間奏 レクイエム ESTA MEMORI


テツと過ごしたあの時間。ボクには夢のような時間だった。


ボクが識るハズのなかった世界をテツがつなげてくれた。


普通であれば、子供の頃に体験したであろうことをテツは、ほぼ全てボクに教えてくれた。


いろんな、季節のイベント。

お正月の初詣、2月の豆まき、3月のひな祭り…。年中、毎月1回は何かしらのイベントがあるということ。


学校というところで習うこともテツが教えてくれたんだ。


『スポンジみたいだな』


とテツはよく言ってた。わずかな間に文字を覚え、数を識り……。

文字や数を識ったことにより、連鎖的に知識が深まってく。


ただの『モノ』『ケモノ』であったボクはあのおばあちゃんにより少しだけ人間に近づいた。テツにより更に人間へと進化できた。


ボクはテツとわかれた丘の上にいる。

テツが好きだった桜の咲く丘。


ココでボクは新たな決意をする。








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