#04.5. 暗魔の行方

 「おーい、アケミ?もう、制服に着替えたか?そろそろ、出るぞ」

 「はーい。あとリボンつけるだけだから、もう少し待って」


 今日は「俺」と助手のアケミと一緒に入学することになった高校の入学式だ。今、「俺」は玄関のところでアケミが制服に着替え、1階へと降りてくるところを待ってるところだ。普段はアケミと同居していないのだが、昨日アケミに協力して貰わないといけなかったことがあったので、昨日はアケミを泊めてあげたのだ。



 それからスマホを触りながら数分待ってると、後ろから誰かが階段を降りてきてる音が聞こえてきた。


 「お待たせ、誠也せいや

 「やっと来たか。それと、学校ではその名前で呼ぶなよ!?」


 「俺」は柔らかい口調でアケミに注意を促した。すると自分の発言に気づいたのか、アケミは「あ」と声を上げていた。


 「ごめん。次からは気を付ける。外や学校では誠也のことを◯◯って呼べば良いんだよね?」

 「そう。俺もアケミのことを△△って呼ぶから。それと、学校での俺たちの関係は幼馴染設定な」

 「了解」

 「じゃあ、行くぞ。忘れ物は無いな?」

 「うん」


 「俺」は忘れ物がないか最終確認をしてスマホをカバンにしまうと、玄関の扉を開け、少し早歩きでアケミと一緒に新しい高校へと向かった。

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