03.狂戦士さんとの相性は最悪そう
「そうかい、落とすなら堕とせばいい。もう俺に怖いものなんかねぇよ」
そう悪態をついた、バーサーカー、つまり狂戦士っぽい体格の良い男の人、そうだなイメージ的はまさにかの有名な狂戦士の方くらいにバキバキの筋肉と傷を持っている。竜殺しとか使いそうな感じの男らしいの一言で表現できるタイプの人だ。
こんな人に凄まれたら、慢性的な人間と接していないタイプの
何度も言うけれど僕はマンボウくらい繊細なのである。なんせ人生イズ引きこもり、ノー引きこもり、ノーライフな僕である。
そんな
しかし、何故か彼を見た瞬間から変な感覚がしていた。
「あ、あの……」
それを確かめるために声をかける。しかし聞こえていないみたいだ。
「あ、あのっ……」
「ああん??声が小さすぎて聞こえねぇ」
(ダメだ、完全に僕はこの人が苦手だ。無理だ)
心がポッキリ折れたのでこのまま色々スルーしようと思った、思ったのに……。
「の、呪われてるんですか??」
「……なぜそれが分かった??」
そう言って、
「えっと、見えました。その傷から黒いものが……」
「……」
黒いもの、それはまるで蟲のように蠢いていて正直見ていて気持ちが良いものじゃない。けれど、何故か僕はそれに触れていた。……そして、
「震えて眠れ!!」
あ、完全に中二病のセリフだ。ヤバイ僕痛い子だ。けれど何故か頭にそれが浮かんでそのまま、口にしてしまった瞬間、紫色の明らかにあんまりよい感じがしない光が
(ひぃっ、ガチで異世界チートついてたんじゃねぇ、ヤバイ、どうなるんだ??)
しかし、予想に反してその光はすぐに消えて、
「呪いが……とけた??」
そう言って、
(なんぞ!!いきなり
切り替えが色々早すぎて怖い。しかしそれを見ていた、シオン王子がいつの間にか僕の側まで来ていた。
「素晴らしい。クイル様、やはり貴方は偉大なる告死天使様だ。貴方は彼に死の祝福を与えた」
「えっ、呪いはとけたっぽいですが、それがどうして……」
意味が分からなくて慌てた僕に、
「俺の受けていた呪いは死のない体にのみかかるものだ。それは永遠に傷が膿、痛み続けるという恐ろしいもの、けれどその傷が治ったということは俺は死を手に入れたということだ。つまり、お前、いや貴方様は本物の告死天使様だ」
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