04.頭を撫でられると泣いてしまう死神
「告死天使様、私にも死をください」
「私にも」
「俺にも」
「僕にも」
大変だ、城内の人々が僕にみんな近づこうとする、怖い。
「皆の者、クイル様の力は分かったと思うが、みんなに一気にその力を使ったらクイル様が死んでしまう」
力うんぬん以前に知らない人に取り囲まれたら
しかし、何故か何を誤解しているのかシオン王子がちょっと頬を赤らめているのが気になるけど、申し訳ないBL展開はノーセンキューでござる。
「おい、お前ら告死天使様を脅かすヤツは俺がぶっ殺す!!」
そして、何故か
「シオン殿下、早く告死天使様を別室へ」
「ああ、ありがとうスオウ。クイル様、こちらへ」
今にも僕に飛び掛かりそうな人々を制して、シオンさんと
「怯えさせてしまってすまない。この世界の者にとって「死」とは恵みなのです、祝福なのです。だから貴方の力は我々にとって喉から手が出るほど欲していたものなのです、だから誰もが皆、貴方に救いを求めてしまう」
「あ、あの……」
「でも、安心しろ。告死天使様のことは俺が必ず守る、あんたは俺の死の恩人だからな」
スオウさんが、さっきの怖い顔ではなく、むしろ物凄い笑顔で僕に跪いている。多分これあれだ、臣下の礼ってヤツだね。前にアニメでみたことある。
しかし、スオウさんのような筋肉の権化に跪かれる日が来るなんて、ここは綺麗で強い女戦士が良かったという願望はとりあえずおいておいて、その手をとる。この人滅茶苦茶強そうだから味方ならすごく心強い。まぁ、まだ
「あっ、ありがとうございます……」
震えながら答えたら、スオウさんが僕の頭を撫でた。その瞬間、僕は泣いてしまった。それは怖かったとかではなくって……
(田吾作さんのこと思い出した……)
その様子に何か勘違いしたように、スオウさんが焦る。
「どうして泣くんだ。何か俺が気に障ることしちまったか?」
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