第4話 食事会

私の両親と私と彼で、食事会をする事になっている。。


「ーー初めまして。今は僕、楓さんとお付き合いさせてもらっています。浜崎孝と言います。よろしくお願いします!」


「こちらこそ、娘をよろしくお願いしますね」


母がニッコリと笑って言った。

好印象なのだろうか?


フッと孝の顔を見た時、不意に私は吹き出してしまった。


ーーついてる。


私は彼の耳元でそうささやいた。


なぜならば、彼の顔には化粧品がついていたのだ。

付き合い出して2年、私は彼にそんな趣味がある事など知らなかった。


女装、メイク。

彼にはそんな趣味があったのだ。


驚いてしまった。

しかし、今更、離れる訳にもいかないだろう。。付き合い始めて、もう二年が経っている。


彼はこれまで私のいない時間に、私の化粧品を使って、メイクしたりドレスアップしたりしていたらしい。


それも、昨夜、打ち明けられた。。

でも、もう彼を好きになっちゃったのだから仕方ない。。



ーー私たち、結婚します。


私はようやく、彼の変な趣味も受け入れて、覚悟を決めたのだった。

結婚しても、彼も女装して楽しく過ごせれば、二人にはそれだけで良かった。。

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