第3話

「見た目より 痛いのだな よし」

「?」

マシュ―は ソフィアをお姫様抱っこする

「キャ!」

「どうした?」

「い いえ あ あ あの………」

ワンワンワン!(ソフィアを抱っこしてる 悪い人じゃないみたいだけど)

「降ろしていただいても…自分で歩けるので…」

「立てないのに 歩けないだろう ここからだと俺の家のほうが近いからな このまま帰るぞ」

「ニヤニヤ かしこまりました―!ニヤニヤ」

「い 家?」

「いくぞ」

ワン!(見届けて 一度報告に戻らなきゃ)

ぱからぱから




「今戻った!母上~ははうえ~~!」

「お帰り……なさいませ!」

「キャ―若様が~~~」

「キャ――――!」

「うるさいぞ!」

「奥様!奥様!若様が女性の……若い娘さんを連れてご帰宅です!お早くお出でくださいませ!」

バターン!

「なんですって――――!セバスチャン 本当なの?」

「はい 若様が……わかさまが………グスン」

「セバスチャン 泣くのは早いわ その涙は結婚式の時まで流しちゃダメよ…ニコ」

「そう…そうでございますね 私としたことが

まだ、で ございますね」



「母上―!来て下さい―!」

「さぁ セバスチャン行くわよ」

「はい 奥様」


階段を降りていくと マシュ―ちゃんが 若い娘さんを お姫様抱っこしてる~~~~!キャア!

やるわね 結構な衝撃よ!


「母上 申し訳ありません 母上の癒しの力を貸していただきたいのです」

「マシュ―ちゃん お帰りなさい この方は?」

「先ほどまで 街の見廻りをしていたのですが

ひったくりにこの娘が遭いまして 丁度その場におりましたので 怪我をしている様子なので

母上に癒してもらったほうが良いかと思いつれて参りました」

「まぁ!大丈夫?あら かなり酷い挫きかたをしているわね 分かったわ」


マシュ―に馬にのりながら抱っこされ 意識を喪いかけのソフィア 今度は大きなお屋敷に連れてこられ そこの奥様に治療を受ける様子に 慌てて

「あの 降ろしていただいても?」真っ赤な耳たぶが奥様 セバスチャンに確認される 二人ともニヤニヤ


「あぁ そうだな こちらの椅子でよいですか?

母上」

「えぇ マシュ―ちゃんのベッドでもよろしくてよ ニヤニヤ」

「奥様 ニヤニヤが声になっておりますよ こっそり思うだけになさらないと ニヤニヤ」

「セバスチャンあなたもよ 声にでていますわよ」

「これは ハハハ奥様失礼いたしました」


「母上 お願いいたします」

「あ あの!このような事をしていただく訳にはまいりません 痛みもだいぶ治まりましたし…」

「遠慮は要りませんよ これも騎士団のやくめですものね?マシュ―」

「そうですね 困っている者を放っていくわけにはまいりません お願いします母上」

「えぇ ヒ―ル」

手をかざしていると 暖かい光が周りを明るくしていく

「あ!痛みが……痛みがなくなりました!ありがとうございます!奥様も騎士様も ありがとうございます!」

「良かったわ 痛かったんでしょう?無理をする子ね」

「母上ありがとうございます」

「これで うちに帰れます ありがとうございます!」

「あら もう帰っちゃうの?」

「お世話になったのに……申し訳ありません」

そう言ってソフィアは貴族のお辞儀をした


ン?セバスチャンと奥様は顔を動かさずに アイコンタクト 頷きながら

「そのお辞儀をなさるってことは 貴女は身分をお持ちなのかしら?」

「名前をまだ言っておりませんでしたわ

ソフィア-アンバ―と申します」

もう一度お辞儀をする

ん?ん?ん!


「アンバ―家 アンバ―伯爵家かしら?」

「はい ご存知でしょうか?」

「知ってるもなにも 建国以来の貴族ですわよ

その様に古い貴族は 片手で数えるほどしか残っておりませんわ アンバ―家と言えば……」

めぐるめぐるよ 奥様とセバスチャンは二人で隅に固まり

「奥様 私どもの調べでは アンバ―伯爵の後添いの家族が 先妻の一人娘を使用人の様にこき使っていると……」

「では あの子ね」

「はい間違いなく お名前もソフィア様で合っております」

「アンバ―伯爵は何をしているのかしら ではセバスチャン 私は倒れますわよ」

「かしこまりました 侍女を2名ほどアンバ―家に派遣いたします 同時に内情も確認させます

奥様は何時まで寝込まれますでしょうか?」

「そうねぇ 明後日の朝までにしましょうか フフフ看病はソフィアちゃんに」

「かしこまりました」


「あっ ふらふら」

「母上?」

マシュ―が母親を支える

「大丈夫ですか?」

「ちょっと久しぶりに癒しの力を使ったからかしら」

「無理をさせてしまい 申し訳ありません」

ソフィアが立ち上がり駆け寄る

「奥様 大丈夫ですか?私のために申し訳ございません!どうすれば………」

それを見たセバスチャンは

「奥様はお休みになられたほうが よろしいですね ソフィア様 申し訳ございませんが奥様の看病をお願いしても?」

「もちろんです 私でよろしければ…ただ家に帰らねばいけないのですが……」

「そちらは 此方の方から侍女を向かわせます ご安心ください」

「そんな ご迷惑をお掛けするわけにはまいりません」

「あぁ!頭が痛い 気がする……」

「奥様!」

すがり付き心配そうにみるソフィア

「さぁ 奥様を寝室に……ささソフィア様もご一緒に」

「わかりました 奥様大丈夫ですか?私でよければ側に居させて下さい」

「ソフィアちゃん…やさしいのね…」


二階に運ばれた奥様の側についていくソフィア

それを見送ったセバスチャン

「誰かいないか」

「はい ここに」

「ダリアか マ―ガレットと共にアンバ―家に行ってきてくれ 明後日の朝に帰ってくれば良い

内情を探るとともに 後添え家族の手伝いを頼むな 好きにやってよい」

「かしこまりました」

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