第6話
「お帰りなさい」
「只今戻りました。母上お加減はいかがですか?」
「ええ ありがとう ソフィアが側にいてくれるお陰でかなりいいわよ ありがとうソフィア」
「いえ 私は側に付いているだけで 何も お屋敷の方々が動いていらっしゃるだけで ホントに何も致しておりません」
「ソフィア 側にいてもらえるだけで 私は嬉しいわ」
母上 俺がいない間にソフィアって……
さんが抜けてる……仕事行かなきゃ良かった……
「マシュ―様 あの……」
耳まで真っ赤になってうつむき加減のソフィアが俺の名前を呼んでくれた
それを見た俺も多分真っ赤になってる
それを見た 母はニヤリ
「なっ……何だ?困った事があったら何でも言ってくれ」
「い 、いえ、困った事ではなく お礼を申し上げたくて この様なドレス アクセサリーまで ありがとうございます」
その時初めて服の方に意識がいった
ソフィアの銀糸の髪より濃いグレーのドレスにソフィアの目のいろと同じアメジストのアクセサリー 髪を結わえている金具には俺の瞳と同じ装飾
「よく似合っている 女性に贈るのは母上以外に初めてでよく分からなかったのだが うん よく似合っている」
綺麗だよって そこまでは言えなかった
「ありがとうございます でもこんな高価な贈り物は……」
「いや 母上の看病をお願いしているのだから 当たり前だよ 気にしないで欲しい」
「そうよ マシュ―はお金を使う事が無かったから 気にしないで貰ってちょうだい」
「でもそれでは貰いすぎます 何か出来ることはありませんか?」
「それでは……王宮で舞踏会があるのは 知っているかい?」
頑張れ俺 いい流れ
「はい 通知の方が伯爵家にも来ておりましたので存じております」
私も行きたいって お義母様に伝えたもの…でもダメって言われたし…
「そう 知っているなら その舞踏会に一緒に 俺に エ、エ、
(がんばるのよマシュ―!エスコートでしょ!)
エスコートさせてもらえないだろうか?」
言えた!頑張ったぜ!
「マシュ―様にエスコートしていただいてですか?」
そんな 舞踏会には行きたいけど 会ったばっかりのマシュ―様に……ご迷惑よ
「そんな…ご迷惑…」
「いや これは俺がお願いしているのだ 本当は母上にお願いするしかなかったのだが 母上がいつ動けるか分からないので ソフィア殿にお願いなのだ」
お願いか……こんなにしていただいてるのに お断りするのは悪いのかも
「分かりました 私で良ければ お受け致します」頭を下げると
マシュ―と母同時のガッツポ―ズ
ひょいと頭をあげると
何事も無かったように
「では ソフィア当日は思いっきりおしゃれに!セバスチャン!」
ギ―ッ
セバスチャン登場
母はグ―をして親指を思いっきりたててセバスチャンに見せる
セバスチャンは一瞬目を見張り
同じ親指を思いっきりたててニヤリ
「奥様!」
「セバスチャン ソフィアがマシュ―と舞踏会に出るので 当日は思いっきりおしゃれに ピカピカに 淑女に頼むわ 存分にやってちょうだい!」
「かしこまりました!誰もがマシュ―様を羨む様なソフィア様にさせていただきます」ダブルニヤリ
「御夕飯の用意が整いましてございます
皆様の分を こちらにお運びしても宜しいですか?」
「そうだ 母上 俺もソフィア殿も一緒に宜しいですか?」
「まぁ 嬉しいわ!セバスチャン こちらに全部運んで頂戴」
「かしこまりました」
「ダリア 一度お屋敷にセバスチャンさんに報告にいくわね」
「えぇ お願いするわね あとこんなことするから伝えといて………」
「分かった!ふふふ 思い知ればいいわ じゃ 伝えたらすぐ戻る」
「いってらっしゃい ふふふ」
コンコン
「マ―ガレットか?」
「はい ご報告に戻りました」
「入れ」
ギ―ッ
パタン
「どうだ?」
「はい ソフィア様 本当におかわいそうで……使用人の扱いで しかもあのバカ親子3人を相手に 食事も服も本当に最低限しか 休みもなく それでも 文句なく働いておられたようです グスン」
「お可哀想に それでダリアからはないのか?」
「あります!実はバカ親子も舞踏会に行くのですがその時に……と実行すると伝えて欲しいともうしておりました」
「了解した 思う存分やるが良い!ふふふ」
「ふふふ」
「もどったわ」
「セバスチャンさん 何て言ってた?」
「思う存分やればいいですって」
「ではやりますか!マ―ガレットは ネズミさんと小鳥さんに……………伝えてね あとワンちゃんに………ヨロシクね!」
「わかったわ!あの子達絶対協力してくれるわ!楽しみね!」
「ふふふ じゃ明日もこき使われるから 寝るわよ」
「そうね お休み」
「お休み」
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