第5話 背中を押されて

その夜。

実家に彼と共に泊まった。


彼は枕が変わってもゆっくりと寝れる様で、枕に頭をつけた途端、彼は深い眠りについた。。


ーーえ?もう??


私は久しぶりの実家に帰ってきているせいか、少し緊張しているのか?

なかなか寝付けずにいた。

しばらくして、階段をゆっくりと下りる。

なるべく足音を立てないように、そっと。。


やっとの想いで居間についた時、母は温かいお茶を飲んでいた。


「ーー彼、どーゆー人なの?」


無愛想な顔で母が言った。


「公務員として働いてるの。だから給料は安定してるーーただ......」


私は言葉を濁した。。


「少し変わった趣味があるようね??」


母が言った。


「ーーそこ以外は優しくてとてもステキな人なんだけど......」


私は答える。

母は黙ってそれを聞いていた。


「後はあなたがそれを認めるつもりなら、結婚したらいい。ーーあなたが選んだ人だもの。私は何も言わない」


母が言った。

母の真意はわからないが、少しだけ見放されているようで、寂しい気持ちになってしまう。


「ーーガンバレ」


父がようやく口を開いた。

昔から言葉が足りない父だけど、少しだけ背中を押された様な気がする。


「ーー私たちはあなたの味方よ。。何かあればまた家に帰ってきなさい!」


母がにこやかに笑った。


「うん!ありがとう」

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