第3話:爆誕 、ただし。

ふわふわと気持ち悪い浮遊感に襲われて、目を覚ますと俺はミチルという女神の膝元で目が覚めた。


「セツナ、、、大丈夫ですか?。」


「女神か?。」


「えぇ、どうやら、アポロンは失敗したようですね。」


「いや、実は俺の体に奴の残滓があるらしくて、このままだと乗っ取られる可能性があるからって最高神が転生を進めてきた。新しい体なら取られないから。」


「でも、、おかしいです。」


「何が?。」


「転生してしまったら元の世界には帰れません。地球からこちらの世界に所属が変わると言いますか、魂の結び付きが変わってしまうので、、」


「自分で作るか、方法を探すしか俺に帰る方法ないと言われた。俺が来た方法がレアケースらしくて。」


「帰る方法を作るなんて、人間には無理ですよ。時空の壁を破れるのは神の中でも極わずかで、神が世界で行動する場合は神から人へ転生し、死んで戻ってくるという方法しか取れないんですから。現に今はこの世界には4人の神がこの世界な転生し、奴と戦おうとしています。そして、他の同郷の方達はゼウス様が承認なされた英雄召喚で召喚されたのです。本来ならセツナも呼ばれる筈でしたが、呼ばれる前に奴があなたをこの世界に引っ張りこんだので、神の力では元の世界に返せないんです。」


「その状態だったら、帰せるのはアイツだけで、今は俺が見つけるか作るしかない訳だ。」


「はい。そして、帰れる確率はゼロに近いと言うことです。」


「でも、出来ないことはないんでしょ?。」


「出来ないことはありませんが、出来ないと思います。」


「神様だからさ、そういうのは分かってても黙っててもらわないと悲しくなるじゃん。」


「ごめんなさい。でも、、私は見た事があるんです。とある女神に呪われて、全てを失って、、元の世界に帰れば取り戻せると思い込んで帰れずに絶望に沈んだ人を。」


「あーでもさ、俺は転生したんだから上方修正が掛かってるから行けるかもしれない。だから、応援して。」


「えぇ、」


笑顔で頼むと女神は渋い表情を浮かべて頷いて、俺は体を起こすとミチルを抱き上げた。


「ちょ、え、、何してるんですか?。」


「いつまでもここに居られないから、街に行こう。」


「私なら歩けますよ。」


「いや、飛ぶんだよ。」


「人間は飛べません。翼も無いし、飛行魔法は人間には使えないんです。」


「どうして?。」


「人間は魔法が使えるのが少ないからで、空間魔法を極めなければ空を飛ぶ事は出来ません。それで空を飛んだら目立ちます。もしかして、アポロンの光の翼を使おうとしているなら辞めた方がいいですよ。アポロンだって最初に使えた、、訳じゃ。」


俺はニヤッと笑うとアポロンとは違う青い光の翼を出すと、ゆっくりと羽ばたいて浮いて見せた。


「嘘、、、どうして使えるんですか?。いくら転生したとしても簡単に使えないのに。」


「イメージが大事だよね。それに俺の居た所では外を眺めればカラスが多くて、それをイメージしながらやれば比較的に簡単かも。」


と俺はそのまま、空へと上がると森が広がり、その先に城が奥にあり、城塞に覆われた大きな街が視界に入って向かって、街の中で降りようと考えていると顔を掴まれて、目を合わされた。


「何やってるんですか?。街の外で降りてください。」


「なんで?。」


「目立つからですよ。貴方は目立ちたいんですか?。」


「別に目立ちたくないけど、、そっちの方が楽じゃない?。」


「目立ったら、動きづらくなるのは考えなくても分かるはずです。」


「はいはい。」


街の外に降りて、ミチルを降ろすとミチルはコギツネに姿をかけて俺の体をよじ登って右肩に座った。


『こちらの方が神力を消費しないので、2人以外の時はこの姿でやらせていただきます。』


「わかった。」


自分の身なりは特に変わった様子は無い事を確認して門に歩いて行くと門を守る兵士が俺を見るなり、驚きながら、眠そうな相方のケツを蹴り飛ばして背筋を伸ばしてしっかりと立った。


「ん?。」


その違和感に俺は兵士の顔をマジマジと見つめると反射する兵士と胸当てに自分が映る。顔も髪色も変わって無いのを確認して、ホッと一息と思った矢先、瞳の色が黒からダークブルーに変わっていて、髪色も日に当たると金色を見えた気がして思わず兵士に話しかけた。


「俺の髪色は何色?。」


「は、はい。金色であります。」


「黒ではなく?。」


「す、すいません。黒ですが、金色に見える時もあります。」


「そう、、、ここは通れるんだよね?。」


「はい。もちろんでございます。」


「わかった。」


俺は首を傾げながら、街に入ると


『あまり怖がらせては行けませんよ。セツナ。』


「全然、怖がらせてないけど。」


『貴方は神気を纏っているんです。神気は同じ人間でも恐怖を与えてしまいます。人間よりも遥かに上の存在なので、、』


「どうしてそうなった?。」


『神気は全ての力の中で最上位に入る部類です。それを扱えれば神とも渡り合えます。貴方のこれからを憂いて、ゼウス様が扱えるようにしてくれたのでしょう。抑える方法は息を吸って、5秒留めてから息を吐き切ってください。そうすれば、体内に神気を溜めることが出来ます。』


言われた通りにすると何かが吸い込まれていくような感覚を感じて、俺は頷くとミチルは肩の上で横になった。


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