第83話 らいと・おぶ・ほ~ぷ

「食べるんですかね~ゾンビ、僕、ゾンビって生態系では人間を捕食するので上に位置するものだと思ってました」

 小太郎、すました顔はしているが、実際は河童がゾンビを喰うのか?興味津々なのである。

「うむ、小太郎会長、あのゾンビが食われたら次は我々の番ということになるのだが」

「あらっ、そうとも限りませんわよ、死肉は食べないかもしれませんわ」

「先生思うのよ~、ゾンビって死肉って言うのかしら?」

「おっ手哲学的だな~俺も参戦するぜ、その無駄な論議、結論の出ない論議は大好物‼」

 夏男が嬉しそう。

 そう彼は、とにかく時間を無駄に過ごすことに生きがいを感じる男なのである。

「夏男よ、貴様が女体以外に興味を持つとは意外であるなハッハッハッ」

「ゾンビの次は、ぜひ食われて欲しいものですわ、是が非でも‼」

「春奈よ…言わせてもらうが、俺だって数少ない人類ヒト科の生き残りなんだぞ‼ ある意味では、希少種だ‼ それをゾンビの垂れ流しの体内に放り込むような扱いには断じて言わせて頂こう‼ 断じて否であると‼」

「先生、思うんだけど、小太郎君ってゾンビの下に自分を置いているわけ?」

「おれの主張ガン無視? 教師が…ガン無視…俺の存在って?」

 夏男が項垂れる。

「まぁ、アレはミミズ以下ですわ…確実に」

 春奈がアレ(夏男)を指さす。

「そういうわけではないんですけど、食物連鎖的には人を喰う生き物が上に位置するんじゃないかって話です」

「うんうん、それで?」

 ミミズ以下の夏男が無駄な論議を広げようと相槌を打つ。

「小太郎会長、そうなると…河童はゾンビの上に位置するということだな」

 秋季が泥沼を扇子で指す。

「あぅあぅあぁぁぁ…」

「うわぁ~……食われてますね…ゾンビ…」

「まぁ、可愛そうなことをしましたわ…運転手さん…」

「先生思うんだけど、運転手なしでどうやって帰るの?」

「いや…運転手いないとかのレベルじゃなくて、そもそも、いたところで縦になったバスをどうこうできるとは思えませんけど…」

「うんうん、それで?」

「ハッハッハッ、次は我々ということか?」

「まぁ、そうとは限りませんわ、ゾンビは食うけど人は食べないかもしれませんもの」

「先生思うんだけど、あの貪り食う感じ…アレ何でも食べるわよ…きっと」

「うんうん、それで?」

 夏男の相槌にイラついてきたころ。

「ココに逃げたです‼」

 騎馬戦のような連携プレイで沼の畔に駆け付けた冬華ズ(冬華・青海・向井)

「チッコイ先輩…軽いとはいえ…限界だ…バイクを盗んでくるから、それで移動を頼めねぇか?」

「だらしないですね~僕は、まだまだイケますよ‼ 未来人をナメないでいただこう‼」

 ムキッ‼


「まぁ、援軍ですわ‼」

 泥沼の籠城戦に希望はあるのか?

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