第14話 衝撃の事実
ボーリングと言うものをした。
次々に全部倒していく、テツ。
ボクのは全部、横の溝に吸込まれていく。
「倒した数が多いほうが勝ちだが逆にするか?」
「うるさい!次は絶対に倒すから」
やっぱり、溝。なんかあるはずだ。
「ボール変えて!」
無理やり奪うが、重いっ!
「怪我するでぇ」
……などなど、たくさんのことをして帰ってきた。
「疲れた。愉しかった」
2人とも風呂は終わってる。
そのまま、床に大の字で寝てる。
「また、行くか?」
「行きたいっ!」
また、行こうな、と呟いたテツはなんとなく寂しそうにみえた。
「どうしたの?」
聞いていいのか分からないけれどとりあえず聞いてみた。
テツはう〜んと言ったまま、しばらく天井を睨んでいた。
今度はボクに背中を向けて。
「まあ、ちょい聞いてくれ」
と話し始めた。
妃那汰(ヒナタ)と言う娘がいた。
歳はボクと同じくらいかな。
もうすぐ4歳になるとき、ショッピングモールで行方不明になった。
「カミさんがトイレに行っててな、俺は娘と鬼ごっこしてた。ほんの一瞬さね、消えちまった」
どこを探してもいない。
店内全部、モニターにも映ってなかった。
すぐに見つかるって思ってた。
娘には左の首元から脇にかけて特徴的なアザがあったから。
でも、みつからなかった。
少しずつ、奥さんがおかしくなってきたらしい。今は施設で静かに暮らしている、と。
「娘は寮にいて色々と忙しいってことにしてる」
ボクにも同じような場所に変なアザがある。ヘビみたいなヤツ。
絶対に人には見せたく、ない。
「歳は同じくらいだかな。オマエは男だしな……」
テツは寝返りをうち、ボクと目があう。
「……男、だよな」
「女だよ」
「……マジか」
小さく呟いて頭を抱えた…。
ボクは追い打ちをかけるように背中を向け、服を静かに脱ぐ。
テツが息を飲むのが分かる。
「昇り竜にサクラ。娘と同じだ。でも……」
似ているが何かが違う。
記憶違いか……。
混乱状態のテツの目から涙が落ちる。
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