第2話:神々

 『ごめんなさい、貴方を巻き込みました。』


「何度も謝るな、事情を話してくれ。あいつの正体についても。」


『あれは私が封印していた悪神です。今はほとんどの力を失って残滓のようなものですが、脅威であることは間違いありません。私も力を失っていて、貴方と契約する事で存在を維持しているのでこの姿ですが元は女神だったものです。』


「契約?。じゃあ、俺がこんな所に居るのはあいつのせいだと?。」


『はい。ですから、私の残されている力を使って、天使を呼ぼうと思います。』


「待てよ、そんな事したらヤバいんじゃないのか?。」


『でも、貴方に償わなければなりません。出なければ、この世界で生きていくのは容易ではありませんから。』


とほほ笑んだような感じがして、俺は止めようとすると光を纏った金髪のイケメンが現れて、俺に手を伸ばした。俺はコギツネを腕に抱きながら手を伸ばすと起こしてもらうと俺の前に座って、俺の頭を撫でた。


『あ、アポロン?。どうして、貴方がこの世界に?。』


「やぁ、ミチル。僕は暇な天界から出てきたんだけど、、おかしな事が起きてたからさ。寄ってみたんだけど、大変そうだね。この子も君とあれの戦いに巻き込まれちゃって可哀想。」


『だから、私の残されたちか「それで、あいつをこの子に戦わせるの?。勇者の選定は最上位の神の話し合いでのみ決められるのに、それを破るつもり?。」』


『この子に私は償わなければなりません。貴方のような色ボケし、気分で人の子を害す神に言われたくないです。』


「あいかわらず、クソ真面目。なら、僕がこの子にギフトを与えるよ。君にも神気を分けてあげるから悪神については動くのはもう少し待ってて、父上に知らせておくから。」


と撫でられている手のひらから熱い何かが入り込んでくるとそれが心地よくて、身を委ねると途中でまの抜けた声が聞こえて、俺は目を開けると裸の美女が俺の膝の上にまたがっていて、たわわに実ったメロンの双丘にくぎ付けになった。


「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「へぼぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


頬に女神の拳が突き刺さり、地面にめり込んだ。その瞬間、俺は初めて死を認識した。


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「あーあ、殺しちゃったよ。自分で見せた癖に、、」


「そんな、っ、、、アポロン、早く、、蘇生してください。」


「はいはい、生き返れー。」


と手を向けると潰れた顔は時を戻し、修復すると少年は神々ですら暴けなかった太古の女神の胸に顔を埋めた。


「あ、でもさ、死んだ人間を生き返らせる事って禁止されていたよね?。父上もこれだけは守れと言っていたのを思い出したんだけど、」


「それは通常な場合です。貴方は学ばずに女遊びばかりして知らないでしょうけど、あなたのような上級神には生き返らせる権利が3回あるんです。だから問題ありません。」


「でも、今回は君が殺して、別の神が復活させたんだよ。それに当てはまらないんじゃないの?」


その刹那、空から白い閃光が大地に降臨し、白髪の少女が姿を現すとミチルから奪い去り、天へと上がって行った。


「あれは、父上?。でも、どうして女の姿に?。」


「アポロン、貴方のお父上である神は性別なんてないわ。元は女の身で女を可愛がっていたと言われていて、今の姿になったのは神々の王になる為だったのだから。」


「じゃあ、不味い。人の子が転生させられちゃうかもしれない。僕が止めてくる。」


アポロンは光の翼を生み出し、羽ばたくと天へと上がり、ミチルは大きく溜め息を吐いた。


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「う、うーん。」


少し息苦しさを覚えながらも目を開けようとすると、誰かの手が両目を塞ぐ。


「このまま、話を聞きなさい。」


「女の人?。誰?。」


「私はゼウス。神の王だ。君に謝らなければならない。君は不幸にも死に、神に蘇生されたが、、君は死ななければならない。でも、安心して欲しい。私がしっかりと転生させる。望みもあれば極力、その望みに沿わせて貰う。」


「い、いや、待ってくれ。俺は元の世界に帰りたいんだ。転生なんてしてる時間はないんだ、」


「だが、君は悪神に体を奪われた上に死んでしまった。ここで転生しなければ君は輪廻転生の輪から外れ、奴の思い通りになってしまう。奴は君を解放したと見せかけ、育った肉体を奪うつもりだ。簡単に言えば君の中には奴の残滓が残っている。銃もやつの力で顕現させているんだ。だから、、君に残された方法は転生して、その肉体で元の世界に帰る事だ。」


「じゃあ、元の世界に返してくれるのか?。」


「それはできない。」


「なんで?。」


「君は他の連中と違って来た方法が特殊なんだ。本来なら神の力で簡単に戻せるが、君の場合は自力で帰る方法を見つける又は作らなければならない。加えて、そんな事をすれば君は狙われる。だから、、もしこのままの肉体で活動すれば、、君はあと一歩のところで目的を達成出来ずに終わり、育ちきった君の肉体を手に入れた奴は我々と全面戦争を起こす。」


「くっ、、、」


「だから、私が君の力になる。君が帰れるように転生するんだ。それにここは地球が存在する次元よりも上だから、なんのボーナスも生まれない。ただ、この世界の特性として、女が強くなるという1点のみで、男にとってはとても辛い世界だ。だから、私が転生をさせることでこの世界でのボーナスや私からの支援を受けて、、奴と対峙しても負けないようにしてあげるんだ。」


「何もかも変わったら、帰っても意味が無いんじゃないか?。」


「いや、転生したとしても私に不可能はない。しっかりと調整できるから君は何が欲しいかをイメージしてくれ。それを感じながら君を転生させる。」


「わかっ「待って、待ってくれ。」」


寝かされているテーブルの反対側にアポロンが現れて、俺を抱き抱えようとするとゼウスはそれを防いで、アポロンを睨みつける。


「何しに来た?。」


「父、、母上。この子は間違って死んだ。転生なんてダメだよ。それだと僕が困る。」


「この子の体には奴の力が残っている転生させなければ、いくら、お前やミチルの力を持っていても、最終的に取られてしまうだけだ。それなら私が自ら創造して転生させる。お前達の力を肉体から移してな。そうすれば、この子の願いは叶えられる。全ての未来がそうなるとなっているのにこのままでは、神として人の子に申し訳が立たない。」


「だからって、転、、、、え、最高神自ら、、創造するの?。」


「そうだ。2回目となるが、、今回は例外中の例外だ。わかったら下がっていろ。では、、セツナくん。イメージをし続けていてくれ。次に目を覚ましたら君は転生体になっているから。」

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