎日朝早くに起きることにした。

理由は、まず1つ目の理由としては、夜中にトイレに行く回数を減らすため。

2つ目は、夜中に何度もトイレに行ってしまうことで睡眠不足になるのを防ぐためである。

こうして、私たちの作戦が始まった。


「それじゃあ、おやすみ」

「お休み」


次の日の朝、いつもより30分ほど早い時間にアラームが鳴る。


「うわぁ、眠い」


私はあくびをしながら目覚ましを止める。

しかし私のパジャマはこれまでと同様だった。

やっぱりおねしょしちゃっていた。

私は気を取り直して布団から出て、手洗い場に向かう。


「お姉ちゃんおはよう」

「うん、おはよ」

「あれ? お姉ちゃん今起きたばっかり?」

「うん」

「そっか。お姉ちゃん、また失敗してたんだね」

「うん……」

「私も失敗してるから、気にしないでね」

「うん、ありがとう」


私たちは朝食を食べ終えると、身支度をして学校に向かった。

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